飯伏幸太、初主演映画を語る「映画とプロレスを突き詰めると最高の表現ができる」
『いかレスラー』の河崎実監督が、またまた、ぶっ飛びなB級映画を誕生させた。その名も『大怪獣モノ』(“怪獣もの”を作ろうということで、怪獣モノ……!)。

 地球が自然のバランスを崩したために、大怪獣モノが東京に出現。地球を守るため、万能細胞「セタップX」を投与された新田(斉藤秀翼)が巨大化して身長40メートルの巨人に変身する。変身した新田はなぜかプロレスラーになり、プロレス技を駆使してモノに立ち向かう――。

⇒【YouTube】映画「大怪獣モノ」予告編〜河崎実監督、飯伏幸太主演 http://youtu.be/MyZQt-Rny4U

 変身後の新田を演じるのは、超人気レスラー・飯伏幸太。映画初主演となる飯伏選手に、撮影裏話を聞いた。

◆なんの話かわからなかったです

――オファーが来たとき、どう思いましたか?

飯伏幸太(以下、飯伏):びっくりしました。なんの話か分からなかったです。去年のG1 CLIMAXの直後でめちゃくちゃ忙しかったんですよ。なので、軽い感じで返事をしたら、どんどん進んでいって。

 そのあと、自分が秋にぶっ壊れて、一回、白紙になったんです。でも年末、監督と直接会う機会があって、そこで監督の本気さが伝わってきて、内容も詳しく聞いて、やってみようと思いました。

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――プロレスシーンは、ただプロレス技を仕掛けるだけでなく、ロックアップから始まり、打撃、そして飯伏選手の必殺技“フェニックス・スプラッシュ”という流れが、まさにプロレスの試合そのものです。

飯伏:プロレスを分割してやったことがなかったので、初めての感覚でした。それはそれで楽しかったです。出来上がって編集されると、プロレスの試合みたいになっているんですよね。

 もしかしたらですけど、映像としては完璧なプロレスが出来るのかもしれないです。いい部分だけを撮り直して繋げると、最高の試合が出来るんじゃないかという可能性もありますね。そこは楽しみというか、もうちょっと挑戦してみたいです。

――プロレスシーンの演技指導はありましたか?

飯伏:演技指導の人はいたんですけど、映画としてやってほしいプロレスの動きと、自分がたぶんコレやったほうがいいなというのが、まさに一致していたんです。

 ほとんど言うことが同じだったので、『じゃあ、全部任せます』と言われて、ほとんど自分が思うようにやりました。

――モノの“中の人”はプロレスラーですか?

飯伏:プロのアクターさんです。プロレスをすごく知っているかたで、ディック東郷さんが昔やっていたプロレス学校に少し通ったことがあるそうです。なので、ロックアップや受け身はなんとなく出来ていて、やりやすかったです。

――黒のショートパンツが昭和っぽいですよね。

飯伏:この映画は最初から昭和な空気が出ていますよね。自分はたぶん童貞役なので、それも含めて昭和な空気がありました。でも設定は現在なんですかね、スマホを使っていましたし。

◆キスシーンは、めちゃくちゃ恥ずかしい

――次回作も、プロレスをやりたいですか?

飯伏:プロレスとかアクションがあったほうが、正直、楽っていうのはあります。でもまったくなくても、出来るのであれば挑戦したいという気持ちもあります。

――どんな映画のどんな役がいいですか?

飯伏:それはもう、なんでもいいですね。普段、映画を観ないので、どういうものがあるのか分からないし、どういうものが自分に適しているのかも分からないし。

――ラブストーリーとか?

飯伏:どうなんですかね、一番苦手ですよ。キスシーンとか、めちゃくちゃ恥ずかしいです。

――プロレスラーでもある赤井沙希さんとのキスシーンはどうでしたか?

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飯伏:実際、キスはしていないですけど、ヘンな感じでした。同業者が顔の近くまで来るっていう。でも表情とかは作らないといけないので、その辺が難しかったですね。

――赤井さん演じるリサのような、妖艶でミステリアスな女性は好きですか? それとも清楚な美和(河西美希)のほうがいい?

飯伏:リサは異性として見られないですよ。スタートが同業者なので。でもこのときはホントに女性として見る感覚になりました。そこはヘンな感じだったんですけど、リサか美和だったら美和ですね。キレイ系かかわいい系だったら、かわいい系が好きです。

◆シャワーのシーン、あれなんだったんですかね?

――シャワーのシーンでは肉体美を披露されています。

飯伏:あれ、なんだったんですかね。唐突にずっと流れてるじゃないですか。普通の映画だったら要らない部分ですよ(笑)。

――際どい感じでしたが、全裸だったんですか?

飯伏:全裸ではないです、ギリギリ。以前、レスリー・キーさんに写真集を撮ってもらったときの感覚と似ていましたね。もう少し角度を上げてとか、言われて撮り直す感じとか。それがあったので、今回はそんなに恥ずかしいというのはなかったです。

――滝のシーンもすごかったです。

飯伏:3月に撮影したんですけど、ホントに寒い日だったんですよ。埼玉の山奥のすごい寒いところで。氷が溶けて流れてきたような滝で、足の指をつけただけで『あ、もうムリ』と思いました。

 でも段々、試合前のような感覚になってきて。試合前1時間とか、集中してどんどん自分を上げていくんですけど、その状態って、もう痛くなくなるんです。その感覚とすごく似ていて、冷たくなくなりましたね。

 撮影している最中に、試合と同じで“覚醒”しました。復帰戦の一週間くらい前だったので、経験できてよかったです。

――アメリカの「怪獣ビッグバトル」でも怪獣と戦っていますが、改めて怪獣と戦ってみてどうでしたか?

飯伏:似ていました、感触だったり。それはそれでやりやすかったです。怪獣ビッグバトルは、ヨシヒコとモノのミックスバージョンみたいな感じなんです。あれ、中身が入っていないんですよ。最初は入っていたんですけど、リングで戦った12分くらいは入ってなくて、怪獣の着ぐるみと戦いました。感覚としては、ヨシヒコとやっているのと同じです。

◆映画とプロレスはちょっと似ている

――「飯伏プロレス研究所」の所長である飯伏選手。モノを通してプロレスを研究できましたか?

飯伏:映画とプロレスはちょっと似ているんだなと感じましたし、映画の表現はプロレスに使える、もしくは繋がるものを感じました。逆も感じましたね。プロレスが映画でも使えるんだなと。

 この2つを突き詰めると、もしかしたら2つとも最高のものができるんじゃないかと思います。映画でもプロレスでも、最高の表現ができるんじゃないかなと。

――初日舞台挨拶では、監督から「演技が上手になっていった」と言われていましたが、自分が成長していく感じもよかったんでしょうか?

飯伏:それはありましたね。成長して監督に褒められたりとか、周りの人に『おっ、君、上手くなったね』と言われたりとか。そういうのはやっぱり嬉しかったですね。

――この映画をどんな人に見てもらいたいですか?

飯伏:みんなに見てもらいたいです。あらゆる人に。プロレス好きの人もそうですけど、むしろプロレスを知らない人に見てほしいですね。怪獣好きや戦隊モノ好き以外の、本当にまったく関係のない人が見て、どう思うのかっていうのが気になります。それでハマってくれたら、それはもう嬉しいし。そこからプロレスが広まってほしいです。

●映画『大怪獣モノ』
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、7月16日より全国順次ロードショー。
『大怪獣モノ』公式サイト:http://mono-movie.com/

<取材・文/尾崎ムギ子 撮影/今井裕治>