学ぶことは楽しいこと。壁にぶつかったときに読みたい「論語の言葉」

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「学ぶ」とは、学問を習得することだけではありません。日常生活のあらゆる場面で習得している礼儀や作法、立ち振る舞いなど、これらもすべて「学ぶ」ことで得られるものです。

つまり、「学ぶ」とは私たちの生活において必然であり、その意識や姿勢を身につけることで、より良い人生を送ることができるのでしょう。

ここでは、東洋思想研究者である田口佳史さんの著書『論語の一言』から、その本質を読み解いていきましょう。

※論語:中国の思想家、孔子とその高弟たちの言行をまとめたもの。

01.
学ぶことは
「楽しい」こと

學びて時に之を習ふ、亦說ばしからずや。

(まなびてときにこれをならふ、またよろこばしからずや。)

【意味】学び続けて、いつでも活用できるように何度もおさらいをする。それは人生の大きな悦びではないか。

これは『論語』の巻頭に書かれている言葉です。そのことから、おそらく孔子の教えの中でも、とくに重要とされていたことがわかります。人生はひたすら学ぶこと。「学び」を繰り返して身についた知識や能力は、自然と行動に活かせるようになり、そこで初めて楽しさを感じます。つまり、「学び」は人生の悦びだと言えるでしょう。

02.
「素直」が一番

人の生くるや直し。

(ひとのいくるやなほし。)

【意味】人生で一番重要なのは、素直であることだ。

能力をアウトプットするためには、知識や知恵をインプットする必要があります。ここで気をつけなければならないのは、「役に立たない」と、学ぶ段階で知識を取捨選択してしまうこと。インプットを断つのではなく、素直に受け入れるようにしましょう。そうして得た知識が必要かどうかは、アウトプットしながら検証していけばいいのです。

03.
学ぶのは
「自分のため」

憤せざれば啓せず。悱せざれば發せず。

(ふんせざればけいせず。ひせざればはつせず。)

【意味】学ぶ姿勢として、発憤することが重要だ。

学生時代、親や先生に「勉強しなさい」と言われ、反抗した経験はありませんか?その苛立ちは、「やらされている」という感覚から引き起こるのです。まずは、尊敬する人やライバルから刺激を受け、学びと好奇心の間にある溝を埋めましょう。そうすれば自発的に学習能力に火がつき、「学び」への抵抗がなくなります。

04.
学問が
「品格」を向上させる

子四を以て繁ふ。文・行・忠・信。

(ししをもつてをしふ。ぶん・かう・ちゅう・しん。)

【意味】孔子は四つのことを重点的に教えた。学問と行動と、自分に嘘をつかない心、他人を欺かない心である。

「文」は自分をきれいに装飾するもの、「行」は行動で示すこと。学問は人を美しくさせ、実践することで初めて意味を持つと孔子は説いています。そして、この2つを基本として、「忠」と「信」、つまり他者に対して誠実に、真心を持って接することができるのです。

05.
「もうひとりの自分」を持つ

己を行ふに恥有り、四方に使して、君命を辱めざるを、士と謂ふ可しと。

(おのれをおこなふにはぢあり、しはうにつかひして、くんめいをはづかしめざるを、しといふべしと。)

【意味】(立派な人間とは)自分の言動に対して、いつもどこかで恥を感じ、どこへ名代として派遣されても、その人の名を辱めることなく行動できる人だ。

自分の行動に恥を感じるのは、自己の振る舞いを厳しい視点で客観視し、現状に満足できていないからです。つまり、どんなに昇進昇格しても、常に向上心を持っているといえます。孔子は、そういう人間こそ、立派な人間だと説いているのです。

『論語の一言』 著:田口 佳史

人間の本質を記した『論語』こそ、さまざまな不安や悩みを抱えた現代人が「ぶれない自分」をつくるための最良のテキスト。2000社の企業改革を指導し、多くの社会人教育を実践してきた東洋思想研究者である著者が、論語の「一言(いちげん)」をわかりやすく講義。