「せいせいするほど、愛してる」は昼ドラ?波留は新キャラ開拓か【火曜ドラマ】
【夏ドラマ評 火曜編】

 2016年夏ドラマが出そろった。火曜日はジャニーズJr.の帝王に君臨し続けるタッキーがひさびさにドラマに登場。しかも不倫ドラマだというから、彼も大人になったもんだとしみじみ……。

 そして、昨年の朝ドラ以来「いつこの人は休んでいるのだろうか?」といち視聴者さえも心配させる働きぶりを見せる波留が刑事ドラマに。この2作を芸能ライター・スナイパー小林が解説していく。宣言しておこう、この夏いちばんの辛口になるかも。

◆昼ドラを見ている錯覚に…

せいせいするほど、愛してる
(TBS/火曜22時〜/出演:武井咲、滝沢秀明)

 栗原未亜(武井咲)は憧れだったティファニーで広報部員として奮闘する日々。そんな中、行動を共にして仕事をする副社長の三好海里(滝沢秀明)が自分を助けてくれる姿勢や強さに惹かれてしまう。ただ、三好には彼のことを待つ、入院中の妻がいる。そう、この恋は不倫になってしまう。

 原作のマンガはあくまでも不倫の恋を基軸にした展開で面白いが、ドラマもそこからブレなければ良かったのでは? というのが率直な感想。というのが、GENKINGや鈴木奈々などバラエティ班がちょい役で出てきて、かえってストーリーを混乱させている。

 未亜をいじめたいのか、それとも三好のことが好きなのか、不思議な立ち位置の女部長も登場。多様すぎるキャスティングがドラマの本筋を邪魔しているような気がする。行き詰まった三好がいきなり部屋でエアギターをかましたことも、ちょっと唐突な気が……。

 総括すると、ちょっと昼ドラ感が強いのかもしれない。でも視点を変えて、「次は何が出てくるのか?」と期待を寄せながら続きを見守ることにしたい。原作では未亜が発熱していても彼にセックスを求める勢いで、わりと大胆に恋愛を描写している。そういった色っぽいシーンが今後どう表現されるのか、一応期待しておくか。

◆事件内容のグロさに思わずニヤリ?

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子
(フジテレビ/火曜22時〜/出演:波留、横山裕)

 藤堂比奈子(波留)は警視庁捜査一課の新人刑事。過去10年間に都内で発生した未解決事件と性犯罪者の容疑者リストを、すべて記憶しているという特殊な能力を持つ。事件に異常な執着心を持ち、「人を殺す者と殺さない者の境界はどこにあるのか?」という犯罪のスイッチに迫っていく比奈子。彼女の背後に、事件のほかに何があるのか――。

 ホラー小説が原作なだけあって、事件内容の表現はかなり不気味。さらに惨殺遺体も躊躇せずに描写されているのだけど、それがストーリーに好影響していて面白い。放送終了後に「ストロベリーナイト」(2010年フジテレビ)と似ているのでは? と話題にあがったけれど、そこを払拭するのが波留のたぐいまれな役への“浸透性”。

 比奈子が興味津々で事件を調べていく姿も「何か背景があるんだよね?」と第二のストーリーを想像させる。波留は良い子イメージが続いているけど、ドラマで犯人の資料を読むだけでニヤニヤする表情がゾッとさせ、新キャラ開拓を思わせた。さすがは中学1年生からのキャリアだ。

 波留の先輩刑事役に関ジャニ∞の横山裕が出演中。標準語と影のある演技がすごく新鮮だ。バラエティ番組のイメージが強かったせいもあるのか、むちゃくちゃカッコよく見えるのも見どころのひとつ。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k