レナ・ダナム、30歳。SNSは人種問題やフェミニズムのために使う

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有名だからこそ、と。

ニューヨークに住む女子をリアルに描いたドラマ『GIRLS』を作り出し、エグゼクティブ・プロデューサー・監督・脚本・主演を務めるレナ・ダナム、30歳。

ドラマの内容や演技と同じように、インスタグラムなどSNSでの個人的な発信も賛否を呼び、ときに炎上し、話題の的になっています。

何が議論の火種になるかというと、レナのこれまでの作品の影響もあることでしょうが、人種差別やフェミニズムなどの社会問題についてのメッセージを頻繁に発信しているためでもあるんです。

人種差別問題は白人全体の課題、と訴える

ここ数年、アメリカでは黒人差別が改めて大きな問題になっています。

とくに白人警察官によるアフリカ系市民への偏見と、そこから来る過剰な暴力が問題視されていて、最近ではルイジアナ州とミネソタ州で黒人男性射殺事件が相次ぎました。

それに対し2013年に「Black Lives Matter」(直訳:黒人の命は大事)という運動が立ち上がり、デモやSNSで差別への抗議活動を展開しています。

レナはBlack Lives Matterを支持し、関連するツイートやインスタグラムを継続的に発信しています。

たとえば上のインスタグラムでは、「白人アメリカ人のいまの仕事は、変わること」というレナのツイートに対して、JRなる人物が「ほかの白人が何か悪いことしたからって変わらなきゃいけない? 何だそりゃ?」と返してきたことを伝えています。

そして「自分が暴力を振るわないからって、自分が暴力システムの一部ではないってことじゃない。『良い奴』であることにこんなにこだわらなければ、本当に何かを変えられるんだけどね。」と反論しています。

Black Lives Matterに対しては「All Lives Matter」(みんなの命が大事)という決まり文句で反発する人たちも少なくありません。白人の立場から黒人問題を語ることへの反感もあるし、そもそも人種差別という重い問題を取り上げること自体、ファンから「めんどくさい」と思われる可能性もあります。

それでもレナは、リスクを恐れずに問題提起し続けているんです。

フェミニズムをテーマに「Lenny Letter」を立ち上げ

レナが取り組んでいる課題は人種差別だけではありません。

フェミニズムをテーマにしたニュースレター「Lenny Letter」を立ち上げ、女性にまつわるさまざまな課題を「政治」「スタイル」「健康」などの側面で取り上げています。

「Lenny Letter」はレナ単独ではなく、『GIRLS』でも共同エグゼクティブ・プロデューサーを務めるジェニ・コナーとともにディレクションを担い、複数のライターが記事を執筆する一大プロジェクト。

「フェミニズム」と一口に言っても具体的にはいろいろな課題があります。「Lenny Letter」の中では、たとえば女優のジェニファー・ローレンスが、「なぜ 私は共演の男性よりギャラが少ないの?」と投げかけています。

またインスタグラムでは、こんな呼びかけもしています。

「もしドナルド・トランプが大統領になったら、私たち女性にとって不可欠な、必死に勝ち取った自由が奪われるような出来事が始まってしまう。女性が違法な中絶や自己誘導の堕胎で命を落とすことになる。そんなのは許せない。選挙では責任持って投票してください」(抜粋訳)

レナはこんな風に、フェミニズムの課題を私たちが自分事として捉えられるように、いろいろな角度からアプローチしています。この活動はもはや女優とかドラマの作り手といった枠を完全に超えているんじゃないでしょうか。

有名だからこそ

セレブリティ、とくに若い女性がSNSへ投稿する話題といえば、食べたものやファッション、友だちや家族とのイベント、あとは仕事のプロモーションくらい。

レナのSNSにも他愛ないポストはたくさんありますが、それだけではありません。有名人だからこそ重い課題について発言する、というのが彼女の考え方です。

インスタグラムに22歳の頃の写真をポストして「当時は世界のことが何もわかってなかった」としながら、彼女はこう続けます。

「私の場合、有名になって視聴者や読者に責任を問われるようになって初めて、人生と仕事をつなぐ(それによって全体的な)アプローチを理解して実践できるようになったの。私はまさにそういう道を通ってきて、感謝しているわ。とくに、私を教育する時間を割いてくれたあらゆる人にね(その感触が悪かった場合でも)。いま私は、有名であることの唯一の使い道は、意味のあるメッセージを広げることだと思っているの。そしていま一番緊急に言うべきだと思うのは、私たちの国が、人種の話をし、人種に対する根深いアプローチ全体を変える必要があるということなのよ」(抜粋訳)

つまり、自分の成功を社会に還元する方法のひとつとして、SNSでの啓蒙活動をしていると言ってもよさそうです。若い女性だけでなく、世の中全体を見渡しても、そんな使命感を持ってSNSで発信している人は、なかなかいないんじゃないでしょうか?

[Lenny Letter]