体験レポ:行けば忍者になれる?日本科学未来館で10月まで「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」開催中

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2016年7月2日(土)〜10月10日の間、日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンにて、企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」が開催されます。

忍者というと、アニメや映画でおなじみのズキン姿で手裏剣を投げるイメージですが、今回の展示は忍者を科学的な観点でとらえ、その謎に迫ります。

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忍者の由来は諸説ありますが、戦国時代に相手の戦力や陣地の配置などを偵察したり、奇襲や破壊活動などを少人数で行うなど、傭兵としての一面もありました。江戸時代になると、各地の情報を集めたり、参勤交代の際の情報収集、警備などを行ったりもしたそうです。

敵勢地域に少人数で、時には単身で乗り込んで情報収集するために、彼らは当時の最先端科学を修得して任務にあたりました。また、地域の人と仲良くなって情報を引き出したり行動をコントロールするなど、コミュ力が優れていたという事です。

総合監修を務めた、三重大学人文学部教授の山田雄司氏は、今までの忍者展は、歴史や道具を展示する事が多かったが、今回の展示では、忍者はどういう存在だったのか、その技術や知識を現代にどう活かせるか、という視点からアプローチしたと解説。

日本科学未来館展示企画開発課の宮原裕美氏は、忍術はある種のサバイバル技術。展示会を通して忍者の知識などを知ってもらい、遭難したり災害時などのサバイバルに役立てたり、日常生活でのコミュニケーションなどで活用して欲しいとアピールしました。

そんな忍者のスキルは陸軍中野学校でもスパイの教材としてカリキュラムに取り入れられるなど、時代を経て現在にも伝えられています。

忍者の別名として、乱破(らっぱ)」「素破(すっぱ)」など様々な言い方がありますが、その中の「素破」は、特ダネを他社に先駆けて報道する意味の「すっぱ抜き」の語源でもありますので、我々のような記者にとっても忍者の素養は必要なのかもしれません。

そんな彼らの技術である「忍術」ですが、現存する「忍術書」などの資料を科学的な視点で分析し、実際の忍術がどのようなものであったのか、現代社会でどう役立つのかを体験できるのが今回の企画展です。

「忍者研究室」と銘打たれた展示コーナーでは、忍者を取り扱った映画や小説、マンガなどの書籍や、実際の忍術書の展示、活躍した忍者達が紹介されています。そこを抜けると、忍者修行の体験をとおして忍者の知識を学ぶエリアで、「心・技・体」のテーマに沿った3ステージを体験します。

会場では、近年完本が発見された「万川集海(まんせんしゅうかい)」を中心に「正忍記」および「忍秘伝」の「三大忍術秘伝書」から引用された忍術が紹介されておりました。特に、江戸時代になって編纂された伊賀、甲賀など流派を超えた忍術の集大成とも言える「万川集海」からの紹介が最も多く、内容も充実していました。

忍術名人ベスト11の中の、「下柘植ノ木猿」は、真田十勇士の猿飛佐助のモデルとなった人物とも言われ、放送中の大河ドラマ「真田丸」でも「佐助」として描かれています。

忍者に与えられたミッションは、生きて情報を持ち帰ったり、敵地で情報工作を行ったりする事です。勇ましく戦って怪我をしたり死ぬ事を極力避け、戦わずして生還する事が求められます。

体験コーナーでは、手裏剣を打ったり、忍び足の訓練やひまわり跳び(だんだん高くなるハードルを越えてゆく)など、いかにも「忍者」な修行も体験する事が出来ます。

その他、滝に向かってポーズをとると、影が大きくなったり、手裏剣が飛んでゆくなどのインタラクティブなコンテンツも用意されています。

展示では忍者の日常食なども紹介。バランスのとれた健康的な食生活だった事が伺えます。

その他短期決戦の兵糧丸と長期勝負の飢渇丸なども材料が紹介されていました。

兵糧丸や飢渇丸などは、現代で言うところの携帯食料で、カロリーメイトやシリアルバーなどに相当するのだと思います。

江戸時代やそれ以前の時代で現代に通用する栄養バランスがとれた携行食を作っていたのには驚きです。

他にも、針を使って方位磁石を作ったり、天候の変化を空の様子から予想したりと、今では理科の授業で当たり前のように習う事も、すでに知っていたそうです。

体験できるコンテンツとしては、匂いによって職業を当てたり、触るだけで対象が何かを当てる、道具を使って部屋の向こうの内緒話を聞くなどの忍術が学べるコーナーも。

さらに、忍者は、最近話題のコミュニケーション力やアンガーマネージメントにも長けていたようです。

相手に信頼される言動や、直情的に怒ったりしない事は正体を隠して相手先に潜伏し続ける事に役立ちます。「万川集海」では、潜入先の組織に就職して内部情報を得るというテクニックも収録されており、これはそのまま就活に生かせるのではないでしょうか?

忍術を使う際に結ぶと思われていた印も、精神を落ち着かせるため、集中するために行われていたものだそうです。

すべてのコーナーを体験すると、忍者認定証がもらえます。忍者のスキル、テクニックを現在に生かした場合のミッションを与えられ、我々は忍者の一人として、現代社会に還ってゆくのです。

タイトル 企画展「The NINJA -忍者ってナンジャ!?-」
会期 2016年7月2日(土)〜10月10日(月・祝)
開館時間 10:00〜17:00
(入場券の購入および会場への入場は閉館時間の30分前まで)
会場 日本科学未来館[東京・お台場] 1階 企画展示ゾーン交通案内はこちら
休館日 7/5、7/12、9/6、9/13、9/20、9/27、10/4 (全て火曜日)