21日、沖縄と米軍基地の問題に詳しい我部政明琉球大学教授が「沖縄から考える」と題して、日本記者クラブで講演。外国軍隊=米軍基地の存在は、不断に続く国内問題であり、整理・縮小以外に「解決策」はないと強調した。

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2016年7月21日、沖縄と米軍基地の問題に詳しい我部政明琉球大学教授が「沖縄から考える」と題して、日本記者クラブで講演した。外国軍隊=米軍基地の存在は、不断に続く国内問題であり、整理・縮小以外に「解決策」はないと強調。政府が、沖縄県の辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しに対する訴訟を起こすとの表明について、「このような強硬策は、住民の記憶から長期にわたり消えない」と批判、このまま埋め立て移転が強行されれば「基地の維持はできなくなってしまう」と警告した。

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我部教授の発言要旨は次の通り。

平時(民間地域)と戦時(軍事基地)との共存は困難である。「解決策」は、いずれかへの強要となる。強要は短期的には有効としても、長期的には不安定化を招く。辺野古基地建設を巡る安倍政権の強硬姿勢がその典型だ。こうした中で、日本全体の利益と特定の沖縄への負担を均衡させてきたのが、民主的で自由・公平を原則とする憲法だ。外国軍隊=米軍基地の存在は、不断に続く国内問題であり、「解決策」はない。

米兵などによる婦女暴行殺害事件や住民への被害をなくすためには、米軍基地の整理・縮小を進め、地域社会に与える米軍基地の存在(プレゼンス)を極小化することだ。すなわち米軍基地からの地域社会への人的流れ(外出)と物的流れ(騒音、水質・土壌汚染)の制限することが必要だ。

政府が、沖縄県が辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消したことに関する訴訟を起こすと表明したことはかなりの強硬策だが、これまでも強硬姿勢で基地はつくられてきた。1950年代の土地強制収用の強行は、住民の記憶から消えていない。沖縄の人たちにとっては大変なことで、米軍への抵抗のシンボルとなっている。納得されなければ前に進むことはできない。どんな関係でも和解しなければならない。(今回の強硬策は)70年先まで記憶から消えないだろう。

基地のあり方をめぐる議論は終盤に来ていると見ていいのではないか。このまま強硬策が展開されれば、基地の維持はできなくなってしまうだろう。基地を維持したいと思うなら、(住民の)利益の追求が不可欠だ。政治家が決断することが大事であり、指導者が負うべき宿命だ。(八牧浩行)