ネットで安心して使える画像とは? CCライセンスが対応した「パブリックドメイン」という考え方

写真拡大

東京オリンピックのパクリ騒動やネットにおける画像やコンテンツの無断使用など、最近は著作権に関わるトラブルが増えている。ブログやSNSで使っていいモノと使ってはいけないモノの判断で悩むことも多く、気を使っているという人も多いだろう。

ネットの中には、一般のユーザーが安心して利用できるコンテンツはないのだろうか?

そこで気になるのが、このところ、よく聞かれるようになったのが「パブリックドメイン」(Public Domian)という言葉。
これは、該当の知的創作物について、その財産権が誰にも帰属せず社会全体で共有されている状態をいう。

もともとは、法律で定められた著作権保護の期限が切れた状態を指すものだ。
ところが、最近は自ら著作権を放棄するという意味で、パブリックドメインのライセンスでWebにアップするということが増えている。

インターネットの百科事典「Wikipedia」に登録されている写真も、現在はパブリックドメインのものが多い。

◎CCライセンスがパブリックドメインを導入
大きな要因として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)が、ライセンスの種類にCC0(パブリックドメイン)を取りいれたことは大きいだろう。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンでは日本語版ドラフトについて2013年11月〜12月にパブリックコメントを実施し、2015年に正式にリリースしたのだ。

そもそも、CCライセンスはインターネット時代の新しい著作権のためのルールで、創作物を公開する作者が「この条件を守っていればこの作品を使ってかまいません」という意思表示のためのものだ。
・by.large(表示)...作品のクレジットを表示すること
・nc-jp.large(非営利)...営利目的での利用をしないこと
・nd.large(改変禁止)...元の作品を改変しないこと
・sa.large(継承)...元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること


この条件を組み合わせて、自分が許可する条件をライセンスとして表示することができる。とはいえ、通常使用されるのは次の6つ。

・表示(by)
・表示+改変禁止(by-nd)
・表示+継承(by-sa)
・表示+非営利(by-nc)
・表示+非営利+改変禁止(by-nc-nd)
・表示+非営利+継承(by-nc-sa)


これまでのCCライセンスは、権利者に著作権を残しながら再利用の条件を選択できるものだったが、CC0は、創作物にパブリックドメインとして「いかなる権利も保有しない」というライセンスを付与するものだ。

◎写真共有サービス「Flickr」がCC0に対応
現在、「Flickr」などいくつかの写真共有サービスがCC0に対応している。それにより、ユーザーが自分の写真を公開する際に「いかなる権利も保有しない」と手軽に明示することができるようになっている。

CC0ライセンスが付与されたことで、第三者が利用できる範囲が大きくなる。

Flickr CC0ライセンスから画像を検索できる


これは、マッシュアップなどプログラムによる二次利用に積極的なFlickrならでは、の考え方なのかもしれない。
最近では、画像認識におけるディープラーニングの手法もかなり現実的になってきており、その際の学習材料としても、こうしたCC0ライセンスの写真が活用されそうだ。

ただ、CC0ライセンスが各国の法律による制限とイコールなわけではない。
したがって、実際に使用するにあたっては、よくコメントや制限の有無を確認することが必要だ。
CC0とはいえ、クレジット表記は求めるなどの場合もあるからだ。


大内孝子