おいしそうでも「ゆっくり少しずつ」が予防のコツ

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暑〜い夏に、食べたくなるアイスクリームやかき氷。勢いよく食べて目の奥やコメカミが「キーン!」と痛くなったことはないだろうか?

実はこれ、医学的な正式名称で「アイスクリーム頭痛」と呼ばれる現象だ。

口から食べるのになぜ頭痛が起こる?

食べるのは口からなのに、目の奥やコメカミが痛むのはどうしてだろうか。

「アイスクリーム頭痛」には、2つの原因がある。1つは、喉が冷やされると、体が体温を維持しようと血流量を増やすため。血管が拡張することにより頭痛が起こる。もう1つは、急激に冷たいものが入ってくることで、喉の三叉(さんさ)神経(顔の知覚をつかさどる神経)が「冷たさ」と「痛さ」を勘違いし、痛みとして脳に伝達してしまうためだ。片頭痛のある人は、このアイスクリーム頭痛にかかる時間が長いとも言われている。

アイスクリーム頭痛を防ぐには、喉の神経に勘違いさせないように、ゆっくり少しずつ食べるといいようだ。

甘くみてはいけない「関連痛」

アイスクリーム頭痛のように、一見関係なさそうな部位が痛くなる症状を「関連痛」という。関連痛には深刻なケースもある。

たとえば、心筋梗塞や狭心症などの心疾患の場合は、腕部や左肩から背中、首やあご、歯に痛みを感じることがある。胆のうや肝臓の疾患、すい臓疾患の場合は肩に、腎臓疾患の場合は腰に痛みが出やすい。

2015年に「大動脈瘤破裂胸腔内出血」で亡くなった阿藤快さんも関連痛を感じていた。大動脈瘤とは、心臓からほかの動脈へとつながる大動脈の血管壁が弱くなり、瘤(こぶ)のようにふくらんでしまう疾患だが、瘤が大きくなった場合、血管周囲の組織を圧迫し、胸部の場合は背中に痛みを感じることがある。実際、阿藤快さんは亡くなる1〜2週間前から「背中が痛い」と訴えていたという。

難しいのが、「関連痛」なのか、ただの肩こりや腰痛なのか、見分けがつきにくい点だ。関連痛に詳しい北里大学北里研究所病院の外科・血管外科の金田宗久医師は、
「動脈瘤の患者さんの場合は、痛みを感じたらまず『痛くない姿勢はあるか』『痛くても動かせるか』『動かしたときに制限があるか』を確認するようお話しています」という。

あまりにも痛みが続く場合は、自己判断をせず一度は医療機関を受診したほうが安心だ。
「夜間に急に痛くなったり、痛みが徐々に増す場合もすぐに受診する必要があります」(金田医師)
[監修:北里大学北里研究所病院外科・血管外科 金田宗久]

(Aging Style)