■連載/阿部純子のトレンド探検隊

◆ワーキングホリデーや海外に興味を持つ若者に情報発信できる場に

ワーキングホリデー制度とは18歳から30歳を対象とした、二国間や地域間の取り決めに基づいて、文化や生活様式を理解する機会を提供するために、一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認める制度。ワーキングホリデー制度を支援、促進している「日本ワーキング・ホリデー協会」が、若者と世界をつなげることをコンセプトに、表参道にカフェ「Workingholiday Connection」をオープンさせた。

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

「ワーキングホリデー制度ができて35年経つが、最近の若者はワーキングホリデーという言葉さえ知らない人が多く、制度を知ってもらうためにカフェを作ろうと10年ほど前から話を進めていた。現在の日本では、6人に1人が貧困という現実があり、そういう子どもたちにも、何百万円もかかる留学と違い、ワーキングホリデーを使えば少ない初期投資だけで海外に行けるということを伝えてあげたいという想いもあり、海外に目を向ける若者に海外を身近に感じてもらう意義のあるカフェにしたい」(日本ワーキング・ホリデー協会理事長 池口 洲さん)

「ワーキングホリデーだけでなく、日本では海外に行こうとする若者が減っている。韓国では約10〜12万人ほどの若者が海外に行っているがそれに対し日本は約2万人。人口が日本の半分以下の韓国でも、海外に渡航している数は日本の約5〜6倍にもなる。これから国際競争が激しくなる中で、10年後、20年後には国際化の波に日本が置いていかれる可能性もある。少しでも若者に海外に目を向けてもらうために、カフェのスタイルで情報を発信する場にしたい」(Workingholiday Connection 事業担当 藤田 逸郎さん)

 ワーキングホリデー制度の認知向上と、海外に興味を持っている若者を支援することを目的とした同店では、オーストラリアに渡航経験のあるマネージャーの廣田 優一さんをはじめ、ワーキングホリデー経験者やワーキングホリデー希望者のスタッフを採用し、アイルランドや台湾など、海外からワーキングホリデーで来日している若者もスタッフとして働いている。

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

 ワーキングホリデーに興味があるけれど、セミナーなどに行くにはハードルが高いと思っている人でも、店内で気軽に経験者からリアルな体験談を聞くこともできる。また、英語でメニューをオーダーした人には、次回の来店時にコーヒー1杯が無料になるチケットもプレゼント。海外を肌で感じるカフェを目指している。

◆シーズンごとにワーキングホリデー協定国を中心とした世界の料理を提供

 メニューはシーズンごとに世界各国から取り寄せた食材を使った、その国独自の料理を提供する。第一弾は日本で初めてワーキングホリデー制度を導入し、渡航先として一番人気のあるオーストラリア。ユニークな食材もあるので、この機会にぜひ味わってみたい(価格はすべて税込)。

●季節限定メニュー:Manly Mess(マンリーメス)/1000円〜

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

今の季節にぴったりで、廣田マネージャーもイチオシのスイーツメニュー。敷き詰めたかき氷の上に、メレンゲ、生クリーム、ラズベリー、ストロベリーとエディブルフラワーを盛り付けた見ためも美しいスイーツ。メレンゲを崩しながら、かき氷やクリームなどをごちゃまぜ(mess)にして食べることからこの名が付いた。オーストラリアでは火照った体を冷やすためにビーチで食べることが多いのだとか。

 本場の食べ方に則り、ごちゃまぜにして食べてみた。崩したメレンゲがサクサクとして食感のアクセントになり、生クリームやかき氷のクリーミーな甘さと、ラズベリーやストロベリーの酸味がマッチング。パフェとかき氷が合体したような新感覚のスイーツという印象だ。ストロベリーのほか、マンゴー、白桃、レモンの4種類で展開。

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

●季節限定メニュー:ワニの手羽先/3000円、ディナーのみ

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン 日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

 思わずぎょっとしてしまうワニの手羽先のグリル。メニューでは上記画像右側のスタイルで提供(左側は撮影用のもの)。オーストラリアではワニ肉は先住民のアボリジニが古くから食べていた食材で、現在でもさまざまな料理に使われている。生々しい指や爪に躊躇してしまうが、実際に食べてみるとチキンのような味わいで、くさみやえぐみは一切ない。

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

チキンよりは固めで歯ごたえがあり、脂も少なくさっぱりと食べやすい。肉だけで出てきたらチキンだと思ってしまうだろう。日本ではなかなか食べる機会がないので、ぜひ挑戦してみて。

●ふわとろパンケーキ/1000円〜

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

 日本で和食を学んだ後、オーストラリアにワーキングホリデーで渡航し、日本でも人気の高いシドニー発祥の「bills(ビルズ)」でヘッドシェフにまで上り詰めた日本人シェフが、帰国後に開発したオリジナルパンケーキ。奇遇だが「Workingholiday Connection」の目と鼻の先には「bills」があるので、食べ比べてみるのも一興かも。オーストラリアのリコッタチーズを使ったふわふわのパンケーキで、卵感が満載のフレンチトーストのような味わい。口の中でふわりと溶け、甘さも控えめなのでペロリと食べてしまう。

●アーティフィサーコーヒー/ホット・460円、アイス・480円

日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン 日本ワーキング・ホリデー協会が運営する、日本初の海外を肌で感じるカジュアルダイニングがオープン

独自のコーヒー文化を育んでいるオーストラリアは日本でも注目されているが、オーストラリアの有力紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」にて、ベストバリスタとして選ばれ、日本人として唯一バリスタ協会の審査員も務めたShoji Sasaさんが焙煎したコーヒー豆を輸入して提供。Sasaさんが立ち上げたシドニーにあるコーヒーショップ「Artificer Specialty Coffee Bar & Roastery」の味を日本でも楽しめる。シーズンごとに産地を厳選し、浅煎りにして豆本来の特徴を生かしている。アイスコーヒーを試飲したが、浅煎りなので酸味を強く感じるさっぱりとした味わい。素材の風味や香りを楽しめるブラックがおすすめ。

【AJの読み】海外に目を向ける若者を増やす試みに共感

 ラフォーレ原宿の向い側、明治通り沿いにある原宿YMビルの2階という好立地で、ワーホリ対象年齢を過ぎた世代でも、おしゃれなカフェ&ダイニングとして楽しめる。「ワニの手羽先」はインスタ映えもするしSNSでもネタになりそうなのでチャレンジの価値あり。ワニを食べる勇気が無い人は、マンリーメスやパンケーキのスイーツをぜひ味わってみて。

 池口理事長によると、ヨーロッパで行なわれている、自分のコーヒー以外にもう1杯分をオーダーしてストックしておき、恵まれない人に提供する「ストックコーヒー」を児童養護施設の子どもたちに提供したり、クリスマスに施設や貧困層の子どもたちを招待するといった活動も視野に入れているという。子どもの貧困が社会問題となっている中で、海外に行く選択肢もあると提案する同協会の活動に期待したい。

文/阿部 純子

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