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PC・モバイル集客支援事業のほか、スマートフォンを対象にアフィリエイトASP事業やアプリCMS ASP事業を展開してきたGMO TECHが、アジア市場をターゲットにしたインバウンド・越境EC向け広告マーケティングサービス「AsiAD byGMO(以下、AsiAD)」を打ち出した。

同サービスを提供するにあたり、現地に足を運ぶなどして、同社はアジア市場の調査を重ねてきた。そこで、現地での体験も交え、インバウンドおよび越境EC向けマーケティングのポイントを聞いてみた。

○中・韓より台湾・香港、リスクの少ない親日国にアプローチせよ

AsiADのメインターゲットは台湾と香港だという。アジア展開と言えば、ボリュームの大きい中国や韓国を目指しがちだが、その考え方に 取締役 アドテク事業部 事業部長の児林秀一氏は首を振る。

「中国は人は多いけれど、広告の効果が出づらく、国の意向でいきなり規制が行われる可能性があるなど、実のところリスクが大きいのです。それよりは、訪日数が多く、かつ、親日国でもある台湾や香港が狙いやすいと思います」と児林氏。アジアからの訪日旅行者は中国本土と韓国からが圧倒的に多いが、カントリーリスクを考えると親日国からアプローチするのがお勧めとのことだ。

そして、特に広告効果が出やすいのが、化粧品、健康食品、ベビー用品だという。なぜなら、これらの製品は、アジア諸国の人々から、日本製品としての信頼性が根強いからだ。

「越境ECの利用者には、ブローカーのほか、旅行に出かけず日本製品を入手したい人と、訪日後に思い出の品をもう一度入手したいという人がいます。自然派化粧品やサプリメントは人気ですし、台湾やタイでは色白になりたいという意識が高いようで、美白というキーワードが響きます。旅の思い出としての買い物では、北海道の銘菓である『白い恋人』がとても売れているそうです」と児林氏は語る。

親日国が持つ日本製品や日本という国への信頼感や憧れを上手にキャッチし、響くキーワードや商品を知った上で広告を展開して行くのが当面の予定だ。

もちろん、中国や韓国という大きな市場を丸ごと無視するというわけではない。「中国はオプション。台湾、香港、マカオ、タイ辺りを攻める中で"中国も追加しますか"といったポジションとしてとらえています」と児林氏。

大きな代理店が既に長く取り組んでいる市場でもあるため、これから少しずつ取り組もうという企業にとっては難しい市場であり、大きな投資をするのはリスクが大きいという考えだ。

日本から見たアジアと言うと、すぐに中国や韓国が思い浮かぶところだが、これから参入を考える企業にとっての狙い目ではなくくみしやすい場は違うというわけだ。

○アジアのパートナーネットワークを活用して現地に合わせた提案を

同社は以前からGMOグループとしてアジア各国でビジネスを行っているほか、パートナーネットワークも構築してアジア向けの広告展開も行っていたが、これらをサービス化したのが「AsiAD」だ。

「これまで、日本の広告主から日本のお客さまに向けた案件が主体でしたが、中には海外に向けた案件もありました。こうしたこれまで手がけてきた広告マーケティングサービスを、今回インバウンド・越境EC向けにあらためてサービス化しました。現在、約2000万人の外国人が日本を訪れていますが、さらに国を上げてインバウンドに取り組もうとしている状況への対応です」と語るのは、GMO TECH アドテク事業部 部長である猪野佑一氏だ。

AsiADは、「外国人を店舗に呼び込みたい」「外国人向けに商品販売を行いたい」といった企業を対象に、アジア各国で対応してきたノウハウを注ぎ込み、戦略立案から手がけてターゲットの絞り込みや適切なマーケティングプランの策定を行った後、各国の国民性や文化に合わせた広告による集客支援を実施。さらに、日本語によるレポート提供を行うという。

「国によってタッチポイントが違うので、文化に合わせたツールの使い分けが必要です。そうした提案が行えること、アジアに展開するGMOグループとパートナーネットワークを利用できること、日本語でレポーティングできることが特徴です。オプションとしてWebサイトの翻訳やローカライズにも対応します」と猪野氏は語る。

○現地メディアや言葉の課題を解決すればアジア広告は国内感覚でOK

そこで、同社がこれまでのビジネスから培った国ごとのタッチポイントについて聞いてみた。GoogleやTwitter、Facebookといったグローバルメディアを通しての広告は比較的簡単に行えるが、各国で独自展開しているメディアもあるようだ。

「中国はBaiduやweiboといった独自メディアを利用する必要があります。それ以外のアジアではFacebookが好まれますね。米国では、以前に比べてFacebookの利用者が減ってきたという調査結果なども出ていますが、アジアではFacebookの人気がまだ続くと思います」と児林氏。

台湾ではまだブログ文化が残っており、ドメスティックなブログサービスに多くのアクセスが集まっているという。一方、香港では人口が少ないために独自メディアが育ちづらいが、台湾や韓国などのメディアを閲覧しているようだ。

「メディアへの広告掲載で香港だけをターゲットにしてつかむのは難しいのですが、香港の人に人気のある芸能人などを通したインフルエンサーマーケティングは有効です。そういうアプローチをわれわれは行えます。また、現地のメディアとやりとりするには現地法人が必要であったり、現地語で対応できなければならなかったりしますが、われわれがそこを請け負うので、お客さまは日本語だけで利用いただけるのがAsiADです」と児林氏は語る。

タッチポイントの選定は越境EC、訪日インバウンドのいずれにおいても重要だが、AsiADはグループ会社のリサーチサービスを活用した事前アンケートを利用して、多彩な言語に翻訳しての広告展開などにも対応する。そして、広告の効果測定やレポーティングが行えるのも大きなポイントだ。

AsiADが誕生したきっかけの1つは、日本の自治体などが世界各国で行っている訪日を促すキャンペーンの効果測定がきちんと行えていないのではないかという疑問だったという。2020年に向けて、国を上げて訪日インバウンドに取り組む中、適切なアプローチと効果測定やレポーティングの行える広告サービスは需要が高そうだ。

「言葉の壁を考えなければ、台湾や香港は日本国内を移動するよりも近いことがあります。親日国ならば、意識的な面でも大きな壁はありません。そして、言葉の壁は代理店を利用すればクリアできるので、国内に展開する時と同じ意識で広告を出してみませんか、と言いたいですね。東京人が関西人により的確にリーチするために好みを少し考慮しましょうというくらいの感覚です」と、児林氏は身軽なアジア市場へのアプローチを呼びかけた。

(エースラッシュ)