知っておきたい…「早期がん」と「進行性がん」の違いとは

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小林麻央さんの進行性乳がんが注目を集める中、「進行性がんと普通にいわれるがんって何が違うの?」そんな疑問を持つ人が多いようです。ただでさえ、がんと言われたら怖いイメージがあるのに“進行性”と言われると本当に怖くなってしまいますよね。

そこで今回は、予防医療推進協会理事長の筆者が、早期がんと進行性がんの違いについてご紹介します。

■そもそもどうして呼び方が違うの?

まず、がんは大きく分けて早期がんと進行性がんの2つに分けられます。この2つの違いはがんの種類によって多少違いはありますが、一般的に時間の経過ではなく“がんがどこまで浸潤しているか”つまり、がんの病期(ステージ)によって区別されます。

■早期がんとは?

早期がんは一般的にがんの病期(ステージ)分類においてステージ0からステージ1もしくはステージ2までの状態を指します。

種類にもよりますが、一般的にステージ0はがん細胞が粘膜(上皮細胞)内にとどまっていて、リンパ節への転移がない場合を指し、一般的に“上皮内がん”と呼ばれます。

ステージ1はステージ0よりも腫瘍が広がっているものの、筋肉層内にとどまっていてリンパ節への転移がない状態。ステージ2はリンパ節への転移はないものの筋肉層より深いところまで浸潤している、もしくは腫瘍の広がりはないけれどリンパ節への転移がわずかに見られる状態を指します。

■進行性がんとは?

がんの種類にもよりますが、基本的にステージ3以降の状態を進行性がんと呼びます。

ステージ3になると、腫瘍が浸潤(広がり)リンパ節への転移も見られる状態。ステージ4になると最初にがんができた場所(原発部位)での浸潤だけでなく、離れたその他の臓器への移転も見られます。

乳がんについては、ステージ2でもステージ2a、ステージ2b、ステージ3においてもステージ3a、ステージ3b、ステージ3cと細かく分類されていて、ステージ3は局所進行乳がん、炎症性乳がんと呼ばれています。

このようにステージがあがるほど、症状も重く治療も困難になる反面、早期に発見できれば治療もしやすく、その後の生活習慣を正せば“治る”病気だと思っていいでしょう。

世間では検診を進める傾向があります。胃がんや肺がんなど様々な種類のがんがある中で乳がんは比較的若い年代で発症することもあります。

早期発見のために検診は重要ですが、それよりももっと重要なのは“予防”することです。基本的な生活習慣、食生活、ストレスのコントロールをしっかり意識し、不安のない楽しい毎日を送ってくださいね。

【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

【筆者略歴】

SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ fizkes / shutterstock