ディズニー「ファインディング・ドリー」スタッフが語った“夢を叶える秘訣”特集<ピクサー・アニメーション・スタジオ取材Vol.2>(撮影:Kaori Suzuki)

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【ファインディング・ドリー/モデルプレス=7月20日】第76回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が日本にて公開中。前作の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかった“家族の思い出”を探すため、ドリーの家族の秘密をめぐって、新旧キャラクターたちが大冒険を繰り広げていくストーリー。モデルプレスは今回、その『ファインディング・ドリー』が制作された米カリフォルニア「ピクサー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、“夢が叶う場所ピクサー”の秘密に迫った。

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◆“一生懸命”なドリーの姿が感動を呼ぶストーリー


 
主人公はナンヨウハギのドリー。忘れんぼうのドリーが唯一忘れられなかった“家族の思い出”と、その秘密を求めて、海の生物にとっては禁断の場所である人間の世界で大冒険を繰り広げていく。その目的さえ自分で覚えていられないほど、相変わらず忘れんぼうのドリーだが、それでもあきらめないで海を泳ぎ続ける“一生懸命”なドリーの姿は、観る者に感動と勇気を与えてくれる。

Vol.2は“夢が叶う場所ピクサー”で働くスタッフに聞く「夢を叶える秘訣」特集をお届け。

◆アンガス・マクレーン(共同監督)&マックス・ブレース(ストーリー・スーパーバイザー)


マクレーン氏は数々のピクサー作品に参加した経験があるほか、『ウォーリー』(08)のDVD発売と同時にリリースされたオリジナルビデオ短編アニメーション『バーニー』で監督デビュー。また、ピクサーにとって初のテレビ特番アニメーションとなった『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』の監督も手がけている。今回の『ファインディング・ドリー』ではアンドリュー・スタントン監督との共同監督として、長編監督デビューを果たした。

ブレース氏は、スタントン監督がピクサーで手がけた全作品に関わっているベテランのスタッフで、ストーリー・スーパーバイザーとしてストーリー部門のチームを率い、物語に対して監督が持っているビジョンをストーリーチームに共有するという役割を担う。また、ストーリー・アーティストたちをそれぞれのシーンで役割分担を決めるなど物語全般の作業に携わっている。

<アンガス・マクレーン>

夢を叶える秘訣には、主にふたつのことがあって、普遍的に役立つことだと思うよ。ひとつは続けること。僕の場合は絵を描くことがもっとも大事、ということ。なぜなら絵を描く場合、ひたすら描き続けるためには、多くの自制心がいるからだ。誰もが子どもの頃に絵を描いている。でも、それをしばしば止めてしまうものだ。だから描き続けることは、僕らの成功の鍵だね。それは僕らがいつもやっていることで、やり続けていることだよ。

次にもっとも大事で価値があることは、自分が敬意を感じる仕事をしている人たちと働くこと。僕の場合は彼らと一緒に仕事をしながら素晴らしいアーティストになるために、自分自身が駆り立てられる。仲間からの、正直なフィードバック(意見など)は、成功するための鍵だよ。

<マックス・ブレース>

彼の言うことに付け加えるよ(笑)。アーティストになりたいと思い始めたばかりの人たちにとって、たとえば絵を描き続けることは、たぶんいいやり方だと思うよ。

◆ドン・シャンク(セット・アート・ディレクター)&ロナ・リュー(スケッチ&シェーディングアーティスト)


セットのアート・ディレクターを手がけるシャンク氏は、映画で描かれる『ファインディング・ドリー』の世界の撮影セットと周辺環境の開発を担当。リサーチを元にコンセプトアートを最初に描いて、それを物語とカメラワークに合ったものへ修正していく作業を行っている。一方の美術部門で働くリュー氏は主にキャラクタ―や風景、小道具の色付けやテクスチャーデザインなどを担当している。

<ドン・シャンク>

少年の頃、僕はいつも絵を描くことが好きでした。カトゥーンやアニメーションが大好きでした。だから、僕の個人的な夢を生きることに成功したように感じます。

独力で登り詰めることは、きっと難しいことだったりするでしょう。でも、もしもアニメーションの仕事をしたかったり、スタジオに入りたければ、それは可能です。

僕が最近気に入っていることは、自分自身のアニメーションを簡単に作れるツールがあるという時代に、今生きているということです。もしあなたの夢がアートで何かをするということであれば、大きなスタジオに入る必要はないと思います。自分でただ、やればいいんです。たぶん、そのほうがいいと思いますよ。なぜなら、ごく最初から、自分独自の考えでできるからです。

<ロナ・リュー>

わたし自身の経験から言うと、もっと幅広く考えることを学んだほうがよいということだと思います。アートをやりたいからピクサーに入らないといけないとか、ある会社に入らないといけないと考えたりすることに対して、です。

わたしはいいアーティストになりたいんです。アートに情熱的でありたい。だから、わたしはアートを経験したいし、自分が尊敬している人々と友だちになりたい。わたしは出来るだけ豊富な人生経験をしたいと思っています。

そうすれば、それはアーティストとしてのわたしを豊かにしてくれるでしょう。それが、夢の仕事や、夢のキャリアに自分を導いてくれればいいなと思っています。

◆アラン・バリラーロ(監督)&マーク・ソンドハイマー(プロデューサー)


バリラーロ氏は、ほぼすべてのピクサー映画でアニメーターとして働いた後に、『ファインディング・ドリー』と同時上映されるピクサー・アニメーション・スタジオの新作短編映画『ひな鳥の冒険』を監督。一方、ソンドハイマー氏は同作の製作を手がけるとともに、『ファインディング・ドリー』の宣伝用アニメーション制作部門のプロデューサーも兼任した。

<アラン・バリラーロ>

(どこからの繋がりでしょうか?)僕たちは(自分たちが)やっていることが大好きなんだ。アニメーターであることで、僕はアーティストであるという夢を追いかけていると感じる。すごく楽しめたら、それは仕事じゃない。だから、自分が大好きなことをやらないといけないんだ。

<マーク・ソンドハイマー>

あなたにとってリアルなことを見つけることだよ。アランが言ったようにね。情熱を傾けられることを。それはあなた自身のことであって、ほかの誰かじゃない。そして、頑張ってやってみるんだ。

ひとつ足させてもらうね。スティーブ・ジョブズは、ここの創始者だ。彼はいつも「ハングリーでい続けろ」と言っていた。それが彼の格言だった。どれほど成功していても、ハングリーでい続けること。それはとてもパワフルな言葉だと、いつも思ってきた。それから、もうひとつは、ここにはとても一生懸命働いている、素晴らしい人々がすごくたくさんいて、彼らと一緒に仕事ができることは、モチベーションを維持させるよ。これらの素晴らしく才能ある、ひたむきな人々と仕事をし続けるだけでね。

◆継続は力なり!


インタビューに登場したスタッフの皆さんは、ピクサーに入社した後、担当部署や作業こそ違うものの、自分の好きなことを、情熱を持ってやり続け、その結果、夢を叶えている共通点があった。映画に登場するドリーも決してあきらめないで泳ぎ続けていたが、夢実現の秘訣のひとつは“継続は力なり”と言っても過言ではなさそうだ(modelpress編集部)

■『ファインディング・ドリー』



日本公開日:7月16日
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:アンドリュー・スタントン

<あらすじ>
「ファインディング・ニモ」の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは家族の思い出。「今度は僕がドリーを助けてあげる」──ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=人間の世界に隠されていた…。