リオデジャネイロ五輪に出場する全日本女子バレーボールチームが20日、都内で壮行会を行なった。日本女子バレー史上初の4大会出場となる木村沙織主将が、「4年前はちゃらんぽらんな感じでしたが(笑)、今回は主将なので、しっかりとチームをひとつにまとめて前回以上のメダルを持ち帰りたい」と意気込みを語った。

 また、眞鍋政義監督は、東京五輪・ミュンヘン五輪・モントリオール五輪の金メダリストたちから千羽鶴を受け取り、「先輩方からの非常に重い千羽鶴をいただいた。リオにも持っていこうと思います」と神妙な顔を見せた。

全日本女子 リオ五輪 試合日程
(予選ラウンド)
8月6日 (土) 韓国戦(9)
8月8日 (月) カメルーン戦(28)
8月10日(水) ブラジル戦(2)
8月12日(金) ロシア戦(4)
8月14日(日) アルゼンチン戦(12)

8月16日(火) 準々決勝
8月18日(木) 準決勝
8月20日(土) 3位決定戦/決勝
※予選ラウンドは6チームずつ2つの組に分かれ、1回戦総当たり方式にて順位を決定する。各組上位4チームが決勝トーナメントに進出。日付は現地時間。()内の数字は世界ランクで、日本は現在5位

 日本の初戦は8月6日(土)、現地時間午前9時半、日本時間で同日午後9時半。相手はアジアのライバル韓国で、初戦から重要な試合となる。眞鍋監督は「まずは初戦、韓国に勝って勢いに乗っていきたい」と気を引き締める。

 5月に行なわれた世界最終予選(OQT)では、1−3で敗退している。日本は世界的エースのキム・ヨンギョンに3枚ブロックをつけて、逆にヨンギョン以外の選手たちに決められるケースが目立った。

 4年前のロンドン五輪でも、OQTでは韓国に負け、本戦ではしっかりと勝って、銅メダルを獲得した。今大会も同じくリベンジを果たしてほしいが、ひとつの鍵はリベロになるだろう。

 OQTではリベロの佐藤あり紗が韓国のハーフスピードのジャンピングフローターサーブに崩され、直接失点をする場面も見られた。今大会の登録メンバー12名には佐藤とともに座安琴希もリベロ/レシーバー登録で入っている。パスヒッター(レセプションを行なうアタッカー)を1人減らしてまで入れたレシーバーをどう活用するか。OQTでは一貫して佐藤をリベロ、座安をレシーバーとして起用してきたが、韓国戦では相性を考え、座安をリベロにすることも考えられる。

 セッターはOQTでは出場権を獲るまでは、ずっと宮下遥を使い続けたが、その後のワールドグランプリでは田代佳奈美をメインに使って、国際大会の経験を積ませている。状況次第では、宮下と田代の使い分けもあるだろう。

 宮下は6年前、15歳で初めて全日本に選ばれたときに、「自分に厳しく、オリンピックで金メダル」という目標を掲げている。今もその気持ちは変わっていない。だが、この6年間は苦しむ姿がよく見られた。宮下の前任の竹下佳江の存在があまりにも大きくて、「なぜこんなに比べられなければならないんだろう」と試合後に泣いたことも多々あった。

 全日本では所属チームと違うものが求められ、そのギャップにも苦しんだ。眞鍋監督が2014年にトライしたハイブリッド6(1人の選手が複数ポジションをこなす戦術)ではセンターブロックを任され、負担から故障間際まで追い込まれた。以前はモチベーションも「リオより東京」という意識で周囲と温度差があったが、今は違う。

「選ばれなかった人たちの思いも込めて、リオ五輪では金メダルを獲りたい」

 決意を新たにした宮下のトスワークに期待したい。

 そして、やはり一番のキーマンは木村主将だろう。木村は主将になってから、宮下によく気を配り、OQTの出場権が懸かったイタリア戦の前には「(トスを)全部私にもってきてくれればいいから」と声をかけた。宮下も試合開始直前に「全部もっていくつもりで行きます」と宣言し、木村は両チーム最多の31得点でそれに応えた。

 高校生で全日本にデビューした頃は「ワールドカップとオリンピックってどう違うんですか?」といった無邪気な問いかけをしていた木村だが、今はオリンピックの特別な重みを十分に感じ、エースとして主将としてチームを牽引し続けている。気になるのは小指のケガだが、壮行会でもしっかりと包帯が巻かれたままだった。

 眞鍋監督は前回ロンドンオリンピックでは、全員の背番号を本大会で入れ替え、相手を攪乱させた。今大会でもそのような秘策はあるのかと聞かれ、「秘策は......言ってしまったら秘策になりませんから(笑)」とかわしつつ、「(スポンサーの)資生堂さんに全員同じ顔に見えるメイクをしてもらう......かも」と会場を笑わせた。

「まずは初戦韓国にきっちり勝ち、その上で一番大事な準々決勝で勝てるよう8月16日に照準を合わせています」(眞鍋監督)

 ロンドン五輪の準々決勝の相手は中国で、フルセットの大激戦だった。眞鍋監督は「準々決勝は中国と当たる夢を見た」と言って対中国戦を想定していたそうだが、今回はどのチームを想定しているのだろうか。開会式の翌日朝の第1試合という初戦の韓国戦をものにすれば、予選リーグの上位突破が見えて、メダルへの期待もぐんと高まってくる。

中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari