主に5つの方法がある出生前診断

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最近では30代の出産は珍しいことではありませんが、出産年齢が高くなると胎児の染色体異常の確率が増えるとされています。妊娠がわかって出生前診断を受けようか悩んでいる人も多いのでは?ここでは出生前診断についての基礎知識、メリット・デメリットや受ける際のアドバイス、注意点をまとめていきます。まずは、出生前診断とは何かを確認しておきましょう。

■ 出生前診断とは?

広い意味で出生前診断とは、胎児の診察のために妊娠中に行なう検査全般のことをいいます。狭義においては妊娠9〜22週頃に行なわれる、お腹の赤ちゃんの遺伝子検査を指します。この遺伝子検査の目的は、胎児に病気や染色体異常(ダウン症など)がないかどうかを調べることです。

■ 出生前診断にはどんな種類があるの?

主に5つの方法があります。1つずつ見ていきましょう。

◎ 母体血清マーカーテスト

妊娠15~21週に受けられ、採血によって行われます。胎児に染色体の異常がある確率を知ることができます。リスクを伴わない検査ですが、あくまでも「確率」を知るための検査なので、検査結果が陽性だった場合、確定診断として羊水検査を受ける必要があります。陽性で羊水検査を受ける場合を考えて、妊娠17週までに受けることが望ましいとされています。

◎ 超音波検査(胎児ドッグ/胎児スクリーニング検査)

通常の超音波検査と区別して、「胎児ドッグ」「胎児スクリーニング検査」とも呼ばれます。妊娠11〜13週に受けられる初期胎児ドッグと、妊娠18週〜25週頃に受けられる中期胎児ドッグがあり、初期胎児ドッグは主に染色体異常の可能性の有無を調べ、中期胎児ドッグは主に胎児の形態異常を見ます。胎児ドッグにおいては染色体異常以外の疾患を発見し、いち早く対処できることもあります。

◎ 羊水検査

妊娠15〜18週に受けられます。母親のおへその下辺りに注射針を刺して羊水を採取し、羊水中に含まれる胎児の細胞を調べることによって、染色体異常の有無を調べる検査です。羊水検査は出生前診断の中でも「確定診断」的に扱われる検査です。しかしわずかながらも流産の可能性があり、また採取した羊水の中の胎児の細胞がうまく増えず、検査ができない可能性もあります。

※ 流産のリスクが約0.3%あるとされています!

◎ 絨毛検査

妊娠10~12週に受けられます。胎盤の位置を超音波検査で確認しながら絨毛を採取し、そこから胎児の細胞を培養して染色体異常を調べる検査です。出血、腹痛、感染に加えて流産のリスクがあります。

※ 羊水検査でも絨毛検査と同じ内容を調べることができ、絨毛検査の方が流産の確率が高くリスクも大きいです。

◎ 新型出生前診断(NIPT)

日本では2013年に認可されました。妊娠10~18週頃に受けることができる検査で、母親から採取した血液を調べ、胎児の染色体異常を見極めます。採血のみなので母子共に負担が少なく、母体血清マーカーテストより検査精度が高いと言われていて、特に陰性の場合、99.9%診断結果は正しいとされています。ただし、陽性結果の場合は、やはり確定診断として羊水検査を受ける必要があります。

※ 保険が適用されないので、医療機関によりますが、一般的に20万円前後の費用がかかります。

■ 出生前診断を受けるメリットデメリット

検査ごとのメリットやリスクについてはいくつか触れましたが、出生前診断全般に関するメリットとデメリットについてまとめてみます。

◎ メリット

高齢出産の場合は特にそうですが、検査結果が陰性なら、出産に伴う多くの不安を解消することができます。また、障害を持った子どもが生まれる確率が高いと事前に分かった場合、夫婦共にその子を迎える心の準備をすることができます。先天的な異常を早期発見し、治療を開始できることもあります。

◎ デメリット

これは上記のすべての検査方法に言えることですが、検査の結果は100%信頼できる「事実」ではありません。しかし検査結果を受けて、両親の精神的な負担がかなり大きくなる可能性があり、「中絶すべきか」を悩む夫婦やカップルもいます。こうして人口妊娠中絶によって胎児の命を絶つことに関する倫理的な問題も生じてきます。

※ 検査結果が100%正しいわけではありません!

■ おわりに

お腹の赤ちゃんの健康状態を知りたいというのは、親としては当然の感情かもしれません。出生前診断には多くの方法があり、メリットもデメリットも大きいです。パートナーとよくコミュニケーションを取り、不安な気持ちも二人で分かち合って、この大切な時期にできるだけ心と体の負担を和らげていきましょう。

(著:nanapiユーザー・はな 編集:nanapi編集部)