■連載/コウチワタルのMONO ZAKKA探訪

ゆだるような夏の暑さの中でも、いちまつの涼を感じさせる透明な雑貨たち。私たちがそのように感じる理由は、透明な色が水を彷彿とさせるから、ということもあるかもしれない。「風鈴」、「金魚すくいの持ち帰り袋」「ラムネの瓶」といった夏のアイコンにも透明なものは多く、透明な雑貨たちはそうしたノスタルジックな記憶にも繋がっていく。

■時間が宙に浮いたような錯覚を覚える『IRIS』

IRIS 

澄川伸一氏がデザインした『IRIS』はアクリル製の置き時計だ。本体はアクリルの無垢材を削り出しているとのことだが、透明な製品というのは素材のムラや加工の不手際があるとダイレクトにそれが判ってしまうので、こうした製品は高い技術力の結晶とも言える。ところで、名前の「IRIS(イリス)」とはギリシア神話に登場する虹の女神の名前である。アクリルを素材にした『IRIS』には入射した光を虹のように見せる効果があり、そうした虹を生み出すこの製品に虹の女神の名前をつけるとはいかにも洒落ているではないか。なお、秒針には「スイープセコンド」方式が採用されている。これは、1秒ごとに秒針が止まるのではなく常に針が流れていく動く方式のこと。針が動く際に音を立てないので寝室等にも向いている。カラーラインナップはブルー、ピンク、グリーンの3色で価格は税抜2万8000円。楽天市場から購入することが可能だ。

■感覚が研ぎ澄まされるような錯覚を覚える『TWOTONE』

TWOTONE TWOTONE

TWOTONE TWOTONE

多くの製品の目にする中で、ときおり一目見て惚れ込んでしまう製品というものがある。この『TWOTONE』もそんな製品のひとつだ。日本では『オセロ』の名前で親しまれているボードゲームの『リバーシ』をリデザインした製品なわけだが、「世界でもっとも美しいリバーシ」のコンセプトに違わぬデザインをしている。透明な本体はアクリルを使用しており、盤面にはラインを引く代わりにピースを置く窪みが64個設けられている。ピースの方も従来の白黒ではなく、ブラックとダークグレー、ホワイトとクリア、ブルーとピンクの3種の組みわせが用意されている。勝負がつくことには変わりないものの、「白黒つけない」ことで、2人の人間が共になって1つのゲームを仕上げていくような気がするのは私だけだろうか。カラフルなピースも含めて、インテリアとして常に部屋に置いておきたいところだが、価格は税抜き12万8000円と、容易に手が届く価格でないところが悩ましい。購入は公式サイトから行うことができる。

■不在の存在が見えてくるような『savon』

savon savon

『savon』はPETとアクリルを利用したモビールだ。子どもの頃、浮かぶシャボン玉や石鹸水で作った透明の膜を見て、自在に変幻する色を魅了されたことはないだろうか?シャボン玉というと透明なイメージがあるが、シャボン玉をシャボン玉たらしめているのは、実はその多様な色にあると思う。この『savon』ではその色をPETとアクリルで再現している。面白いのは、色のついた部分だけを再現して、シャボン玉の輪郭は製作していないこと。そこは、人間のイマジネーションが補ってくれるはず、という製作者の意図が見えて面白い。価格は税抜5556円。オンラインショップ「トウメイ」で販売されている。

■理科の授業の記憶が呼び起こされる『whistling Kettle』

whistling Kettle whistling Kettle

『whistling Kettle』はアメリカ「MEDELCO社」が製作している笛付きケトルである。「笛付きケトル」自体が最近は珍しい気がするので、それだけでも興味をそそられるのが、この製品の特徴は何といってもその透明なボディ。そのまま直火にかけて平気なのか?と不安を覚えてしまうが、耐熱ガラスを使用しており、もちろんそこは大丈夫である。透明な本体は湧き上がる水の姿を私たちの目に晒すので、まるで理科の実験をしているような気分になる。もしくはサイフォンでコーヒーを抽出している気分になるだろうか?容量は960ml。価格は税抜3800円で楽天市場から購入することができる。

■枯れることのない盆栽『bonsai』

bonsai bonsai

bonsai

『bonsai』はアクリルを素材に使用した盆栽だ。盆栽というのはそもそもはその形を愛でるものなのかもしれないが、透明な緑というのは何とも言えない美しさを放っていて、その色にも惹きつけられずにはいられない。パッケージ兼土台となる桐箱には、付属の白砂利を敷き詰めて上からアクリルの土台で蓋をする仕組み。美術館や博物館では廊下の足元が透明な素材になっていて、その下に作品が展示されていることがある。アクリル土台を通じて見える砂利は、そんな作品を彷彿とさせる。サイズは2サイズでSサイズ(幅225mm×奥行き155mm×高さ190mm)、Mサイズ(幅360mm×奥行き272mm×高さ290mm)となっている。価格はそれぞれ税抜2万4000円、7万2000円。オンラインショップ「トウメイ」で販売されている。

■身に纏う雨露『雨垂れリング』

雨垂れリング 雨垂れリング

最後は少し変わった製品を紹介しよう。『雨垂れリング』は名前の通り、雨露が付いたような姿をしたリングだ。雨露の部分は樹脂を使用して表現されている。もちろん、ひとつひとつ手作りで製作されているので個体差があり、同じものがひとつとしてないのもこの製品の魅力かもしれない。夏といえばよく晴れた暑い日のイメージが強いが、突然やってくる夕立のイメージも同じくらい強い。その点でも夏らしいアクセサリーと言えるだろう。リング部分のカラーはシルバーとゴールドの2タイプ。価格は税抜833円で「pomnomori」のオンラインショップで販売されている。

text/Wataru KOUCHI

趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc...日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介するライター。

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