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言わずもがな、日本には数多くのラーメン店がある。明治時代に中国から入り、大正時代に日本各地に広まったというが、平成の現在では知らない人が居ないほどにその裾野は広がっている。スープの仕込みからから麺のゆで加減まで、細かい独自の拘りが暖簾により強い個性として継承されていく。これが切磋琢磨することで、独自のファン層をも増やしながらラーメンは激戦区日本のなかで進化を続けている。

力の源カンパニーは、一風堂をはじめとしたラーメン事業やレストラン事業やコンサルティング事業など食を通じたビジネスを展開しており、その企業理念は「変わらないために変わり続ける」。常に新しい価値を創造する集団を目指す同社は2008年、ニューヨークはマンハッタン、65 Fourth Avenueに「IPPUDO NY」、2009年シンガポールのMandarin Gallery(333A Orchard Road)への「IPPUDO SG Mandarin Gallery」、その後も香港 IFCモールにラーメンダイニング「五行」、フランスはパリサンジェルマンの「一風堂サンジェルマン店」と世界展開を積極的に図っている。4月現在で55店舗にもおよぶ海外進出を果たしている。

しかし、海外進出と同時にいくつかの課題が見えてきたのだという。国境を越えてチームワークを発揮しなければならない。当然、既存のシステムのままでは、グループ全体の情報共有が困難になってくる。また、その店であることの証明でもある味を確保する大切なマニュアルや発注書などのフォーマットが散在してしまい、効率的な継承が行えない。そして、誰でも使えるツールの必要性が浮上してくる。

これらの課題をITを使って克服していった様子をGoogle for Work Japan 公式ブログが伝えている。Gmail、GoogleカレンダーにGoogleドライブやハングアウト。広く世界で利用されているツールは、使いやすさや円滑なコミュニケーションの達成という点に利があったようだ。Google Apps for Workの750アカウント導入とともに課題が改善されていく。

顕著に効果が現れるのが海外拠点だという。ビジネスが軌道に乗ると、突発的なニーズや顧客への要望が絶えない。定期的な会議も、絶対的な優先順位を確保できなくなる。そんな時には、Googleハングアウトが効を奏す。1対1はもちろん、最大100人でのグループチャットが可能なこのツールは、音声やビデオにも対応しており、モバイル端末との親和性も高い。ビデオ会議システムは導入済みであった同社においても、正規のビデオ会議とは別の個人間のちょっとしたミーティングなど小回りの利いた会議を頻繁に使える。チームワークの醸成という大きな副産物も期待できる。

また、Googleドライブもスマートフォン、タブレット、PCと端末を選ばずにモビリティの利点を活かした共同編集が可能になる。同社の場合、サプライヤーとの取引文書やインボイス書類の集約、会計事務所との受け渡しに活用。従来、店舗を回って回収してからPDFにするという手作業の短縮に貢献し、時間や手間の大幅な削減に寄与している。多店舗経営では非常に大切なマニュアル。暖簾を継承するためには欠かせないであろうこのマニュアルもGoogleドライブで一元管理しているという。

スマートフォンやタブレットの存在に代表されるモビリティが持つ強みと使いやすさや導入のしやすさは、スピードが求められるビジネスには欠かせない視点となる。本来、人や組織に貢献するはずのツール、操作の難しさや使いにくさが先行してしまえば、それこそ本末転倒になる。Googleでは、導入事例PDFも公開しているが、そのなかにある"ラーメン店のスタッフの仕事はお客様と向き合うこと"という言葉が端的にITツールの本質的な役割を表している。

(長岡弥太郎)