アパレル産業が進むべき方向性は?「経済産業省からの提言」約120人が聴講

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 繊研新聞社本社で7月20日、「経済産業省からアパレル業界への提言」と題した講演会が行われた。講演は事前申し込みの早い段階で定員に達し、当日はアパレル業界関係者や学生など、立ち見を含め約120名が聴講した。 「経済産業省からの提言」約120人が聴講の画像を拡大

 講演会はファッションセミナーなどを開催するFashion Studiesの特別企画として繊研新聞社と共同で開催された。今年6月に発表された有識者と経済産業省により構成されるアパレル・サプライチェーン研究会の半年の活動を取りまとめた報告書に基に、研究会のメンバーでもある経済産業省 製造産業局繊維課 課長補佐 菅野将史がスピーカーとして登壇。報告書のブリーフィングや事例、提言を含め約1時間半の講演を行った。 菅野は、伝統的な産業構造「川上・川中・川下」の水平分断の仕組みの中でも特に、日本の強みの「ものづくり」とデザインやIT技術との結びつきが希薄であると指摘。「糸や素材の最初の段階から工夫を凝らし、独自性やエッジの効いた製品の生産が必要。それを怠ると、最終製品が外資ブランドに侵食され、縫製工場が潰れて雇用がなくなり、地方の経済に打撃を与えることにもつながる。服を企画している方々は楽観的観測ではなく、危機意識を持って問題に取り組んで欲しい」と語った。またアパレル産業が進むべき方向性として、「人材育成」「設備投資」「商取引慣行の改善」を通じて衣料品のクリエーションを高め、日本製品の海外展開を積極的に進めていくべきだと提言。同時に政府が担う役割として一連の取り組みの支援や法整備などを推進するプランを示した。 また、アパレル・サプライチェーン研究会の委員を務める軍地彩弓も会に出席し「日本のファッション産業は作り手も売り手も大変な状況にある。毎年議論は行われてきたが、今回報告書を発表したところとても反響が大きかった。それは世論が『日本の製造業どうなるの?』という危機感を持っていたからだと思う。ファッションを目指す若者達がファッション業界に夢を持てるか、今が正念場。この一連の議論をきっかけに業界全体で問題意識を共有していただきたい」と結んだ。アパレル・サプライチェーン研究会報告書