徹底的に日焼けを防ぐには目も隠すべし 【写真:Getty Images】

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美白女子必携アイテムとは



「日焼け」は皮膚の防御反応とは知りつつも、やっぱり焼きたくないのが乙女心。徹底的に美白を死守したいなら、欠かせないのがコレ!

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 日差しが強くなると表れる「ダースベイダー族」。真っ黒い大きなサンバイザーと、ツバの広い黒帽子に長手袋。

 さすがに黒マントは羽織ってないけど、アスファルトの陽炎に浮かび上がる姿は、そこだけ異空間。でも美肌命の女性陣にとっては、日焼けするほうがよっぽど怖いのだ。

 肌の色素細胞「メラノサイト」が紫外線から皮膚を守るために作るのが、「メラニン色素」。肌を守ってくれるのはいいが、メラニン色素は赤黒く見えるし、色素が沈着すればシミにも。

 ちなみに皮膚のメラノサイトの数は白人や黒人など人種間でそれほど差がなく、肌の色の違いはメラニンの産生や分泌の能力の違いによるものらしい。

 メラニンが作られるきっかけは、肌に浴びる紫外線だけではない。2003年に大阪大学の井上教授らは、マウスの全身をアルミホイルで覆って目だけに紫外線照射したところ、全身の皮膚でメラニンが生成されることを発見した。

 紫外線の刺激によって作られるフリーラジカル「一酸化窒素(NO)」は、様々な反応を引き起こすシグナルとして働く。

 目で生じたNOシグナルは三叉神経の一つである眼神経を通じて、視床下部下垂体にまで伝わる。すると下垂体からメラノサイト刺激ホルモンが分泌されて、結果的に全身でメラニン合成を促すという仕組みだ。

 だから徹底的に日焼けを防ぐには、目も隠すべし。この論文発表以降、美白至上主義の女子の間ではサングラスは必携アイテムなんだとか。

まだまだある、美肌に導くメラメラパワー



 そんな美白女子なら、暗黒ホルモン「メラトニン」が美肌を保つことをご存じだろう。

 メラトニンは脳の松果体から分泌される唯一のホルモンで、睡眠誘導や抗酸化作用、免疫増強など多彩な機能を持つことから「奇跡のホルモン」とさえよばれる。

 サーカディアンリズムにのっとって、約24時間周期で夜になると合成が始まり、夜間のみ分泌されるから「暗黒ホルモン」の異名をもつ。

 毎晩健やかな眠りにつけるのは、メラトニンが規則正しく分泌されている証拠だ。

 メラトニンは最初、カエルの体表のメラニン凝集を抑えることで有名になった。そのせいか「メラトニンが日焼けを抑える!」と謳っている美白サイトをちらほら見かけるが、これは科学的には否定されている。

 カエルやらトカゲやらは敵から隠れるために、背景色にあわせて変幻自在に体色を変える必要があるが、そんな人類はいない。むしろメラトニンはそれ以上の存在で、泣く子も黙る「アンチエイジング」作用をもつ。

 紫外線は皮膚に酸化ストレスを与え炎症を起こすだけでなく、DNAにダメージを加えて皮膚の老化を招く。

 メラトニンにはビタミンEの約2倍の抗酸化力があるといわれ、体の中から活性酸素を除去して美肌を保つ。まさに天然のアンチエイジング物質なのだ。

 そんなメラトニンの合成を妨げてしまうのが、寝る前のスマホやパソコン。

 人には桿体と錐体の二種類の視細胞があることはよく知られているが、2002年に見つかったのが「メラノプシン」を含む第三の視細胞。全盲の人でも光を感じるそうだが、それにはこのメラノプシンが関係している。

 メラノプシン含有細胞は人では網膜に存在して、可視光線の中でも最も短い約470nm付近の波長、つまり「ブルーライト」に反応する。

 夜寝る前に寝床でスマホを始めると、青色光の情報が神経回路によって目から脳の体内時計中枢に届く。「まだ明るいゾ」という情報は松果体に伝わり、メラトニンの合成を抑えてしまう。

 ちなみに照明を点けたまま寝るのも厳禁。自前のアンチエイジング物質メラトニンが合成されなくなってしまう。お高い美肌化粧品をタップリ塗っても、寝スマホで効果は半減するのだ。貴女、「寝スマホやめますか、それとも美肌やめますか」。

 いつの時代も「色の白いは七難隠す」。この夏も照りつける太陽をメラメラパワーではね返していこう!

取材・文 工樂 真澄