(写真=KRA)パワーブレイド

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韓国競馬界に新たな歴史が刻まれた。9年ぶりとなる三冠馬が誕生したのだ。

7月17日に行われた第16回「農林畜産食品部長官杯」(韓国G供Ε澄璽2000m)を制したのは、圧倒的一番人気のパワーブレイド(POWER BLADE)だった。7馬身差の圧勝劇だ。パワーブレイドは4月3日の「KRAカップマイル」(韓国G供Ε澄璽1600m)、5月15日の「コリアン・ダービー」(韓国G機Ε澄璽1800m)に続いての重賞3連勝で、三冠の栄光に輝いた。

まるでナリタブライアンのような競争成績!?

パワーブレイドの競争成績を見てみると、紆余曲折があったことがわかる。

2015年8月1日のデビュー戦(ダート1200m)を単勝1.8倍の圧倒的支持に応えて4馬身差で快勝。しかし2戦目となった8月28日のオープン(ダート1600)では、まさかの2着に。続く10月11日の「慶南新聞杯」(ダート1200m)でもクビ差の2着に敗れた。連戦連勝街道を走ってきたわけではないのだ。

敗戦した2戦は、いずれも4コーナーで先頭に立った馬を捕らえ切れなかったもの。その教訓を生かすように、4戦目となった11月29日の「Breeders Cup」(G掘Ε澄璽1400m)からは、快進撃が始まる。道中3番手につけたパワーブレイドは、4角で先頭に立つと上がり最速となる37.1で押し切り。2馬身半の快勝を見せたのだった。

年末の5戦目となる2歳戦(ダート1200m)では、「慶南新聞杯」で土を付けられたオトゥクオトゥギ(OTTUG OTTUGI)との一騎打ちに。2頭で後続に7馬身をつける激戦となったが、パワーブレイドが半馬身差で勝利し、雪辱を果たしている。

3歳となってからは4戦4勝!!

年が明けた2016年。まず2月12日のハンデキャップ・オープン(ダート1800m)は、古馬を相手に1.3倍の圧倒的な人気に応え、4角先頭の危なげないレース運びで2馬身差をつけて勝利(勝ちタイム1:56.5)。

そして、三冠競争の第一弾「KRAカップマイル」へと駒を進めた。単勝オッズは1.7倍。ライバルのオトゥクオトゥギに4馬身差をつける圧勝だった(勝ちタイム1:40.5)。パワーブレイドは続く「コリアン・ダービー」でも1.2倍の支持のなか、3馬身差の圧勝劇を繰り広げる(勝ちタイム1:52.1)。二冠をいとも簡単に成し遂げたのだ。

圧巻は、三冠制覇がかかった「農林畜産食品部長官杯」だろう。

単勝オッズは1.3倍の圧倒的な一番人気だった。道中はマークされるようにインに包まれ、4コーナーでも4番手の位置。しかし、直線を回り切って前の馬が外に膨らむと、インを強襲する。並ぶ間もなく先頭の馬を抜き去り、そこからは差を広げるだけ。ナリタブライアンの菊花賞のような、7馬身差の一人旅となった(勝ちタイム2:07.7)。

これまでの通算成績9戦7勝。連対率100%の文句の付けようのない成績だ。

ちなみに、韓国の三冠競争が施行されたのは2007年になってから。同年にジェイエスホールド(J.S.HOLD)が三冠馬となって以来の記録となった。二冠馬はこれまで2頭。牝馬のサンスンイルロ(SANGSEUNG ILRO、2009年)と、天皇賞馬イングランディーレ産駒のチクムイスンガン(JIGEUM I SUNGAN、2012年)だ。

(参考記事:コリアンダービー馬やGI馬を輩出!! 韓国に渡った日本の種牡馬たち

日本には馴染みの薄い血統か

では、パワーブレイドの強さの秘訣は何だろうか。韓国の競馬関係者たちは、口を揃えて“血統の力”と言う。

父メニフィ(MENIFEE)は米国産馬。韓国には2006年11月に輸入され、2012年から現在までリーディングサイアーの座を守り続けている。メニフィの父ハルラン(HARLAN)は、ストームキャット(STORM CAT)産駒。メニフィの母父はネヴァーベンド(NEVER BEND)で、その代表産駒は凱旋門賞馬ミルリーフだ。

また、パワーブレイドの母チョンマチョン(CHEONMACHONG)の血統を見てみると、その父はロストマウンテン(LOST MOUNTAIN)、母父はサーチフォーゴールド(SEARCH FOR GOLD)となっている。サーチフォーゴールドはミスタープロスペクターの兄弟だ。

パワーブレイドは韓国競馬における“超良血馬”と言っていいだろう。

9年ぶりの三冠馬誕生に沸く韓国競馬界。パワーブレイドはディープインパクトやアメリカンファラオのように、歴史的な名馬へと成長するだろうか。

すでにパワーブレイドは、韓国競馬をもう一段発展させる使命を背負っている。ぜひとも“競馬日韓戦”に参戦してもらいたいものだ。

(文=呉 承鎬)