今年も7月に入り、京都の祇園祭が始まった。京都は日本の伝統文化を守り続ける都市の代表格として、外国人観光客に興味を抱かせるとともに魅了し続けている。古い街並み、伝統的な工芸品、舞妓や芸妓と並んで愛されているのが「京懐石」などの料理である。(イメージ写真提供:123RF)

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 今年も7月に入り、京都の祇園祭が始まった。京都は日本の伝統文化を守り続ける都市の代表格として、外国人観光客に興味を抱かせるとともに魅了し続けている。古い街並み、伝統的な工芸品、舞妓や芸妓と並んで愛されているのが「京懐石」などの料理である。

 台湾メディア・聯合新聞網は14日、「懐石料理はいったい何がそんなに貴いのか」とする記事を掲載、京都の懐石料理を高級たらしめる要素について紹介した。記事は、京懐石が懐石料理の大本営、日本料理の原点、そして日本文化の一環であると説明。食材、調理技術に加えて、食卓の演出にも細かい気配りがなされている点が、その貴さの所以であるとした。

 さらに、「3つの扉を開くことによって、懐石料理の背後にある価値をより理解することができる」として、「だし」、「旬」、「京野菜」の3要素を挙げた。「だし」については「料理人にとっては命」、「だしなくして日本料理なし」といった言葉を紹介するとともに、水、昆布、鰹節と材料はシンプルながらも、材料の産地や質、形状、だしの取り方によって風味が大きく左右される実に複雑なものであることを伝えている。

 「旬」については「京懐石の主軸である」と説明。料理はおいしさのみならず、食材、食器、配膳において色濃い季節感を示すことが要求されるのであるとした。ゆえに、京懐石を知るには少なくとも四季それぞれのメニューを味わってみる必要があるのだと解説した。

 そして「京野菜」。地元で育った京野菜はおのずと「旬」の味を帯びており、京懐石に不可欠な食材であると紹介。その例として「7月から9月にしか出てこない賀茂ナスは夏の到来を告げるものであり、聖護院かぶは冬専門だ」と説明した。さらに、地元の農家は外来品種との交配をあえてせず、品種を守り続けている点も、京野菜がブランド化され、料理人によって愛され続けている要因の1つであるともした。

 生産栽培技術の向上により、さまざまな食材が年間を通じて手に入るようになった一方で、個々の食材が持つ季節感が大いに薄れてしまった感のある現代の食。そのなかで頑なまでに季節感を守り続ける日本料理は、より異彩を放つ存在として今後も世界から注目されることだろう。そんな話をしていると、時を問わずして腹時計が鳴ってしまう。しかし悲しいかな、空腹を満たしてくれるのは今一つ季節感に欠ける食べ物たちなのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)