「ラグビーを始める女のコが明らかに増えた」と語る中村(左)と「地元で女子高生に『ファンです』と声をかけられた」と語る桑井

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リオ五輪開幕まで2週間! 今大会から正式種目に採用された7人制ラグビーの女子日本代表、通称“サクラセブンズ”主将の中村知春(ちはる)と、チーム最長身(171cm)の桑井亜乃(くわい・あの)を直撃。

ラグビーを始めた理由を語ってくれた前編(『女子ラグビー7人制代表が語る。 「女子力を磨くよりも五輪に出たい!」』)に続き、五輪本番に向けた猛練習ぶりや抱負を聞いた。

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―昨年、男子のラグビーW杯でエディージャパンが旋風を巻き起こし、その猛練習ぶりも話題となりましたけど、サクラセブンズも男子に負けないくらい厳しい練習をやっているそうですね。

桑井 一日のスケジュールは、朝練、朝食、仮眠、午前練、昼食、昼寝、午後練、夕食、夜練…みたいな(笑)。

中村 それが普通だね。

―朝練は何時スタート?

桑井 たいてい5時半からなので、4時50分には起床ですね。それで夜練が終わるのが20時くらい。

中村 私たち選手の間では、キツかった過去の合宿のことを、(合宿地にちなんで)「○○ショック」と呼んでいるんですけど、熊谷(埼玉)、菅平(すがだいら)(長野)、勝浦(千葉)がこれまでの3大ショックですかね。

桑井 なかでも強烈なのは今年1月の「勝浦ショック」。勝浦では毎年合宿をやっていて、去年も毎朝10本の坂道ダッシュから始まり、6日間ひたすらフィジカルを鍛えて一度もボールに触らない、まさかのノーボール合宿で、それもかなりキツかったんですけど、今年はそれを超えていました(笑)。例年だと往復350mの砂浜ダッシュを3本程度のところ、今年は2016年だからと4本×4セットやって、しかも合間にタックルの練習をやって…。

中村 今年の勝浦は、ユースの選手もいたので、彼女たちに「代表はスゴい練習をやっている」と思わせたいコーチの魂胆もあったのかと。でも、若いコのほうが体力はあるし、ユースの選手と競争させられて、逆にこっちがツラかった(笑)。

―合宿期間中は練習以外、とにかく体を休めている感じですか?

中村 ベッドに横になって、スマホでLINEをチェックするのが唯一の楽しみ。

桑井 たまにツイッターとかもやったりするんですけど、それは基本的にオフの日だけ。更新が途絶えているときは、合宿中で大変なんだなと思ってください(笑)。

―さて、リオ五輪の開幕まで2週間余り。今はどんな気持ちですか?

中村 今年2月に実際にリオの会場を見てきたのですが、気持ちは高まりましたね。ただ、ラグビーは本当にケガの多いスポーツですし、最後の最後まで五輪の舞台に立てるかはわかりません。だから、「よっしゃー、リオ行くぞ!」みたいな感覚はないですね。

もちろん、この6年間は五輪で金メダルを獲ることを目標にやってきたので、その舞台にサクラセブンズが立てる状況にあることは素直にうれしいです。ただ、今はチームがいかにベストの状態を保てるかに集中しているというか…今を生きるだけで精いっぱいなんです(笑)。

桑井 五輪はずっと憧れていた場所だし、そこに行きたい気持ちは人一倍強いです。だから、ケガに注意することはもちろん、そういう雰囲気をちゃんと自分で味わいたいなって気持ちですね。リオでちゃんと結果を残せることを楽しみにしています。

―目標はずっと言い続けてきた金メダル?

中村 金メダル以外はいらないとずっと言ってきたので。世界ランキング12位の今の状態だと、だいぶドラマチックな展開にならないと難しいのはわかっています。でも、予選の後、ワールドシリーズで世界と戦っているなかで手応えも感じているんです。ここまで結果が出ていないことには「すみません」と言うしかないですが、最後にリオで結果を出せばいい話だと思うんです。だからこそ、そこを見てほしいですね。

●中村知春(なかむら・ちはる)

1988年生まれ、神奈川県川崎市出身。28歳。小学校時代から12年間バスケットボールを続け、法政大4年時の2010年2月にラグビーを始める。アルカスクイーン熊谷、電通東日本所属。ポジションはBK。現在、主将を務める。身長162cm、体重64kg

●桑井亜乃(くわい・あの)

1989年生まれ、北海道中川郡幕別町出身。26歳。帯広農高、中京大では陸上部(専門種目は円盤投げ)に所属。大学卒業後の2012年4月からラグビーを始める。アルカスクイーン熊谷、八木橋百貨店所属。ポジションはFW。身長171cm、体重67kg

(取材・文/栗原正夫 撮影/ヤナガワゴーッ!)