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 この度クレディセゾンが、デジタルガレージと共にプライベートDMP「セゾンDMP」をリリースした。膨大なデータを取得できるクレジットカード会社ならではの強みを活かして、マーケティング領域だけでなく、幅広いビジネス展開を狙う。今回その詳細について、クレディセゾンの磯部氏に取材した。

■セゾンが展開するデータマーケティング

 クレジットカード「セゾンカード」の発行を始め、リースや住宅ローン事業、ASEANへの海外展開など、幅広く事業を行うクレディセゾン。そのなかで、磯部氏の所属するデータマーケティング部を含むネット事業部は、設立7年と同社の中では新規事業にあたる。
株式会社クレディセゾン ネット事業部 データマーケティング部長 磯部泰之氏

 同部署では、セゾンカードの会員データを活用し、同社のマーケティングのデジタル化や、ネット領域における新規事業の推進を行っている。

 事業におけるKPIは大きく2つあるという。1つはネット会員を増やすこと。カードユーザーがネットサービスに登録しネット会員となると、請求額などをオンラインで確認できる。そして、同社としては、インタラクティブにユーザーとコミュニケーションが取れるようになるため、様々なサービスを展開しやすくなる。

 「現在、ネット会員は1,200万人超。他のカード会社に比べると、かなり多いはずです」(磯部氏)

 2つ目は、スマートフォンアプリ「セゾンPortal」のダウンロード数を伸ばすこと。ユーザーの使用チャネルがPCからスマートフォンにシフトしている今、同社もアプリを重要視している。現在、ダウンロード数は150万を超えているという。

 そして、これらのKPIを達成するために注力しているのが、店頭での営業活動だ。同社は、対面でのカード申し込みの数も多く、その現場はパルコやららぽーとなどをはじめとした全国の商業施設にある。何より驚くべきは、年間にカードが約270万枚発行されるのだが、そのうちの約8割は店頭によるものだという。

 「対面でカードをお申し込みいただくのと同時に、ネット会員になってくださるお客様が6割以上。彼らの4割以上がアプリをダウンロードしてくださっています。スマートフォンを持っていない方もいる中で、4割というのは高い数字だと思っています」(磯部氏)

■DMPを構築した3つの理由

 ネット会員、ならびにアプリのダウンロード数の増加に動くネット事業部が、今回新たにDMPを構築することを発表した(関連リリースはこちら)。その理由を尋ねたところ、大きく3つの理由があるという。

 1つ目はCRMの強化だ。ファーストパーティーデータと呼ばれる自社で得られる顧客情報を蓄積することで、ユーザーとのコミュニケーションの最適化、さらにカードのリテンションの向上を狙っている。

 2つ目は広告事業の展開。ユーザーに、カード加盟店の情報を上手く伝えることができれば、加盟店へニーズのあるユーザーを送客できる。DMPを導入すれば、加盟店とのデータのやりとりや、外部メディアでのデータ展開もスムーズになる。

 そして3つ目は、最近注目の集まるIT技術を活用した金融サービスを展開するFinTechの取り組みの強化だ。データ活用により初期・途上与信のイノベーションも目指しているという。

 これら3つの目的で構築されたセゾンDMPはデジタルガレージとの提携によって実現している。これは、デジタルガレージおよびグループ会社が、クレディセゾンをはじめ、様々なクレジットカード会社との取引があり、センシティブなカード業界の知識も豊富なことが要因になっている。

 「デジタルガレージさんには3つの目的に関することをトータルで相談できるため、とても心強いパートナーです」(磯部氏)

MarkeZine編集部[編]、東城ノエル[著]