20日、南シナ海の仲裁裁判決への反発から、中国の憤青(愛国心が顕著な若者)の暴走が止まらない。資料写真。

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2016年7月20日、南シナ海の仲裁裁判決への反発から、中国の憤青(愛国心が顕著な若者)の暴走が止まらない。

12日に中国側の意に反する判決が下されてから、中国メディアでは米国や日本などを批判する報道が連日行われている。まず、中国のネット上では「フィリピン産のバナナは食べない」といったボイコットの呼び掛けが行われた。その後、一部の人々が河北省にあるケンタッキーフライドチキン(KFC)の店舗を取り囲み、「日米韓比の製品ボイコット」などを訴える横断幕を掲げた。この行為に共鳴する人々が、中国各地の十数都市で同様のデモに及んだ。

もっとも、一般のネットユーザーからは「愛国主義の皮を被った知能レベルの低いやつらだ」「騒ぐ前に自分たちのスマホを破壊しろ」「自国民に被害を出す行為は愛国とは呼べない」など、批判の声が多数上がり、政府系のメディアも自制を呼び掛けた。また、この運動の発起人の一人とされる中国社会科学院国家文化安全・イデオロギー建設研究センター副主任の朱継東(ジュウ・ジードン)氏が、「ケンタッキーボイコット」を呼び掛けるためにiPhone 6を使用していたことが暴露され、嘲笑の対象になっている。

憤青の怒りの矛先は意外なところにも向いた。それが日本で大食いYouTuberとして活躍する木下ゆうかさんだ。木下さんが以前、動画に登場していた際に着ていた白黒のプリントTシャツが、憤青の間で「日本人が南京大虐殺の写真が入ったTシャツを着ている」と批判の対象になった。もちろん、木下さんのTシャツの写真は南京大虐殺とは全く関係がなく、色合いや構図が似ていることから画像検索で戦時中の写真が多数ヒットし、誤解したことが原因だった。

さらに、木下さんは137本のバナナを食べるという動画も投稿しているのだが、これに対しても批判が集中した。理由は、「この時期(仲裁裁判決が出た)に、フィリピン産(と思われる)のバナナを137本(中国の人口13.7億人を暗示)食べるとは、中国人を侮辱している!」というものだ。まさに「暴走」としか言いようがない。こうした状況は、日本だけでなく海外でも注目され、台湾のネットユーザーからは、「木下さんは『中国への謝罪大会』に参加すべきだ」といった声が寄せられた。「中国への謝罪大会」は、台湾の芸能人が中国人の怒りを買い、謝罪や釈明に追われるケースが相次いでいることを受けて台湾のネット上で行われているイベントで、皮肉交じりに中国に謝罪するコメントを投稿するものだ。

また、韓国のネットユーザーからも、「ほとんど被害妄想」「13億7000万人?もっといるだろうに」「日本の右翼は嫌いだけど、中国の憤青はもっと嫌い」など、批判する声が多数を占めている。(翻訳・編集/北田)