「今年の関東地方の状況は22年前の『平成6年渇水』のときとよく似ています。今年は、平成6年よりも関東のダムの貯水率低下が著しく、これから夏本番に向けて注意が必要です」

そう警鐘を鳴らすのは、気象予報士の山口津香沙さん。梅雨明け前から、国内各地で猛暑日を記録し、今年は厳しい夏になることが予想されている日本列島。特に関東の水がめである利根川水系ダムの合計貯水率は一時37%と過去最低を記録!7月14日時点でも49%と厳しい状況が続いている。

「原因は冬季の雪不足と、6月にかけて関東北部の降水量が少なかったことです。このままですと相模川水系のダムを水源にしている神奈川県以外の首都圏で、水不足になる可能性が高いのです。平成6年渇水では、給水制限も行われ、1日2時間くらいしか水が出ないという家庭もありました」(同)

すでに節水を呼びかけている自治体もある。そこで今回、“家庭でできる節水テクニック”について、節約アドバイザーの矢野きくのさん、和田由貴さんに取材したところ、“絶対にやってはいけないNG節水術”が3つあるという。そんな、3つのNG節水術とは?

トイレのタンクにペットボトルを入れる

「意外と難しいのが、トイレです。最新式のトイレは一度に流す水の量が、従来の12〜13リットルから5〜6リットルへと激減しています。タンクにペットボトルを入れる節水方法は、タンクが傷むだけでなく、汚物を流すために必要な水の量が出ないため、詰まりの原因になることも」(和田さん)

レンジを使って野菜の下ゆでをする

「節水のためと、下ごしらえで、なんでもかんでも野菜をレンジで加熱することはおすすめできません。時短料理でレンジ加熱がはやっていますが、一部の野菜、たとえばほうれん草の場合、ゆでることで、尿管結石などの原因になるシュウ酸を取り除いているのです」(矢野さん)

風呂の残り湯を洗濯のすすぎに使う

「洗剤には汚れを落とす成分のほかに、落とした汚れを再付着させない成分も配合されています。洗いが終わった段階で洗剤は排水されているので、すすぎで残り湯を使うと、お湯に含まれた汚れが洗濯物についてしまいます」(和田さん)

家計にもやさしい節水の知恵だが、間違った節水方法にはくれぐれもご注意を。