「あゝ、荒野」原作の寺山修司(左)、菅田将暉(中央)、ヤン・イクチュン(右)

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1960年代後半より日本のアングラ文化を牽引した故・寺山修司が1966年に遺した唯一の長編小説「あゝ、荒野」。2011年に嵐の松本潤主演、故・蜷川幸雄演出により舞台化され、ロングラン上演されたこの作品が、菅田将暉と韓国の名優ヤン・イクチュンのW主演で映画化されることがわかった。

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映画化に当たっては、時代設定を変え、舞台は近未来・新宿。少年院あがりの新次(菅田将暉)と、吃音と赤面対人恐怖症に悩む“バリカン”がボクシングジムで運命の出会いをはたす。社会に見捨てられ、もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく2人の奇妙な友情と愛、そして絶望的なまでの切なさを描いた青春ドラマになっている。

メガホンをとるのは、映画『二重生活』でその手腕が高評価を得た岸善幸監督。菅田とは、その『二重生活』以来2度目のタッグとなる。音楽を『レッドクリフ』『殺人の追憶』『血と骨』などで国内外を問わず活躍する岩代太郎が担当する。

本作について菅田は「ボクシングに挑戦するため、人生で初めて体を鍛えています。精神的な痛みを表現するような作品は今までやってきたけれど、男ならではの闘争心や肉体的痛みを表現する作品は初めてなので、今世紀最大に疲弊して、今しかできない、脂っこい作品にしたいです」とコメント。

共演のヤン・イクチュンとは既に何回か会ったそうで、「映像の中では目が怖くて、暴力的で、冷たくて、鋭くて、かっこいい。目が離せない。実際にお会いしてみると、チャーミングで、優しくて、一緒に食事をした時は、ギャグを言っていたりして、その愛おしいギャップにやられました。監督もやられているので、映画への想いなどの話も聞かせていただき、熱量と、視野の広さを感じました。いい意味で、怖くて、楽しみ」と話している。

そのヤン・イクチュンは「寺山修司、唯一の長編小説を原作にした『あゝ、荒野』への出演が決まったことを、本当に光栄に思います。この作品への参加を決めてから他の作品への出演を控えるようになりました。暫くは『あゝ、荒野』に集中したいと思ったからです。今までの作品全てが大切で特別でしたし、芝居において悩ましい点はどの作品においてもありましたが、『あゝ、荒野』には、それ以上のプレッシャーを感じます。役作りをしている今、ボクシング、言語の壁、その他学ぶべきこと、やるべきことが山積みの中、緊張とやり通せるか不安を感じているのは事実です。しかし、それらこそ、この作品に参加する過程でしか味わえない、素晴らしい映画的、ドラマ的な要素の一つと感じています。菅田将暉さんとは、ボクシングのトレーニングでご一緒しましたが非常に勘がよく、なにより目がとてもイイと思いました。共演させて頂くのがとても楽しみです」と話している。

『あゝ、荒野』は2017年に全国公開となる。

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