連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第16週「『あなたの暮し』誕生す。」第92話 7月19日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:藤並英樹


「とと姉ちゃん」をもっと楽しむために、疑問点は【黒とと】、いいなあと思った点を【白とと】としています。

直後よりもやや間を置いて、徐々に戦争につけられた傷が痛みを増してくるように描いているのか。そして、その戦争に苦しめられる女の役割を綾(阿部純子)に集中的に背負わすのはいいけれど、毎回、常子(高畑充希)が彼女の見られたくないところを目撃してしまうことがいたたまれない。【黒とと】

91話で、綾が常子にお金を借りに来て、92話で、心配した常子が綾の家を訪ねると、母親が、娘は新橋の「浪漫」という食堂で配膳をやっていると言う。「浪漫」という名前になにかいやな予感がしていたら・・・やっぱり。「浪漫」は女給が男性客を接待するカフェーだった。もっと直接的にカラダを売り物にしていたらどうしようかと不安だったが、とりあえず、「まれ」における一子のキャバクラと同じくらいの描き方であった。
女給名は「雅」。舞鶴のほうに行っている鉄郎叔父さん(向井理)が「神の舌を持つ男」(TBS 金よる10時)で追いかけている芸者の名前がミヤビである。【どーでもいいとと】

繰り返される綾の惨状。これに対して視聴者は何度、一緒に出版やればいいのに、綾はできる子で、常子はおせっかいキャラなのだから、と思っていることか。こんな時こそ「それはまだ先のお話」と檀ふみに未来予想ナレーションを入れてほしい。
そういうのはなくて放置のまま、代わりに水田(伊藤淳史)が出版社で働きたいと申し出てくる。
軍隊で上官にしごかれて以来、年上の男性と接するのが苦手になってしまったと告白する水田に、視聴者の多くは、そのわりに闇市でのコワモテのおっさんたちのあしらいがうまかったと思っただろう。それに関しては、鞠子(相楽樹)のために頑張ったみたいな台詞でフォローされた。【黒とと】

それにしたって・・・と釈然としない思いに浸っていると、花山伊左次(唐沢寿明)のバイタリティーが、編集部の空気をがらりと変える。
カフェーに関してネガティブな気分を拭えない常子に、花山は逆転の発想をもたらす。カフェーで働く女性たちを取材しろと言い出すのだ。作りたいのは生活に困り荒んでいる女性を対象とした雑誌なのだからこそ、彼女たちを取材するべきだと。まったくすばらしいな、花山は。【白とと】
思考を整理するために知恵の輪をやっているところも魅力的な花山。【白とと】
こうして少々気分が上向いたところ、常子がカフェーの待機場を訪ねる場面で、ずらっと並んだ女性達がギロリ。タイピスト部屋と同じパターンで、ちょっと球種が少な過ぎ、と一瞬上向いた気分がまたちょっと落ちてしまった。【黒とと】
助けて花山。どうなる新雑誌!
(木俣冬)