オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)は12日、南シナ海をめぐる中国の領有権主張を否定する判決を下した。中国は同判決に対して強く反発しているが、中国国内の一部地域ではケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店舗で抗議活動が行われるなどの事態に発展している。

写真拡大

 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)は12日、南シナ海をめぐる中国の領有権主張を否定する判決を下した。中国は同判決に対して強く反発しているが、中国国内の一部地域ではケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店舗で抗議活動が行われるなどの事態に発展している。

 中国メディアの騰訊はこのほど、河北省の一部地域でPCAの判決に反発する人びとが「日本、米国、韓国、フィリピンを排斥せよ」などと書かれた横断幕を持ってKFCの店舗を取り囲んだと伝える一方、「KFCを取り囲むことや日系車を破壊することはいずれも愛国行為ではない」と批判した。

 記事は、KFCを排斥するよう呼びかけた人びとが持っていた横断幕には「米国のKFCを食べることは、先祖の顔に泥を塗ることである」などと書かれていたことを指摘する一方、中国で営業するKFCは「法に則って営業がなされている」と指摘し、正常な営業を阻害することは「理性的な行為ではない」と論じた。

 さらに、愛国行為は「法を順守し、理性的であるべき」としたうえで、法律の順守と理性が欠けていれば、愛国感情は間違った方向へ向かい、人を傷つけ、己を誤らせることになると指摘。また、日本や韓国を排斥したいならば、「日本製品や韓国製品を購入しなければ良いだけの話」だとしたうえで、日系車を破壊する必要などないと論じた。

 何か気に入らないことがあれば、その国の企業というだけで排斥の対象とするのは、中国の消費者の未熟さを示す行為といえるが、こうした消費者を戒める報道が相次いでいるのは評価できることだ。中国政府は国民のナショナリズムが制御できなくなることを警戒しているとの見方もある。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)