息子がある日突然ゲイだと告白!?そのとき親がすべきこととは…

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鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】 vol.6

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

みなさんは“LGBT”という言葉を目にしたことはありませんか? これはレズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャルなどのセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)のことを、その頭文字をとって表した略語です。
このLGBT、世の中にどれくらいいると思いますか? 電通ダイバーシティ・ラボの「LGBT調査2015」によると、実に人口の7.6%、13人に1人がLGBTなんです!
もしかしたらみなさんの家族にも、悩んでいる人がいるかもしれませんよ。

詳しく知りたいけど、なかなか知る機会のない“同性愛”の話題。
【ゲイだけど質問ある?】では、オープンリー・ゲイの鈴掛真が、みなさんの気になる疑問・質問にお答えしていきます!

質問 【ゲイの息子を持つ親として大切なことは?】

今回は、メールをくださった主婦の方からのご質問にお答えしましょう。

 昨年初夏に息子から「同性しか好きになれないからつらい。自分は結婚しないし変われないからごめんなさい」と打ち明けられました。

 その頃息子は不登校でした。私は息子が不登校の間「これ以上休むと卒業できない」そんな言葉ばかり掛けていました。息子は「理由を話すから」と言って泣きだし、数時間後メールで告白されました。

 ふだんから息子に愛情を伝えていれば、息子がこんなに苦しまなかったのではと後悔しています。子供には、親に申し訳ないと二度と想って欲しくないです。

 私自身気づかないところで息子を傷つけていないか心配です。
 子供と同じような方はどのような事で1番悩むのか、親に出来る事はなにか知りたいです。
 蓮の花が好き(o^^o)さんより

なんたるリアリティ! お母さんのお悩みがひしひしと伝わってくるメールでした。

何よりも先に、まずお母さんにお伝えしたいことがあります。
無理に理解しようとしないで大丈夫ですよ!!

唐突ですが、僕は球技が苦手です。
バスケットボールなんか、ボールを手に持って走っちゃいけないし、あんな高いところにある小さい輪っかにボールを入れなきゃいけないし、何が面白いんだろう……。(バスケファンのみなさん、ごめんなさい!)
たぶん、バスケが好きな人たちの気持ちを、僕は一生理解できないと思うんです。
でもだからって、別にバスケの邪魔をするつもりはありません。自分とは関係ないな、と思うだけ。
それと同じです。同性に恋愛感情を抱かない人は、そもそも同性愛者の気持ちはわかりっこないんです。

突き放しているように思えるかもしれませんが、この前提を知っておくことはとても大切です。
そもそも理解できないものを理解しようとしても、パニックになったり、やっぱり理解できなかった!と逆に嫌いになったりするだけだからです。
たとえ家族でも、親友でも、趣味や趣向が違うのは当たり前。セクシュアリティも同様です。
無理に理解しようとしないで「セクシュアリティなんてたいした問題じゃない!」と楽観的になることが大事です。
 

あくまで、子どもの気持ちとタイミングを尊重して。

実は僕も、家族の中で1番最初にカミングアウトしたのは、母親でした。

あれは高校1年生の、思春期まっただ中の頃。人生の中で最も多感で、複雑で、繊細な時期。将来のこと、学業のこと、恋愛のこと、自分自身のこと……自ら制御できないほど色んなことが頭の中を巡る年齢です。

特にセクシュアリティは、思春期の考えごとの中で最も重い難題。自分の中だけでは整理がつかず、誰かに相談したい、家族に認めてもらいたいという考えに至り、家で母親と自分の二人きりになった日を見計らって、告白しました。

今思えば、母親にとても大きな重荷を背負わせてしまったな、と思います。
それは当時の僕が、上記の“理解”を母親に求めてしまっていたからです。
同性愛者には結婚も出産もありません。孫を見せてあげられないことをとても申し訳なく思いました。でも、お母さんならわかってくれる……僕のすべてを理解してくれる……その期待が強すぎて、母親は随分悩んだと思います。
まさに今、相談者さんとお子さんも、この段階なのではないでしょうか。

その後、僕は母親と心を通わせられないまま、母親も僕のセクシュアリティについて話を振ってくることがないまま、気づけば10年もの月日が経っていました。
けれどその10年間で、一人暮らしを始めたこともあり、僕は家族との上手い距離の取り方を知りました。今では家族全員にセクシュアリティをオープンにできるようになり、実家に帰ったときにはとても仲良く過ごすことができています。

もしも親にできることがあるとすれば、それはやはり優しく見守ることだと思います。
今お子さんが戦っている苦しみは、決してお母さんのせいによるものではありません。LGBTにおいて、自身のセクシュアリティについて悩み苦しむことは、いつか必ず迎える自分自身との戦いだからです。
家族はその戦いを、適度な距離感で見守ってあげてください。
『同性愛者でもいいんだよ。あなたはそのままでいいんだよ』
その気持ちがお子さんに伝われば、例え何年も時間が掛かっても、いつかきっと彼も心を開いてくれると思います。
 

質問、お待ちしています!

鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】第6回、いかがでしたか?
次回は、【どうしてカミングアウトしようと思ったの?】という疑問にお答えしたいと思います。

みなさんからの質問も募集しています。
疑問やお悩みなど、気になるお話をお寄せください。
メッセージお待ちしています!

【今週の短歌】
なんだって
いいから君の
1番に
なっていたくて
貸した教科書
 

【ゲイだけど質問ある?】 バックナンバー

●vol.5 【腐女子ってどう思う?】
●vol.4 【いつゲイだって自覚したの?】
●vol.3 【ゲイとオネエってなにが違うの?】
●vol.2 【そもそも同性愛ってどういうこと?】
●vol.1 【ほんとにゲイなの?】

鈴掛真プロフィール


鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
愛知県春日井市出身。東京都在住。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
雑誌『東京グラフィティ』で連載中。
Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

●Twitter http://twitter.com/suzukakeshin
●ブログ さえずり短歌
●オフィシャルWEBサイト http://suzukakeshin.com

Written by 鈴掛 真