おそろい不倫土産を買ってしまうのは、ただのうっかりなのか露悪趣味なのか。いずれにしても、受け取るこっちは気まずさMAX。

夏休みのお土産のマナーについて紹介している今月のビジネスマナーQ&A。今回は、広告会社にお勤めの月野春子さん(仮名・29歳)からの質問をベースに考えてみたいと思います。

「5月の連休明けのことなんですが、部内で不倫のウワサのある男性上司とお局先輩のお土産が同じだったんです。厳密に言うと、お土産そのものは違うんですが、“これ、みんなで食べるように”と上司から託されたお土産の紙袋と、お局先輩がお土産を入れて出社してきたビニール袋の店の名前が同じだった。気付いたときにはギョッとしたし、とりあえず、スマホで撮影しておきました。このような場合、部下の私たちはどんな態度をとるのが正しいのでしょうか」

鈴木先生に答えていただきましょう。

不倫の事実を暴くのはリスキー

月野さんの上司とお局先輩は大きなミスを犯したといえます。不倫のニュースが話題になっているご時勢、先日もNHKの地方アナウンサーの方が不倫スクープによって職場を追われたという報道もありましたね。不倫している人たちは戦々恐々としているはず、というのは思い込みで、会社で不倫が問題になるのは、社員の不倫が会社の信用問題に関わるときのみ。仕事が円滑に進んでいるのであれば、個人のプライベートには関与せずという企業も少なくありません。

月野さんの会社はどうでしょうか。事を荒立てたところで、不倫しているふたりへのペナルティーよりも、あなた自身が職場で肩身の狭い思いをしたり、「ウワサ好きな人」として目をつけられたりというリスクのほうが大きい場合だってあります。ここは、静観の立場が正解です。くれぐれも、撮った画像をSNSに投稿したりしないでください。それこそ、あなたの立場が危うくなります。いかなる内容でも、社内の情報を社外に勝手に発信してはいけないと思ってください。内部告発は軽い気持ちで行なうものではないのです。

お局先輩の策略にハマるなかれ

もしかしたら、お揃い不倫土産は、お局先輩の「私、結婚できないんじゃなくてしないんです」という、不倫だって幸せですからアピールなのかもしれません。2人の関係の認知を部内で高めて、妻の座を狙っているのかも。そのような場合、お局先輩は月野さんたちが話題にしてくれることを望んでいる可能性もあります。でも、それに乗ってはいけません。だって、うっかりなのか、本気なのか、実際のところはわからないですよね。たとえ、先輩の策略だったとして、それが失敗に終わってしまった場合、「あなたたちが余計なことをしたせい」と責められることだって考えられます。いずれにしろ、関わらないことが最大の防御。知らないふりをするのが大人のマナーなのです。

まったく同じお土産だった場合の対処法は

今回は、袋が同じだっただけのようですが、万が一、お土産そのものが同じでも動じないことです。上司のお菓子は、お局先輩か若手女子社員が配ることになるでしょう。あなたのデスクにまったく同じお菓子が2個並ぶかもしれません。でも、そんなときも「ありがとうございます」「ごちそうさまです」と上司とお局それぞれに笑顔で言ってくださいね。「お2人そろって萩の月?ってことは仙台に行ってたんですか?」なんて、無駄に会話を広げなくてもOKですよ。



■賢人のまとめ
触らぬ神に祟りなし。君子危うきに近寄らず。社内不倫は「しない」「言わない」「見ないふり」が働く女性の正しいマナーです。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

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