『美しくなるためのランニング講座』 
第5回●ストレッチの重要性

ランニング初心者の馬場ふみかさん(女優・モデル)がフルマラソン完走を目標にトレーニングを開始! 指導担当は、湘南ベルマーレ・トライアスロンチームの中島靖弘ヘッドコーチ。「楽しく、頑張りすぎない」ランニング講座の第5回。

【プロフィール】
中島靖弘http://www.bellmare.or.jp/triathlon/profile/member.html
湘南ベルマーレ・トライアスロンチーム・ヘッドコーチ。ニューバランスランニングアドバイザー
馬場ふみかhttp://lineblog.me/babafumika/
女優・モデル。新潟県新潟市出身。167cm。

■正しいランニングフォームを作るストレッチング

 体を動かしたい方向に動かす――これがランニングをする前提になります。

 例えば走るとき、脚の前後が開きやすいか開きにくいかだけで歩幅が変わってきます。軽い力でスムーズに足が広がる方が効率的に進むことができます。そのためには柔軟性が必要になります。

 快適にに動ける効率的なフォームを身につけるために『ストレッチ』は、ランニングにとって欠かせないものになります。

 ランニングのスピードは、1歩の歩幅(ストライド)と脚の回転数(ピッチ)によって変わります。その中でも"ストライド"がランニングの快適性に重要になってきます。つまり「スムーズに広がるか」が大切なことになってきます。また、肩甲骨の動きが、歩幅に影響します。肩甲骨がスムーズに大きく動くと歩幅が広がります。しかし、胸の筋肉が硬いと姿勢は必然的に悪くなり、ストライドが狭くなるだけでなく、無駄な上下動が起きると負担が増えてしまいます。肩甲骨が動かなければ、フォームは悪くなる一方になってしまいます。

 肩甲骨や股関節、各部位を効率よく動かすためにストレッチは必要不可欠なモノ。ランニングの前後に行うことができれば理想的です。

各種目ワンセット30秒、または10回のペースでやっていきましょう。

●猫のポーズ

 四つん這いの姿勢になり、足幅はこぶし2つ分ぐらいの間隔を空けて、曲げた膝が90度になるようにします。軽くお尻を弾きながら、胸をできるだけ床に近づけて、胸、肩のストレッチングを行ないます。ゆっくりとした呼吸や動作を心がけ、太ももやお尻が前に出過ぎないように注意しましょう。
 
 さらに一度四つん這いの姿勢に戻し、片手をもう片方の手の上に乗せ、上に乗せた手のほうに体を倒しながら、旨を床に近づけます。下にある方の肩甲骨の外側がよく伸びているのを感じればOKです。正面、左右各30秒ずつを1〜3セット行ないます。

●胸と肩甲骨まわりのストレッチ

 正しい姿勢から、腕を体の側面に当てたまま肘を90度に曲げ、手の平を上に向けます。肘を目一杯後ろに引いて、そのまま手の先を左右にできるだけ開いていきます。両肘を背中にできるだけくっつけるイメージのまま開いて、ゆっくり元に戻すことを10回行ないましょう。

●股関節・太ももの裏のストレッチ

 両脚を前後に開いて片膝を床の上に置き、前脚の膝を90度以上に開きます。体をゆっくりと前傾させ、前にある脚の太ももの裏と後ろ側の股関節の前を同時に伸ばしていきます。
 左右30秒ずつ。1〜3セット行ないましょう。

●お尻と太もものストレッチ

 あぐらをかいて座ります。片方の脚膝を立て、その足を反対側の脚の太もも外側に置き、立てている膝を両腕で抱え込んで、胸にしっかり張って、ゆっくりと引き寄せていきます。太ももの外側とお尻の筋肉が伸びているのを感じましょう。しっかりと胸を張ることが大切です。
 左右30秒つす、1〜3セット行ないましょう。

●腰・お尻・太ももの裏側のストレッチ

 両膝を伸ばして座り、上半身を倒して両手の指先を、両足のつま先にかけます。つま先まで手が届かない人は、膝を曲げたり、膝を伸ばしたまま、すねや足首をつかんでもOKです。慣れてきたら、膝を少しずつ伸ばして行ないましょう。この体勢を30秒キープし、1〜3セット行ないましょう。

■ストレッチの撮影を終えて

―― 正しいフォームで走るためにストレッチは欠かせませんが、体の硬い人がストレッチをやる上で注意点はありますか。

中島:とにかく無理をしないこと。逆にオーバーストレッチになってしまうと関節や筋肉を痛めてしまいますからね。ただ、今回紹介したストレッチは、すべてが自分ひとりで加減のできるものなので、よほどでなければオーバーストレッチにはならないと思います。
 今日馬場さんは汗ばんだとは思いますが、一般の方々も汗をかくぐらいやっても問題はないと思います。苦しい声が出るぐらいやってください。

馬場:今日、私は苦しくて声が出まくってましたけど(笑)

―― ランニング前はもちろん、走り終わったあとにストレッチをやることで、筋肉の硬直をほぐし、疲労を残さない効果もありますよね。

中島:そうですね。終わりのストレッチはリラックスしてやることを心がけてください。走る前は動きを良くすることが目標なので、動きのある体操のようなストレッチをやってもいいと思います。一通り今回教えたことをやっておけば、ランニングには十分だと思います。
 どちらかというと走る前は、ストレッチをして動きを良くしたら腹筋や股関節などのエクササイズをやるのもいいと思います。まあできれば、走らなくてもストレッチとエクササイズは毎日やってもらいたいですねえ。

馬場:......。

中島:あ、急に横を向きましたね(笑)

馬場:ストレッチは楽ってほどではなかったんですけど、体がほぐれた感じは確かにありましたね。ただ昔よりも体が硬くなっているなと思いました。前屈にしても、以前は体がべったりついていたのに、今はちょっと......。

中島:今もストレッチやっているんですよね?

馬場:やってます。けど、小学生のころとかは何もしなくても柔らかかったんです。

中島:どうしても体というのは年々硬くなっていくし、ストレッチをやらないと余計その傾向が強くなります。だから少しずつでも継続していくことが大切ですね。

馬場:はい、分かりました。けどストレッチをやると体が楽になりますよね。お風呂に入った後にやったり、化粧したりテレビを見ながら、脚のストレッチとかやっているんですよ。

中島:それで十分ですよ。走る前後ではなくても、プライベートの時間で空いている時間やタイミングを上手く使ってやればいいんです。段差を使ったストレッチにしても、電車やバスを待っている時間にできますからね。わざわざストレッチのための30分を作る必要はなく、ちょっとした1分、30秒で十分です。

馬場:そう言われると気持ちが楽になりますね。

中島:今の時点で十分柔らかいから、普段通りやっていれば大丈夫ですよ。

馬場:はい、分かりました。


石塚隆●取材・構成 text by Ishizuka Takashi
八戸亜希子●ヘア&メイク hair&make-up by Hachinohe Akiko
松尾由美●スタイリング styling by Matsuo Yumi
衣装協力/ニューバランス