専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第64回

 ゴルファー憧れの"名門コース"ですが、外から見ているのと、中から見たのでは、だいぶ実情が違います。名門ゴルフ倶楽部って、そんなところだったの? というお話をしたいと思いますので、今後の入会の参考にでもしてください。

(1)名門は歩きのラウンドが多い
 1000万円以上ものお金を出して、晴れて名門コースの会員になったのはいいが、なんと歩きのラウンドで「当コースにはプレーヤーの乗用カートは置いていません」だと。マジですか!?

 こんな名門倶楽部、実は多いです。

 何でこうなったかというと、名門=ブリティッシュ志向なんです。英国のゴルフは、歩きが基本。名門は歴史が古く、英国の影響を色濃く受けています。

 そもそも乗用カートは、アメリカ人が流行らせたもの。日本は英米の両方から影響を受けて、名門コースは英国派、庶民はアメリカンって感じでしょうか。

 名門コースは年寄りが多いのに歩いてラウンドって、なんか矛盾している気がするんですけどねぇ......。

(2)名門は服装にうるさすぎ
 知り合いのシングルプレーヤーでお金持ちがいるのですが、その人がプレーするのは、庶民的なコースばっかりです。それでこちらが、「お金があるんだから、名門コースに入れば」と言うや、その人は「あ〜いうところは、うるさいから嫌」ときっぱり。

 何がうるさいかというと、まず服装ですね。革靴、ジャケット着用は当たり前。短パンをはくときは、ショートソックス禁止が多いです。

 何で、ですかねぇ〜? 日本の男子ツアーでも、キャディーは短パン&ショートソックスOKですよ。中途半端に長いソックスをはいてラウンドすると、日焼けの跡がカッコ悪いです。

 あと、サイドポケットのあるパンツでラウンドしてもいけません。これの根拠がわかりません。今はスマホ世代ですからサイドポケットがあると、そうした小物を入れたりできてすごく便利なんですけど......。

 そして笑うのは、アーミーパンツや迷彩柄のパンツは軍隊を想起させるからダメっていう話。考えすぎじゃないですかね。

 この服装に厳しいのも、英国譲りの風潮です。アメリカのリゾート地で、長いズボンをはいてプレーしてみてくださいよ。「おまえ、足をケガしているのか?」って言われますから。

(3)名門倶楽部は派閥が多く、わがままな人が多い
 某名門コースで、朝からレストランで怒鳴り合っているのを見たことがあります。「マナーがなっておらん」とか、そんな口論でしたが、レストランで怒鳴っていることが、すでにマナー違反だと思うんですけど......。

 名門コースのメンバーさんは、社会じゃあ成功した人物で、そりゃもうわがままです。そのわがままばかりがメンバーですから、コース内はもはや"日本わがまま博覧会"状態になっています。

 加えて、親睦団体みたいな、ゴルフサークルを結成していることが多いです。朝のレストランの座る位置まで決まっていて、『イーグル会』は窓側で、『バーディー会』は入り口付近を占拠、みたいなことが実際に行なわれております。

 そういう親睦団体は、月例などをまとめて予約できる特権があります。しかも、8時台のオイシイ時間帯にね。

 倶楽部にもよりますが、それらの親睦団体は研修会とはまた別の公認団体になっていて、その団体から倶楽部代表を何人出したとか、争っているわけです。そういう"倶楽部ごっこ"が楽しいと思う方は、ぜひ入会してみてください。

(4)名門はあくまで気高く
 私の知り合いが某名門コースに入会したくて、紹介状を書ける人を探しました。そうしたら、関連会社の役員がたまたま同じ倶楽部のメンバーだったので、紹介状を書いてもらうことに。ただ、その役員の方を直接には知らないので、知り合いの知り合いに頼んでお願いしたら、「直接知り合いじゃないので、紹介できません」と返事がきて、私の知り合いは無茶苦茶頭にきたそうです。まあ、本来の紹介というのは、そういうものなんですが......。

 私が某コースのメンバーになったときは、会員権業者に手数料3万円を渡して探してもらい、見ず知らずの人が紹介状を書いてくれました。相手は名前を書くだけでお金がもらえるんですから、いいバイトですよ。

 普通はこうなんですが、名門となる話は別なんですね。紹介状を書くにも、直接知らないとダメとは......。

 そうそう、先日亡くなられた代議士の鳩山邦夫センセイは、「友だちの友だちがアルカイダ」という発言で物議を醸しました。そう考えると、やはり友だちの友だちは紹介しないほうがいいのかもしれませんね。

(5)名門倶楽部vs芸能人&著名人
 というわけで、プライドの高い名門倶楽部の理事会と、わがままの"王様"大物芸能人&著名人との戦いが、名門では見モノです。実は、多くの著名人が理事会ともめて、喧嘩したり、除名になったりしています。

 有名な元プロ野球選手は、故郷の名門倶楽部に入会したけど、メンバーと同伴プレーしている間にマナーの悪さを指摘され、ぶち切れて退会してしまったとか。

 また、ある大物有名司会者は、メンバーデーの際にビジターの奥さんを同伴してプレーをしようとしたそうです。それについては、倶楽部側も例外として渋々認めたのですが、特別にプレーさせてあげたにもかかわらず、その大物司会者は「進行が悪い」とかいろいろと文句をつけてきたとか。結局、倶楽部側ともめて、大物司会者は出入り禁止になったみたいです。

 そんなこんな、名門コースにおける著名人の武勇伝は数知れず、です。

 まあ、そういうわけですから、名門倶楽部に入る方はお金が有り余っているマゾヒスト、そんな方が向いているかもしれませんね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa