20日、中国のポータルサイト・網易に、「日本人はなぜロボット産業にこれほどまでに熱くなるのか」と題した記事が掲載された。写真はパーソナルロボットPepper。

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2016年7月20日、中国のポータルサイト・網易に、「日本人はなぜロボット産業に熱くなるのか」と題した記事が掲載された。

記事は、中国社会科学院日本研究所の「日本学刊」に掲載された内容を紹介している。ロボット産業は「技術革新の象徴」と呼ばれる成長産業で、日本政府の経済振興策には欠かせない存在だとし、日本が発展させてきたロボット産業は、すでに日本経済と社会に重要な影響を及ぼしており、その影響は日増しに深く広くなっていると指摘している。その上で、以下の六つの点を紹介した。

1.各産業の生産率を向上させる
ロボットを用いることで人的コストを削減できるほか、原料が節約でき、品質の均一化が実現できる。不眠不休で生産することができ、空調や照明などの労働環境整備に係るコストも削減できる。また、日本ではサービス業などの非製造業分野が国民総生産(GDP)および労働者数に占める割合は70%前後で、労働生産率は低下傾向にあるため、サービス業などでもロボットを応用することが増えている。家事ロボットの開発により、家事の負担が軽減された主婦の雇用も期待されるほか、物流や小売、医療の現場でもロボットが普及している。

2.経済成長の促進
ロボット産業の発展は、設備投資の刺激、工業製品の輸出などを通じて経済成長に貢献する。経済産業省近畿経済産業局の板倉孝雄氏によると、ロボット産業の間接波及効果は、直接波及効果の2.38倍であることが分かった。これは、一般製造業の波及効果の約2倍よりも高い数値だ。

3.少子高齢化が引き起こす経済、社会問題を軽減
日本では少子高齢化や人口減少が非常に顕著で、2050年には65歳以上の人口が全体の40%以上を占めると言われている。これは、先進国で最も高い数値だ。産業ロボットの発展により、「人と機械の協力」や「労働力の補充」が実現する。補助ロボットは、経験豊富な高齢の労働者や体力の劣る女性に力を与えることができる。付き添いロボットやペットロボットなど福祉の分野でも応用が期待できる。

4.産業技術と産業構造のレベルアップを促進
「人」「ロボット」「情報システム」の三つを融合させた技術や、「人工小脳機能」の開発を通じてロボットの人工知能のレベルを向上させ、ロボットとインターネットの融合を推進させる。クラウドとビッグデータでロボットの認知・思考能力を強化することで、「スマート化」されたロボットは常に周囲環境を感知し、臨機応変に対応できるようになる。ロボットのスマート化とネット端末化は、ロボット技術の全産業への浸透を促進し、産業技術レベルの向上とモデルチェンジを促す。

5.防災救助、インフラ建設と再建を支援
世界で発生する地震の10分の1が日本で発生し、マグニチュード(M)6以上の地震の5分の1が日本で発生していると言われている。地震が多い日本では、ロボットが災害救助の新たな戦力として期待されている。また、高度経済成長期に建設したインフラの老朽化が進んでいるが、経費や人手不足から修繕が遅れている。ロボット導入によってこれらの問題の解消も期待される。

6.東京五輪での経済効果を確保
日本銀行の予測では、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催で、14〜2020年に建設投資が促進され、25〜30兆円の経済効果が見込まれている。五輪期間中の訪日外国人観光客は3300万人に上ると予想され、ガイドや警備、輸送などで人手不足の問題が生じる可能性が高い。多くの大学や企業は現在、不審者を発見するロボットや自動運転を行うロボット、ゲストをもてなすロボット、多言語対応のロボットの開発に積極的だ。日本政府と企業は、東京五輪がサービスロボットを広めるチャンスと捉えている。(翻訳・編集/北田)