「腕枕」が原因になる病気とは?

写真拡大


執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本忍(医師)


仲の良いカップルや夫婦はスキンシップも上手です。たとえば、「腕枕」もその一つといえるでしょう。ところがこの「腕枕」が原因となって、病気になってしまうことがあるのをご存知ですか。

それは「ハネムーン症候群」

「ハネムーン症候群」の正式名称は「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」といいます。
ハネムーン症候群のほかに「サタデーナイト症候群」と呼ばれることもあり、恋人間や新婚夫婦の間で男性が女性に腕枕をした際に起こる症状として知られています。

人の頭は体重の約1割といわれています。つまり、4〜6kgの重量が長時間乗っているのです。

とはいえ、橈骨神経麻痺に陥る原因は腕枕だけではありません。自分の腕を枕のかわりにしてベッドやデスクで寝ることや、骨折による神経の圧迫や注射によっても起こります。

橈骨神経は、肩から手の先にかけて通る大きな神経のひとつです。手首や指を伸ばしたりまわしたりするときに使われている神経で、この神経が圧迫されることにより手や腕が麻痺してしまうことを「橈骨神経麻痺」と言います。

麻痺を起こすと「下垂手」と呼ばれるように手首がぐったりとし、手や指に力が入らなくなり、感覚もなくなります。もちろん、物を持ち上げることもできません。症状が2日以上続くなら整形外科を受診しましょう。

橈骨神経麻痺ってどんな状態?

橈骨神経麻痺は、橈骨神経が損傷したことにより起こります。「損傷」とはいえ、神経が切れてしまうわけではありません。

神経組織は神経細胞の集まりです。
橈骨神経は、細い神経が束になっているようなものなので、圧迫し続けると負荷がかかり、束がほつれた状態になってしまうのです。

神経には弾力があるので、押したくらいではもとにもどりますが、長時間圧迫し続けることで元に戻るのに時間がかかってしまうのです。痛みのある場合は鎮痛薬を処方されることもありますが、程度が軽い場合は自然治癒で1〜3か月もすれば治るといわれています。

とはいえ、症状が重い場合は治療をしないと治らないことも多く、圧迫開放の手術や神経縫合の手術を受けたりする必要があります。症状が深刻化した場合は、筋肉が萎縮していくのでリハビリ訓練も必要です。


腕枕はスキンシップのコツにもなりますが、一方でリスクもあることが判明しています。
あまり長時間の腕枕は控えたほうがいいでしょう。