すっかり夏! 海に山に、レジャーへと出発したいシーズンです。しかし、お化け屋敷にだけは行きたくない。だって、怖いから。

しかし、不意に乗り込んだ電車の車両がお化け屋敷そのものだったらどうします?

銚子にて、お化け屋敷みたいな電車が発車!


以前、コネタでホラー映画や噺家による怖い話などを見聞きしてストレスを解消する「ホラ活」を取材しましたが、この活動が新たな展開をスタートさせたらしい。銚子電鉄とホラ活がコラボし、期間限定で運行するのは、その名も「お化け屋敷電車」!


乗り込むと、車内はお化け屋敷みたいな仕掛けが満載だそうです。

この電車の初回運行が7月17日に行われており、私も体験しに行って参りました!

電車に乗る前にお化け屋敷を通過しなければならない


ちなみに、この電車は一日2便(集合時間18:30か19:50の2便)の臨時便。犬吠駅へ集合し、仲ノ町までを往復して犬吠駅解散というルートを辿ります。乗り込んで、いきなり「あれ。もしかしてこの電車、お化け屋敷!?」みたいな悲惨な状況には陥らないのでご安心ください。

駅に集合すると、犬吠駅内に設置されたお化け屋敷を乗車前に体験しなければならないそう。いや、なんでよ……。

電車に乗り込む前に、まずはこのお化け屋敷の詳細を知っておきたい。「お化け屋敷電車」をプロデュースする怪談蒐集家の寺井広樹さんに話を伺いました。
「今回、お化け屋敷の物語とミッションは私の方でご用意いたしました。テーマは『怨念の涙』で、ミッションは“キヨ子”という幽霊の涙を拭うことです」(寺井さん)

以下が、お化け屋敷のストーリーです。
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その昔、銚子沖に沈んだ漁船にキヨ子という美しい女が乗っていた。キヨ子は多くの船乗りに言い寄られるも、彼女が伴侶に選んだのは池永という船頭であった。池永は支配欲が強い粗暴な男で、些細なことでキヨ子にあたり、彼女は人目をはばかって船倉でしのび泣くことも。
ある日、泣いているキヨ子を他の男がハンカチを渡して慰めているところを池永は目撃する。池永は激昂してその男を仄暗い海に突き落とし、キヨ子は船倉に閉じ込められてしまった。船乗りたちは船頭の池永に逆えず、キヨ子を外に出さないことに協力。
しばらく経つと船倉から漏れ聞こえてきた女の泣き声は次第に大きくなり、船倉からは水が流れ出てきた。やがて船内に水が大量に溢れ、キヨ子の「怨念の涙」で船を沈めてしまった。彼女の怨念は強く、いまだ銚子沖を漂っている。
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銚子の地で語り継がれてきた恐ろしくも哀しい物語を地元の人々から蒐集し、出来上がったというこの怪談噺。キヨ子の怒りを鎮める唯一の方法が、ハンカチで彼女の涙を優しく拭ってあげることなのです。

ハッキリ言って怖いのですが、なぜか順番待ちしている間は「ぬれ煎餅手焼き体験」できるというギャップ感が不思議です。せっかくの機会だから、満喫しましょうか。


じっくり楽しみたいのだけど、お化け屋敷の中から異常な悲鳴が聴こえてきて集中できないよ!
さて、そろそろ私の順番が回ってきたようだ。ペンライトとハンカチを手に、一人ずつお化け屋敷へと入っていきます。


いざ自分が入ってみると、びびります。「おおぅ!」とか声を上げて、後ずさりしちゃったりして……。スミマセン、私も人のことを言えませんでした。お化け屋敷内で何が起こったかはネタバレになってしまうので言えませんが、キヨ子の涙を拭っているとあんな展開になるだなんて……。あんなの、誰だって驚くでしょ!

怖すぎる電車なのだが、50分走りっぱなしで逃げられない


というわけで、いよいよ電車へと乗り込みます。犬吠駅からスタートする「お化け屋敷電車」先頭にはお化けが鎮座してるのですが、なんなんでしょう。


車内では、怪談師による怪談噺が背筋をゾクゾクさせるBGMと共に流れてきます。で、その物語に合わせてゾンビが登場したり、窓ガラスの外からいきなり幽霊がノックしてきたり、灯りがチカチカ停電したり、目玉や足首が車内に投げ込まれたり、酒樽から手が伸び出てきたり……。なんだよ、この電車は。


様々な怪奇現象が起こるたびに、「キャー!」と悲鳴が鳴り響く車内。迫り来る幽霊におののき、親にしがみついて泣き出す子どもたち!


とは言え夜の電車は仄かにロマンチックで、恐怖に身を寄せ合うカップルは羨ましくもあり……。これが、いわゆる「吊り橋効果」だな? また、アトラクション感覚で参加する女子グループも発見できました。初回運行には、どうやら約40名が参加したようです。

そんなこんなで、恐怖の50分旅がやっと終了しました!
「座席に座ったままなので逃げ場がなくてヤバかったですが、あっという間の50分でした」(30代男性)
「怖いのが苦手で、友達からムリヤリ連れてこられて最初はイヤだったんですが、予想外の面白い仕掛けもあって楽しめました」(20代女性)
「お化け屋敷はこれまでいくつか体験しましたが、久々に本気で悲鳴をあげました(笑)」(40代女性)

ちなみに「お化け屋敷電車」の料金は、大人2,500円、中高生1,800円、小学生1,200円(すべて税込)。「お化け屋敷電車への乗車料」「お化け屋敷入場料」「ぬれ煎餅手焼き体験代」「当日の銚子電鉄一日乗車券」などが、この料金には含まれているようです。
念押ししておきますが、この電車は7月17日〜8月28日の期間のみ運行する特別便。ひと夏の思い出として、怖い思いをするためだけに、わざわざ銚子までくり出すのもオツかもしれません。
(寺西ジャジューカ)