内容以上に「カラフル」や「奇抜」な本のデザインに影響を受ける ------アノヒトの読書遍歴:姫乃たまさん(後編)

写真拡大

 地下アイドルとして活動する姫乃たまさん。並行して執筆活動も行い、2015年9月には自身初の単著本『潜行〜地下アイドルの人には言えない生活』を刊行。姫乃さんは小学校の時に小説を手に取り、高校からは漫画を読むようになったんだそう。そんな姫乃さんに、前回に引き続いて日頃の読書生活について伺いました。今回は、特に姫乃さんのアイドル活動に影響を与えた本をご紹介します!

------昨年、姫乃さんご自身の本を出版しましたが、どんな本かぜひご紹介ください!
「『潜行〜地下アイドルの人には言えない生活』という本です。私が7年間見てきた地下アイドルと、どうして私が地下アイドルになったかということを書きました。文章が中心ですが、写真も"際どく"仕上がっていまして(笑)」

------デザインにも注目ですね。
「表紙は特殊な装丁なので、ぜひ手に取ってみてほしいですね。撮影はセクシー女優の大塚咲さんが担当してくれました。私は成人誌でライターデビューしたのですが、本の中ではアダルト系のライターとして深く掘り下げることができなかったので、写真にはそのアダルトな文化を入れてみたんです。文章の内容に沿って地下アイドルらしい衣装を着ています。地下アイドルに疎い方にもぜひ読んでほしい一冊ですが、そういう方たちにとっては衝撃がおっきいみたいです。しかし、肩身が狭かったり、ちょっと悩みすぎちゃう人が読むと、最終的には居場所が見つかるような気持ちになる一冊です」

------これまでの活動を一冊にした作品というわけですね。姫乃さん自身は普段どんな本に影響を受けたりされるんでしょうか。
「そうですね、漫画から影響を受けることが多いですが、鮪オーケストラさんの『少々生臭いお話』という作品にはかなり影響を受けました。短編集になっていて、タイトル通り"少々生臭いお話"がたくさん入っていますが、その中に『蒟蒻』というお話があります。50歳の営業マンの梶原守という人物が主人公で、彼は大学受験をするために家庭教師を付けるんですけど、とても可愛い女の子で。でも実は彼女は『蒟蒻』で、彼がテストでいい点数を取ると体をもぎって食べさせてくれるという、とってもおもしろいお話です(笑)」

------なかなか過激なストーリーなんですね。
「内容もですが、それよりもブックデザインがすごくて。蛍光がかった緑とピンクと青と赤の水玉っていう、ちょっとこう......若干『嫌悪感』を感じるような表紙で、本の中にもすごい蛍光色が使われています。『宇宙兄弟』や『テルマエロマエ』などの有名作品を手掛けた、セキネシンイチ制作室さんが担当しているんです。彼が手掛ける漫画にはとてもおもしろい作品が多くて。私は結構彼のデザインによって漫画を読むようになった節があります」

------デザインに影響を受けるケースは多いのでしょうか。
「『RANGOON RADIO』というアートブックも影響を受けた作品のうちのひとつです。写真を弓田ヒロさんが、絵を白根ゆたんぽさんが担当していて、その両方のコラージュを宇川直宏さんが手掛けています。これはですね、ミャンマーの写真とイラストをコラージュした一冊です。CDも付いているんですが、ミャンマーで録音したラジオのうえからノイズを入れて収録しています。お昼寝に最適です」

------この作品の特徴をぜひご紹介ください。
「配色がすごくきれいで。わりとカラフルというか、あんまり組み合わせが良くない色を使っているというか......。巻末に対談が収録されてるんですけど、薄いピンクと薄い緑という一番見にくい配色で描かれていて、その配色の感じが本編の方にも反映されています。つまり、ちょっとこの組み合わせはないんじゃないかなというカラフルな配色の絵と、イラストで構成されている作品なんです。まじまじと観ると眠たくなってくる不思議な本です(笑)」

------カラフルというか奇抜というか。やはりデザインに何か影響を受けているような感じでしょうか。
「この作品、さらに中に使われている紙がすごくて、凹凸のある紙とか厚手の紙とかいろんな種類の紙が使われていて。装丁もすごくて、金のキラキラの仕様になっているんです。この仕様、実は初回限定版なんですが、初回限定版しか出ていないのでどれを買ってもキラキラしています(笑)。こういう世界観は、すごく刺激を受けるというか、とても影響されますね」

------姫乃たまさん、ありがとうございました!

<プロフィール>
姫乃たま ひめのたま/東京都出身。アイドル。地下アイドルとしてライブハウスなどで活動を続ける傍ら、DJや司会、モデルも兼任する。アイドルとして活動を始めたきっかけは、「助っ人としてステージに上がってほしい」というアイドルの知人の誘いだったという異例の経歴を持つ。アイドル活動と並行して、執筆活動にも従事。アダルト系の雑誌やWEBサイトなどでライターとしても活動を行い、2015年9月には自身初の単著本『潜行〜地下アイドルの人には言えない生活』を上梓した。