「ぷよぷよシリーズ」のウィッチ役、「迷家-マヨイガ-」のこはるん役などを演じる佐倉薫さん

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編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第131回となる今回は、「ぷよぷよシリーズ」のウィッチ役、「迷家-マヨイガ-」のこはるん役などを演じる佐倉薫さんです。

――佐倉さんは、「ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary」のウィッチ役で声優の仕事をスタートさせていますね。

佐倉:ウィッチがプレイヤーキャラとして復活するときに、担当させていただきました。この時のボイス収録が初めての声のお仕事なので、思い出深い作品です。役が決まったときにまず親に報告したら、うちは家族全員がゲームをするので、お母さんが「ぷよぷよなの? ホントに?」って驚いていました(笑)。

――(笑)。役作りでは、それまでのウィッチの声をかなり勉強されたと。

佐倉:ぷよぷよシリーズの根強いファンの方はウィッチの声のイメージがあるはずなので、今までの作品の声を全部聴いて、いいなと思ったところを拾いつつ、私らしさをエッセンスとして入れさせていただきました。台本に「○○だったんですのよ」と書いてあっても、「○○だったんですのよ『ぉ』」と、語尾を引っ張る感じにしているのは私らしさというか、演じるうえで自分なりに気をつけている所です。声優を目指したきっかけになったくらいゲームが大好きで、昔は自分もぷよぷよをプレイしていたので、全部引っ張り出してきて、模索しましたね。

――その勉強の末に、ウィッチの声が仕上がるキメ手となったのは?

佐倉:飄々としていて、我が道を行くイメージですね。そこに「〜ですわ」っていうお嬢様っぽさを取り入れたりとか。おばあちゃん子っていう一面は、自分とリンクする部分なので反映しやすかったです。

――声を初披露したときの周りの反響は。

佐倉:応援してくださる方々から「僕たちの知っているウィッチで、佐倉さんの声でもあって…」と喜んでもらえたのでホッとしました。

――声の演技はもちろん、歌唱などいろんなことに挑戦している作品ですね。

佐倉:そうですね。ニコ生、ゲームショーの出演、ドラマCDもあって。最近でも、新しいアプリゲームに声をあてたり、アーケード版もありますし、新しい衣装とかが出たり何かあるたびに新録させていただいたりしてます。

――新しい衣装が出るたびに…もうアイドル的な存在ですよね。今でもプレイするんですか?

佐倉:しますよ(笑)!コンシューマーで出た時はショップで予約して特典をゲットしつつ、ゲームセンターにもしょっちゅう行きますし、アプリではガチャを回したりしてしっかり楽しんでます(笑)。

――出演作以外にもオススメのゲームはありますか?

佐倉:最近は海外ゲームがいちばん好きです。中でも、ストーリーが好きなのは「コール オブ デューティ」シリーズですね。銃をバカスカ撃って敵を倒す、男たちの闘いって感じのアツいゲームです(笑)。

――スカッとしそうです(笑)。

佐倉:最近気づいたのですが、私、芯が通っていてかっこいいものに憧れがあるみたいなんですよ。アニメで言うと、「BLACK LAGOON」のバラライカっていう小山茉美さんが演じているキャラクターにとても憧れていて。あんな風になりたいなと。

――海外ゲームにはまるきっかけになった作品は、別にあるんですか?

佐倉:「Fallout 3」っていう、ベセスダ・ソフトワークスさんが出しているゲームです。核戦争の後に荒廃した大地の中で、放射能で大きくなってしまった虫やネズミに囲まれながらサバイバルしていくんです。個人的につっこみたかったのは…自分が操作する主人公キャラの外見を自分で作れるんですけど、めちゃくちゃかわいく作ったつもりが、確認画面が薄暗い場所だったので、外に出て明るくなったときに顔を見たらゴリラみたいになっていたこと(笑)。こんな風に作ってないのに!って(笑)。

――面白いですね(笑)。カスタマイズ性が高いのも海外ゲームの魅力で。

佐倉:決まったクエストではなく、どのストーリーからも始められるし、オープンワールドで好きなところに行けるし。ちょっと乱暴な言い方ですけど、その気になれば、住人を倒すこともできちゃうという。だから、今回は“いい人プレイ”をしようとか、今度は“悪い人プレイ”をしてみようとか、そんなのもアリなんです。まさに自分が主人公!という自由度が高い、そういうところが好きですね。

――声優になるきっかけとなったゲームはどんな作品?

佐倉:サウンドノベルシリーズ「かまいたちの夜」です。当時はスーパーファミコンだったから、まだ声がついていなくて。ミステリーゲームだし、これに声がついてたら面白いなと思って、自分で喋りながらプレイしていて。それがきっかけですね。でも当時は、アニメやゲームの声はアナウンサーさんがやっていると思っていたから、「アナウンサーになりたい」って言ってました(笑)。

――映像に声をつけてみようと思うなんて、作り手の発想かもしれません。

佐倉:何かを作り出すのは好きでした。お絵描きも好きだったし。あとは、黒歴史みたいですけど、小説を書いたりとか(笑)。戦時中はおばあちゃんが国語教師をしていて、更に新聞記者を目指していたと聞いたことがあったので、おばあちゃんっ子の自分も文章を書いてみようと。声優になっていなかったら、そういった感じのクリエイター系になっていたかもしれませんね。もちろん声優もクリエイターだと思っていますけど。

――部活に入ったことはありますか?

佐倉:中学校のときは放送部でした。でも部員が2人しかいなくて。しかも、パソコン部と兼任の子たちがいてようやく成立する部でしたけど、放送コンテストにも出ていました。

――高校のときはどうでしたか?

佐倉:高校では弓道部に。それが今の特技にもなっています。もうひとつの特技は水泳で、幼稚園からずっと続けていました。運動は基本的にあんまり得意じゃないですけど、水泳の授業がある夏だけは、体育の成績が良かったですね(笑)。

――以前は、映像のお仕事もされていましたね。

佐倉:事務所の養成所に入るために上京して、最初のお仕事が「SmaSTATION!!」でした。声優になるまでは映像のお仕事も多かったですね。今でもパーツモデルのお仕事や、アーティストさんのMVに出演させていただいたり、何でもやっています(笑)

――最近では「迷家-マヨイガ-」のこはるん役が印象深いです。

佐倉:最初の頃、水島努監督からキャラクターの説明を受けたときの、あるひとことがすごく衝撃で、それを知った上でお芝居をするのはむずかしかったです(笑)。最後のほうまで全貌を掴めない女の子で、視聴者の方と近い形で演じていた記憶がありますね。

――これまで、お芝居の上で転機になった作品は?

佐倉:吹き替えで初めて主演をさせていただいた「アスク・ミー・エニシング 彼女の告白」です。主演って、周りを引っ張っていくお芝居をしなきゃいけないんだなと…。以前、事務所の先輩の本名陽子さんとご一緒したとき、マイク前に立たれているときに背中で語るというか、オーラがすごかったんです。本当にかっこよかった。立っているだけで主役…みたいなのは憧れますね。

――趣味は「アンティークショップ巡り」ということですが、実際に買い物もしますか?

佐倉:少し前に、いつも行っているアンティークショップでブックビューローを買いました。自分の部屋を古いものだらけにしたくて。しかも縛りがあって、茶色い家具しか置かないんです。あとは、壁一面に時計が掛かっています。

――今日の洋服もクラシカルです。

佐倉:好きなものを集めてしまうんですよ。洋服で言うと、昔はパンクとかロリータ系も着ていて、地元の山口にいる頃は、田んぼの中をロリータ服で歩くっていう某映画みたいなこともありました(笑)。

――パンクとロリータの親和性の高さってありますよね(笑)。最近の休日の過ごし方もそんな感じですか?

佐倉:最近は、お休みの日にトランポリンに行きました(笑)。雑誌で見て、絶対に行きたい!と思って、友だちを無理やり誘って行ったら楽しくて(笑)。

――アンティークショップを巡る一方で、トランポリン(笑)。

佐倉:あ、でもアクティブになったのは最近ですよ。昔から人見知りで友だちもいなくて、上京してからも全然外に出なかったたんですけど、最近ようやく気兼ねなく何でも話せる友だちができて(笑)その子たちが外に連れ出してくれたり、私のお誘いについてきてくれたりするんです。友達ができたのも上京して一人暮らしを始めたり、お仕事をだったりを通して色々考え方や物事の見方が変わってちょっとでも性格が明るくなったからかな。今でも表情硬い方ですけど、上京当時は養成所の先生に注意されるくらいニコリともできなかったので (笑)

――いいことだと思います。

佐倉:でも、趣味を作ろうと思って行動してみるんですが、飽きっぽいので何をしても続かないんですよ。楽しいと思って続いてるものだと…やっぱりお仕事が大好きですね。マイクの前に立っている時が一番生きている心地がします。あとはゲームかなあ(笑)。でも友だちと会うときはお仕事の話は一切しないですね。声優じゃない子がほとんどで自分が仕事とプライベートをきっちり分けたいタイプだからというのもありますけど、みんなびっくりするくらいいつも笑顔で、「お仕事でこういう事が大変だった」とか「疲れた」とか、マイナスの言葉を口にしないので、自分もそうありたいなあと思って。一緒にいる時はくだらない事でお腹抱えてずっと笑っている方が、またお仕事頑張ろうって切り替えができるので!

――お仕事の中で、特に好きな時間を挙げると?

佐倉:自宅でひとりでリハをするときはお芝居について考え込んでしまって少し鬱屈としちゃうので、収録現場で、スタッフの方々や共演者の皆さんと「ここはもっとこうだと思うんだよね」「こうするのはどうでしょう?」ってディスカッションする時間とか。みなさんと一緒に作り上げていく時間が好きですね。

――なるほど。好きな食べ物は何ですか?

佐倉:納豆が好きです! 3食すべて納豆でもいいくらい(笑)。

――3食全部? 味に飽きたりしませんか?

佐倉:飽きませんね〜。基本はそのまま、お醤油だけ入れて、辛子は入れずにサササッと食べるか、生卵と混ぜて飲み物みたいにサーッと食べるか(笑)。ときどき、ポテトチップスを砕いて入れて食べるんですけど、食感がザクザクして美味しいです。堅揚げポテトのゆず味とか。好きなものしか食べなくなるんですよね…。納豆とトマトがあれば、生きていけると思います(笑)。

――どちらもヘルシーだから生きていけそうです(笑)。自分が演じた以外で、好きになってしまったキャラクターは?

佐倉:ゲームのキャラだと、「ファイナルファンタジー」のセフィロス。長い銀髪で背の高いクールなキャラです。クールと言えば、じつは私、女優さんも好きな方が多くて。写真集やスタイルブックをよく買うんです。

――女優さんの?

佐倉:はい。今持っているのが、堀北真希さんとか橋本愛さんとか、アイドルだと白石麻衣さんとか…最近だとモデルの中村里砂さんも好きです。顔の系統を見るとクールビューティーが多くて、セフィロスもそういうイメージなのかも(笑)。写真集は自宅のアンティークトランクケースにぎっしり詰まってます。昔から自分のことが好きじゃないので…女の子って変身願望があるじゃないですか。だから憧れる女の子がいると、すぐに好きになっちゃうんですよね(笑)。お芝居をしているのも、私じゃない誰かになれるっていう、そういう変身願望があるからかもしれないです。

――自分の声の魅力をひとことで言うと?

佐倉:え!なんだろう(笑)。昔、ラジオのナビゲーターをしていたときに、「安心する声」と言っていただいたことがあったので、そうだったらいいなと思います(笑)。番組でJ-POPとか自分の好きなものを紹介していて、できるだけわかりやすく伝えられるように考えながらのお仕事だったので、嬉しかったです。

――これからお仕事の上で挑戦していきたいことは?

佐倉:声のお仕事はもちろんですが、心霊スポットロケに行ってみたいなと(笑)。怪談師のお仕事はちょっとだけさせていただいてるんですけど。

――怪談師…ってどんなお仕事なんですか?

佐倉:怪談を語ったり、心霊写真を紹介したり。たまたまオファーをいただいて。心霊写真は知人から譲り受けたものを持っていたりします。霊感はないんですけど、「迷家-マヨイガ-」の雑誌の取材では…撮れちゃったことがありましたね。怖いんですけど、楽しさのほうが大きくて。非日常感っていうのかな。「かまいたちの夜」もそうですし。ホラー映画も観ます。

――伺うのが怖いのですが…ホラー映画でオススメの1本を挙げると?

佐倉:私が好きなのは「呪怨」シリーズ。怖さという点では、海外より日本の映画が怖いと思うんですよ。オススメするなら「仄暗い水の底から」です。怖いだけではなく、最後に感動するので。

――では最後に、ファンのみなさんに伝えたいことをどうぞ!

佐倉:気づいたら身近にいる声優、街角で聴こえてくる声がじつは佐倉薫の声だった…という感じで、少しでもみなさんの生活に寄り添える声優であれたらと思っています。好きと言って下さるみなさんに少しでも気持ちがお返しできるよう頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

◆撮影協力

magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」