糖尿病予防にも! 妊娠中に運動をしても「早産」につながらないと判明

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妊娠中の大きな悩みのひとつといえば、体重コントロール。

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「食べづわりで体重が増えてしまった」「検診のたびに体重の増加を指摘される」という人も少なくないでしょう。

体重の増えすぎを防ぐために運動を取り入れようと思っても、早産につながるのではないかと心配になりますよね。

確かに以前は、運動をすることによって産生されるノルエピネフリンというホルモンが子宮の収縮を促し、早産を招く可能性があると考えられていました。

しかし、米国産婦人科学会雑誌『American Journal of Obstetrics&Gynecology』の2016年7月7日号に掲載された論文で、妊娠中の運動によって早産のリスクが高くなることはないという結果が発表されました。

それだけではなく、妊娠中の運動には多くのメリットがあることがわかったのです。

妊娠中の運動は病気のリスク低下にもつながる!

アメリカのトーマス・ジェファーソン大学で、過去のデータから「よく運動をしていた妊婦」1,022人と「運動をしなかった妊婦」1,037人を比較して分析したところ、様々な結果が明らかになりました。

まず、早産の割合は運動した人としなかった人では差がないということ。そして運動をした妊婦は、していない妊婦に比べて妊娠糖尿病や妊娠高血圧の発症率が少ないということが分かったのです。

その結果、出産時に帝王切開になるケースが運動していない女性は22%であったのに対し、運動をしていた女性は17%であるということがわかりました。

つまり、運動をすることで妊娠中にかかりやすい病気のリスクを低下させ、自然分娩できる可能性が高まるといえるでしょう。

ただし妊娠時の運動は12週以降に行いましょう

早産のリスクが増えることがないとはいえ、妊娠中の運動には注意が必要です。日本臨床スポーツ医学会誌によると、運動をしていいのは妊娠12週以降とのこと。

もちろん、妊娠経過に異常がないことが大前提ですので、必ず事前に主治医に相談してください。

特に、妊娠前に行ったことのないエクササイズをする場合は、その旨を主治医やインストラクターなどに伝え、1日5分程度から始めるようにしましょう。

米国産科婦人科学会(ACOG)のガイドラインから妊娠中におすすめの運動をご紹介します。1日30分程度を目安に、水分補給をしながら行いましょう。

■<ウォーキング・早歩き>

毎日気軽に取り組むことができ、全身の筋肉と関節を鍛えることができます。

■<水泳>

泳ぐのが苦手な人は水中でのウォーキングなどでもOK。けがや筋肉痛を起こしにくいので安心です。

■<エアロバイク>

自転車も妊娠中に有効な有酸素運動です。より安全面を考慮するなら、エアロバイクがよいでしょう。ただし、お腹が大きくなるとバランスを崩しやすくなるので注意が必要です。

■<ヨガ・ピラティス>

ストレスの軽減や柔軟性のアップに効果的。またヨガやピラティスで行う深い呼吸も妊娠中の体に良い影響を与えます。ただし、妊娠中にはNGのポーズもあるので、マタニティ用のクラスを受講しましょう。

妊娠中に運動するならケガのリスクが低いものを

妊娠する前から日常的に運動していた人であれば、医師と相談すればランニングなど少しハードな運動も続けることが可能です。しかし、もともと習慣がない人が急に運動を始めるとケガなどのリスクが高くなります。

特に、サッカーやフットサルなどお腹にボールが当たる危険があるものや、ケガをしやすいスキーやスノーボード、高温で行うホットヨガやホットピラティス、真夏の炎天下での運動は避けましょう。

また、運動時や運動後に異常を感じたり、出血や痛みなどがあったりした場合はすぐに運動を中止し、産婦人科を受診してください。

妊娠中の運動が早産につながるわけではないということがわかり、安心した方も多いのではないでしょうか。体を動かすのが苦手という人も、1日5分程度から取り入れてみると、心身ともにリフレッシュできるはずです。

無理のない範囲で運動を続け、安産を目指しましょう!

<参考記事>

※Exercise during pregnancy in normal-weight women and risk of preterm birth: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

※日本臨床スポーツ医学会誌Vol.13