夏型過敏性肺炎は 、初期症状が夏風邪と似ているため見逃されがちな病気

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「夏になるとせきが出る…。風邪じゃないのかな?」夏型過敏性肺炎は、初期症状が夏風邪と似ているため見逃されがちな病気だ。毎年同じ症状を繰り返している人は慢性化しないうちに専門医に相談しよう。

【写真を見る】旅行や帰省で「自宅を離れると体調がよい」という人は、一度調べてみても

■カビが原因でなる風邪によく似た症状の病気

夏になると風邪をひく、せきがいつまでも出る……。もしかしたらそれは、夏型過敏性肺炎かもしれない。冬に多いイメージがある肺炎だが、最近増えているのが、この夏型過敏性肺炎だ。

「アレルギーによる過敏性肺炎の一つです。以前からあった病気ですが、原因が特定できたのが1987年なので、まだ広く知られていない病気といっていいでしょう」と吉澤靖之先生。

特徴的な初期症状は、夏バテのように体がだるくなり、乾いたせきが出るようになって発熱するというもの。夏風邪によく似た症状なので、ほとんどの人は大し た病気とは思わず、放置しがちで、冬前には治まってしまうのも特徴だ。

「ところが、翌年になると前年より早い時期に同じ症状が出て、繰り返します。3年くらい繰り返すと熱も出ないことがあり、せきだけが続いて、次第に坂道や 階段を上るときのような息切れを起こすようになります」

進行すると「肺線維症」という肺が線維化する病気を併発し、死に至ることも。特に喫煙者はいきなり慢性化の症状が現われるので注意が必要だ。

普通の風邪と違って、夏型過敏性肺炎がなぜしつこく繰り返すのかというと、原因物質がトリコスポロンという室内のカビの一種だから。カビの繁殖シーズンに症状が出やすいのはこのためで、家にいる時間が長い人ほど発症率は高くなる。

「トリコスポロンはほかのカビ同様、湿気の多い所に繁殖します。特に腐った木、畳、カーペットなどで繁殖しますが、室内飼いの鳥のフンや枕なども要注意で す」。古い木造住宅や床下浸水したことのある家などは特に注意が必要ですが、マンションも気密性が高いため、湿度が高くなりやすい低層階はご用心。浴室と脱衣所の間や洗濯機置き場の近く、キッチンの流し台周辺に多く繁殖する。

■呼吸器内科受診とカビ除去で予防を

「夏型過敏性肺炎かどうか判断する方法として分かりやすいのは、旅行などで自宅を4日以上離れたとき、症状が治まるかどうかです。旅先では調子がよかったのに、自宅に戻ったらせきが出る場合は、夏型過敏性肺炎の可能性があ るといえるでしょう」

当てはまる場合は、呼吸器内科で調べてもらって。「症状が強い人や慢性になりかかっている人にはステロイド剤を使用しますが、それ以外の人は原因物質から離れるための1週間ほどの入院ですみます。ただし、原因を取り除かないと意味がないので、夏型過敏性肺炎だと診断されたら、清潔な住居に移るか、カビが繁殖している場所をすべてリフォームすることが必須になります」。

予防としては、カビを除去して繁殖を防ぐことに尽きる。水まわりは日頃から水けを拭き取って湿気を防ぎ、室内の換気を心がけて。

■夏型過敏性肺炎チェックリスト

夏型過敏性肺炎になっても、ただの夏風邪だと思ってそのままにしてし まう人が多いそう。次の項目に当てはまるようなら、一度、呼吸器内科で調べてもらって。

●夏になると体がだるく、乾いたせきが出る

●毎年、夏ごろ同じような症状を繰り返している

●築20年以上の木造住宅に住んでいる

●鉄筋コンクリートの集合住宅の1〜2階に住んでいる

●雨漏りや床下浸水したことのある住宅に住んでいる

●鳥を室内で飼っている

●家にいる時間が長い

●旅行や帰省で自宅を離れると体調がよい

【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】