“白っぽい”はOK? 舌の色や状態でわかる、体調のセルフチェック法

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執筆:南部 洋子(助産師、看護師、タッチケア公認講師)
監修:石川 毅(歯科医師:アイデンタルオフィス恵比寿 院長)


舌は、その人の体調や体質、内臓の状態を映し出す「鏡」であると考えられており、舌の色や状態を診ることは、その人の状態を知る手段のひとつとされています。東洋医学では「舌診」とも呼ばれており、心臓の働きや、ストレスなどの原因、精神的なものまで表れるといわれているのです。

舌は飲食物と身体が最初に出会うところです。そこでかみ砕かれた食物は、食道を通って胃へ運ばれます。ですから、舌は食べたものから一番影響を受けていますし、胃腸の状態が顕著に表れる場所でもあります。

舌には血液がたくさん集まっていて、血液や体液の質および過不足を見ることができ、体調などもわかります。舌の状態は一定ではなく、体調によって変化します。どんな状態だったら注意が必要なのか、ここで詳しくみていきましょう。

舌の不調を知ることができる「舌苔(ぜったい)」とは

舌苔とは、食べかす、口の中の細菌、それが作る代謝産物、舌表皮や口腔粘膜などのタンパク質が、細菌によって分解されたものが付着したものです。

舌苔が口臭の原因になる

こともあります。

通常、舌苔は健康な人にもついていて、ある程度の舌苔は口の中の正常な機能のためには必要です。舌苔は、舌の表面に白く薄く舌苔がついているのが健康的で理想的な状態です。この状態だと口臭にも影響を与えません。

 「舌苔(ぜったい)」が増えるのはどんなとき?

口の中が不衛生だと、口の中で細菌は異常に繁殖して舌苔として付着します。体調が悪いときや睡眠不足、また、タバコなどにより唾液が減少すると、口中の自浄作用、殺菌作用が低下し、免疫力も低下するため、細菌が繁殖し、舌苔が増えます。

また病人や老人で、あまり話をしない、食べ物は流動食が多いなどのように、舌を動かさなくても済んでしまっている場合も、舌苔が溜まりやすくなります。さらに胃腸が悪くなると全身の免疫力が低下してしまい、舌苔が着きやすくなります。胃腸に未消化物や余剰水分が多いと、舌の表面に分厚い苔が現れてきます。

舌の色や状態でわかる!健康・不調のセルフチェック

身体の健康状態は、その日の舌の色で簡単に確認することができます。
それでは早速鏡で確認してみましょう。

白い舌


冷たい飲食物の摂り過ぎにより、体内に過剰な水が溜まり、食欲不振、下痢、足腰が重だるい、疲れやすいなどの症状が現れたときになりやすい色です。

真っ赤な舌


唾液分泌機能低下、血液中の水分不足、発熱の可能性があります。

黄色っぽい舌


熱や病気などが進行してくると、白い舌に黄色い着色が現れることがあります。また、喫煙の本数が増えてくるとヤニの色で黄色くなります。

黒い舌


病状が悪化してくると黒い舌苔が見られることがあります。口の中の細菌のバランスが崩れてきて「菌交代現象」が起き、正常な菌が減少し、通常ではあまり存在しない菌が異常増殖しているのです。長期間抗生物質を服用した場合などに、この菌交代現象がよく見られます。舌に黒い毛が生えたように見えます。

黒や紫っぽい舌


血液に粘りが出ていて、血行障害を起こしている可能性があります。

舌の「形」でわかる健康状態とは

大きくて分厚い


水分や脂肪が体内に溜まっている可能性があります。

小さくやせ細った舌


体液や血液が不足している、水分不足の可能性があります。

舌に溝がある


粘膜再生力の低下で栄養不良を疑います。炎症を起こし、痛みが出たりします。

舌のウラにある「静脈の色」も確認

舌の裏側には、舌下静脈が両側にあります。この静脈が黒みをおびて浮き出ているときは、血流が滞っている可能性があります。身体の他の部位でも小さな血管障害を起こしているかもしれません。

静脈が細すぎて見えないときは、貧血や低血圧の疑いがあります。これはエネルギー不足の現れかもしれません。

舌苔は除去したほうがいいの?

口臭予防のために、頻繁に舌苔を除去している人を見かけますが、注意が必要です。舌苔を除去するブラシやクリーナーは、使いすぎると舌の表面や味覚を感じる部分を傷つけることがあります。除去するのであれば、1日1回程度にしてください。舌はとても傷つきやすので、やわらかく優しくケアしてください。

また最近では、自然な生体反応のひとつであるという考えや、舌粘膜の保護の観点から、物理的除去よりも根本原因の解決をはかる方向でもあります。


鏡に向かって、舌を観察するのは、気軽にできる健康チェックの方法です。
数秒でできるものですから、習慣化してもいいですね。


<執筆者プロフィール>
南部洋子(なんぶようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師 株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
タッチケアシニアトレーナー