アメリカのジョージ・ワシントン大学で3年目のシーズンを迎えた渡邊をはじめ、逸材ぞろいの若手選手たちはどこまで日本代表を成長させるのか。 ※写真と本文は関係ありません

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バスケットボール男子リオ五輪世界最終予選に18ヵ国が出場。6ヵ国ずつセルビア、イタリア、フィリピンの3会場に分かれ、各会場の優勝国のみに渡されるリオへの切符を争った。日本代表は1次リーグでラトビアに48−88、チェコに71−87と連敗。40年ぶりの五輪出場の夢は砕け散った。

まさに言い訳の余地のない完敗。ラトビアは昨季NBAでルーキー・ファーストチームに選出されたクリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス)不在にもかかわらず、日本は40点差の大敗。そのラトビアはプエルトリコに7点差で競り負け、プエルトリコは決勝でセルビアに31点差で敗れている。

世界に水をあけられているのは日本だけではない。昨年のアジア選手権で中国が優勝しリオ行きを決め、2位のフィリピン、3位のイラン、4位の日本が最終予選に出場。しかし、2008年、12年の世界最終予選に続き、日本のみならずアジア勢は1勝すらできなかった。現在、日本の世界ランクは48位(アジア8位)。五輪出場へ、越えるべき壁はどこまでも高い。

日本代表キャプテン田臥勇太(栃木ブレックス)が敗戦後に語った「今の日本の力は出し切った」という言葉が、まさに日本の現在地を的確に表している。リオ行きを決めた女子代表は、身長193cmの渡嘉敷来夢(らむ・WNBA/シアトル・ストーム)の存在も大きいが、高さ不足をスピードとシュート力で補っている。だが男子の世界レベルは、高さだけでなく速さもシュート力も兼ね備え、現状では男子代表がストロングポイントだと胸を張れる部分は皆無だ。

だが、日本バスケの未来が真っ暗かと言われれば、そうではない。最終予選でひと筋の光となったのが、203cmの渡邊雄太(21歳。ジョージ・ワシントン大)の存在。ラトビア戦、ブロックこそされたが、速攻時にダンクを試みたそのポテンシャルの高さは、過去の日本人選手にはない輝きを放っていた。

また、今回は代表に選ばれなかったものの、U−17世界選手権で大会得点王になった202cmの八村(はちむら)塁(18歳。ゴンザガ大)や、PG(ポイントガード)へのコンバートも視野に入れる195cmの馬場雄大(20歳。筑波大)など、若手には逸材がそろう。C(センター)に外国人ビッグマンの帰化が理想だが、次世代の代表は世界に高さで圧倒されることはないだろう。

ただし、開催国だからといって日本が東京五輪に出場できる保証はない。FIBAは、「世界ランクの向上」を出場条件として突きつけてくるはず。日本は是が非でも、この条件をクリアし出場にこぎ着け、願わくはアメリカ代表にボコボコに負かされてほしい。

歴史をひもとけば、マイケル・ジョーダンらが“ドリームチーム”と呼ばれ出場したのが、1992年のバルセロナ五輪。開催国のスペインは、そんなアメリカに81−122の41点差という大敗を喫している。しかし、その後、着実に強化を続け、06年の世界選手権で国際大会初優勝を遂げた。

体格で劣る日本は、もちろん同じようなサクセスストーリーは描けないだろう。それでも、スター軍団との真剣勝負は日本バスケの成長を急加速させるはず。40点差が越えられない壁ではないことは、歴史が物語っている。

(取材・文/水野光博)