21日、中国に駐在するベトナムの領事館は、中国人に対し観光ビザの申請受理を3日間停止した。理由は明かされていない。写真は中国のパスポート。

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2016年7月21日、中国に駐在するベトナムの領事館は、中国人に対し観光ビザの申請受理を3日間停止した。理由は明かされていない。東方網が伝えた。

広西チワン族自治区南寧市のベトナム領事館は、「20〜22日の3日間、観光ビザの申請は受理しない」と述べ、理由や22日以降の対応については言及しなかった。また、受理しないのは台湾・香港・マカオを除いた中国人のみで、他は通常通りの対応という。この対応により、南寧市のベトナム領事館では1日で1000件以上の観光ビザ申請をキャンセルした。

8月にベトナムに旅行する予定だった上海の女性は、「観光ビザの申請が受理されない影響で、旅行は1〜2週間遅れる。ホテルや航空チケットの損失だけでも8000元(約13万円)に上る。せっかくの旅行が台無しなのに、何の説明もない」と語った。

ベトナム紙・青年報は先日の報道で、ベトナム北西部で中国と国境を接するクアンニン省の幹部の発言として、ベトナム政府はこのほど、中国が南シナ海全域に主権や権益が及ぶと主張する根拠となっている「九段線」が印刷された中国の新版パスポート(旅券)について、ベトナムへの入国スタンプを押すことを避けるため、あえて別紙による単発の到着ビザの発行を開始したと報じた。2012年に発行された中国の新版パスポートは、ビザ(査証)のページに薄く印刷された地図にはっきりと「九段線」が印刷されているため、ベトナム政府はパスポートに直接入国スタンプを押した場合、「九段線」の存在を認めることになると判断し、別紙でビザを発行しそこへスタンプを押すことで抗議の意志を表明するものとみられる。

今回の観光ビザ申請の受理停止と「九段線」が印刷された中国の新版パスポートの関連性は定かではないが、中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の杜継鋒(ドゥ・ジーフォン)副研究員は、「ベトナムは南シナ海の仲裁裁判の判決を利用し、パスポート問題でさらに注目を集め、南シナ海問題を拡大しようとしている」と指摘した。(翻訳・編集/内山)