アサガオの観察にも大きな変化が

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 子供たちの夏休みが始まった。夏休みといえば思い浮かべるのはラジオ体操、絵日記、アサガオの観察などなど。ところが、こういった風物詩と呼べるような光景も大きく変わりつつあるようだ。

 教育面でいえば、ラジオ体操は夏の間の生活リズムを保ち、健康のためにも大切なものとされていた。ところが、福島県の小学校校長はこう明かす。

「いまはラジオ体操をやらない学校が増えている。地域によって子供の数が減っていて子供が集まらないという事情もありますが、親が夜勤の仕事などをしている家庭が増えたことも影響しています」

 期間を7月中だけに短縮したり、「最終日に来てくれたら景品をあげる」という地域もあるようだ。

「公園でやると苦情が来るなど、場所とりも大変。正直、なくなってほっとしている」(神奈川県・40代女性保護者)

 風物詩どころか、これでは“風前の灯火”である。

 宿題の定番だった絵日記は、ほぼ姿を消している。旅行に行けない家庭があるなど、家庭環境に配慮した結果だという。

「うちの学校は絵日記を描かせるのは1〜4年生だけ。5〜6年生は代わりに読書感想文を書かせる。保護者に思い出づくりのプレッシャーをかけてはいけない」(京都府・小学校教諭)

 1学期の終業式の日にアサガオの鉢植えを持ち帰り、毎日書き続けるアサガオの観察日記も、「いまは1週間に1回、学校に行って観察する」(千葉県・小学校教諭)というから驚きだ。

「家に鉢を置く場所がない家庭が増えている。近年の猛暑の影響で夏休み前に花が終わってしまうこともあり、夏休みの観察が難しくなっている」(同前)

 昔は全教科の宿題が入った『夏休みの友』という冊子があり、「ずっとサボッていて、8月末に焦って全部をやろうとしたが、ダメだった」という人も少なくないのではないか。

「そんな冊子、いまはありませんよ。もともと、各教科の宿題が少しずつ幅広く入っている『夏休みの友』をこなしても学習効果が低かった。代わりに、漢字や算数のドリルなど各教科から宿題を出しています」(前出・福島県校長)

『夏休みの友』がなくなっても、始業式直前の「最後の追い込み」はなくなっていないようだ。「自由研究」は強制ではなく、児童の自主性に任せる。

「県や市などが主催する、科学観察などのコンクールを紹介し、興味を持った子だけがやる形式をとっています」(埼玉県・小学校教諭)

 存在はしているものの、名前が変わったのが「プール開放日」である。

「いまは『プール指導日』です。以前、プール開放日に事故があったことから、開放して子供を遊ばせるのではなく、教師もプールの中に入って水泳の指導をしなければならない」(前出・福島県校長)

※週刊ポスト2016年8月5日号