中国で今、「空の巣青年」が増加の一途をたどっている。

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出勤・退勤、食事・睡眠、歩いては止まってを繰り返す。山東省の済南で働く「地方出身者(ここでは済南以外の出身者を指す)」の胡小天さんの日々の生活はこのようにいたってシンプルだ。家族や友人と会うこともなく、夫は単身赴任で働いているため、胡さんはまるで「空の巣」のような生活を毎日を送っている。そして今、彼女のような「空の巣青年」が増加の一途をたどっている。新華網が伝えた。

「入籍した翌日、夫は赴任地に戻ってしまいました」と話す胡さん。彼女の夫・陳平さんは、済南のある不動産会社に勤務している。入札プロジェクトを担当する陳さんは、工事現場がある地方に長期にわたり赴任している。学校へ入学してから就職まで、胡さんが済南で暮らし始めて8年目に入った。数日前に1990年代生まれの胡さんと陳さんは入籍届けをして、「結婚証」が交付されたが、新婚生活はまたも別離の始まりとなってしまった。

「別居生活にも慣れました」と話す胡さんは同じく山東省の済寧の出身だが、両親や親せきは全員故郷で暮らしている。済南では、同僚と時々付き合う以外の時間はすべて、彼女一人で過ごさなくてはならない。彼女は、自分のことを「新時代の『1990年代生まれの空の巣青年』」と自嘲気味に呼んでいる。

「空の巣青年」にとっての問題は、「孤独による寂しさ」だけではない。山東省政協委員の■相超委員(■は登へんにおおざと)は「今の1980年代生まれや1990年代生まれは、自立心が非常に強く、自分だけの空間を持ちたいと望んでいる。このような傾向から、彼らは独居生活にある程度適応しやすいと言えるだろう。だが、その一方で、彼らが長期間『一人暮らし』や『空の巣暮らし』を続けると、パートナーとうまく協調してやっていけなくなり、その時間があまり長くなると、感情的な対立や問題が生じるケースも出てくる」と指摘している。

現在各都市で生まれている「空の巣青年」現象についても「社会の発展にともない、多くの会社では業務範囲が1都市、あるいは1カ国に限定されず、あちこちに業務が拡大するようになる。これにより、一般社員や中間管理職が頻繁に出張するようになる。1980年代生まれや1990年代生まれは、ちょうどその世代に当たる。このような現象は、金融業、建築業、貿易業で最も頻繁に見られる」と述べた。

また、「現在の1980年代生まれ、1990年代生まれにのしかかっているプレッシャーは、十年前の若者よりずっと大きい。彼らの多くが一人っ子であるため、老いた両親の面倒を見るというプレッシャーのほか、自動車ローンや住宅ローンなどの経済的プレッシャーも背負わなければならない。したがって、長期出張に出ることで得られる手当てで生活費を補い、『自分のやり方で生活上のプレッシャーに対応している』のだ」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)