8月5日に開幕するリオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル)。参加選手が続々と決まる一方で、ゴルフ界からは欠場するトッププロが続出している。ジカウイルスや治安の悪さを理由にしているが、実は別の問題があった。
 今年1月、女子テニス全豪オープンのドーピング検査で、マリア・シャラポア(ロシア)が陽性反応を示したことを告白、それが大きな原因なのだ。国際テニス連盟(ITF)はドーピング違反として彼女に2年間の資格停止処分を下した。
 納得できないとしたシャラポアはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行い、ロシアテニス連盟もシャラポアをリオ五輪代表に選出する方針を変えていないが、2年間の資格停止処分が覆る可能性はゼロに等しい。
 「シャラポアがこれほど五輪にこだわるのは、プライドや国の威信が理由ではありません。ドーピング違反とされたことでスポンサー離れが相次いでいるからです。スポーツ用品、自動車メーカーなど世界的な企業がスポンサー契約を一時停止にしたり、契約更新を見送ったりしており、シャラポアの損出は1億ユーロ(約111億円)にも上る。彼女にすれば死活問題で、藁にもすがる思いなのでしょう」(大手広告代店)

 この問題は、ゴルフ界にとっても他人事ではない。'08年からドーピング検査を導入した米ゴルフツアー(PGA)だが、これまで処分されたのはたった3人。これが最もチェックが厳しい五輪ならそうはいかず、名誉と引き換えに墓穴を掘る選手はいるはずがない。
 世界ランク1位のJ・デイ、4位のR・マキロイ、8位のA・スコットに続き、松山英樹までもリオ五輪欠場を表明した。ジカウイルスや治安の悪さは隠れ蓑。五輪で禁止薬物の使用が発覚するのを恐れているのだ。
 「今の男子プロは、300ヤードの飛距離がなければ上位は望めない。そのパワーゴルフを勝ち抜くため、筋肉増強剤を使用している選手も少なくない。チェックが緩いPGAでは通用しても、五輪ではアウトの可能性が高く、シャラポアの二の舞は御免、というわけです」(ゴルフ誌記者)

 松山が7月4日に五輪辞退を表明したことで「自分も」とリオ行きを取りやめようとしているのが、テニスの錦織圭だ。先のウィンブルドンでは左脇腹痛のため4回戦途中で棄権。体調面にも理由はあるだろうが、見逃せないのはスポンサー収入。米『フォーブス』誌のスポーツ選手の長者番付では日本勢最高の3350万ドル(約33億円)で29位。大部分がスポンサーからの収入で、とても危ない橋は渡れないのだろう。
 「恐れているのが、食事。ライバル国から禁止薬物を混入される可能性もある。それに五輪に出れば、いつ抜き打ち検査があってもいいように、常に居場所を事前に報告する義務を負う。噂のモデルと真夜中にベッドで抜き打ち検査を受ける可能性も…」(女性誌記者)

 五輪に最高のプレーを求める時代は終わったようだ。