“ナメられる上司とナメられない上司”の違いとは?ゆとり世代は何を基準に境界線を引いて決めているのか

時代というのは酷なものです。

新品のスーツに着られ名刺交換にやたら興奮したのは何時だったか、思い返す時には、立場は逆転。教育する側にいるわけであります。そして新世代の若者を前にして、ふと違和感を覚えた読者は少なくないハズです。

自分の言われてきたことを言っているのに仏頂面をされ、
上司の名句や武勇伝を話すも冷めた目で生返事を返され、
故に何を考えているのか解らず、
なのに言い返せないほど屁理屈は上手にぶつけてくる……

といった具合に。そしてある疑惑が浮上するのですね、「もしや、こいつら俺をバカにしているのではないか」と。

さて今回のコラムでは、そんな読者の煮える腹を鎮静すべく、発火する恐れもありますが、『ゆとり世代』がどのように優劣をつけているか、ゆとり世代の当事者である筆者の目線から綴って参りたい所在でございます。お付き合い下さいませ。

■たった3項目で他人を格付けするゆとり世代

属する組織内での格付けは、ゆとり世代にとって最優先事項でありまして、幼稚園の頃から培った無意識の選別能力を存分に発揮するわけであります。組織社会を生き残るために、ガッコウという組織で凄まじいサバイバル能力を身につけて突っ込んでくるのですね。

さてゆとり世代が着眼する、他人を格付けする際の項目とは、

●イタいか否か。
●その人の周囲からの評価はどうか。
●集団でいる時のその人の立ち位置はどこか。

の三点であります。

たったの三項目で、自分の周りのカーストのみならず、先輩・上司の優劣、さらには先生・教授の優劣まで作り上げ、持ち寄って共有し、完成させていくのであります。

こうして完成した優劣順位において、一定より上に位置する人物には逆らわない/懐く等の無難な対応を、それより下に位置した人物には「舐めて良しww」とのレッテルを貼るのであります。

“ナメられる上司とナメられない上司”の違いとは?ゆとり世代は何を基準に境界線を引いて決めているのか

●イタいか否か

イタいと思う上司/先輩は?との問いかけに、ゆとり達からは、

「流行の言葉や話題をやたら使って話してくる」
「後輩と一緒になって愚痴を言う」
「まだ自分を若者だと思っている」
「何かと『私おばさんだから』と自虐的に口走る」
「本当はできないのにできると豪語する。実際やってる姿を見せようとしない」

など、なかなか辛辣な言葉が飛び出て参りました。心苦しい節もあるのではないでしょうか。自分に合わぬ言動をしたり、自身を卑下してみたり、虚勢をはったり、そういった惨めさがゆとりにはイタく映っているのでありますね。

回答の中には「他人に厳しい」「雑談ばかりしている」など単にイタいという言葉の乱用としか思えないモノが幾つかありまして、素っ頓狂な回答はゆとりの“イタい”ところでございます。

●その人の周囲からの評価はどうか

先述したように、持ち寄って共有することによって、誰がどう評価しているのか把握するわけであります。自分個人の感情よりも、大多数の意見を採用する事が多く、たとえ個人的には好意を持っていても、周りがその人物を低評価するならば、とりあえず巻かれておこう、といった具合に優劣を書き換え上書き保存するのであります。

一種の自己防衛でしょう。

評価基準は、仕事ができない/やらないから始まり、軽い人格否定、容姿についてまで、幅広く設けている世代でありますので、何時どこで何に着目されているかと思うと恐ろしい話でございます。

●集団でいる時のその人の立ち位置

歓迎会での席にて、場を盛り上げようと必死になって“笑われて”いた先輩は、新人組の間で瞬く間にイタいレッテルを貼られ、何を言ってもネタにされるようになった、との話を20代男性より聞きました。我々ゆとり達はカジュアルな場面で集団行動するときの立ち位置も見ております。

お調子者、盛り上げ役、隅で存在を消してる奴、どこにいても美味しいとこを攫っていく“イケメン/リア充”タイプなど、学校のクラス限定だと思っていたキャラというものが、こちらでも有効になって参ります。時には知らぬ内にキャラを決められていたり、自分が狙っているのとは違う位置づけにされていたりする事がございます。狙うのは止めましょう。外れます。

<結論>舐められない大人になるには

“ナメられる上司とナメられない上司”の違いとは?ゆとり世代は何を基準に境界線を引いて決めているのか

さて長々とゆとりの思考&着眼点を綴って参りましたが、やっと核心に触れると致しましょう。“ゆとりから舐められない上司/先輩になるには”とのお題に対し、明確な方法は仏でも分からぬといった具合でありまして。なんせ先述した通り、幅広い評価範囲ですから、シラミ潰しにやっていったら「消えろ!」との極論に至ってしまうわけですね。そんな事はできませんから、大体のポイントを胸の隅に置いておいて下さいませ。

まずゆとり世代に対して厳禁なのは「へりくだる/媚びること」でございます。新世代や流行に合わせる必要はありませんし、意味の分からない造語を使う必要もないのであります。理解のある人になんて映りません。“イタい人www”であります。

そして「時代の話しはしない」ことです。「あの時代はこうだった」「オレの時代は〜」「歳取ったな〜」など。昔を引き摺るのは誰でも同じであります。青春や思い出を残してきているのですから。しかし時代の話は“平成至上主義”のゆとりにとって、格好のネタでありますから、口にしないほうが賢明です。

最後になりますが結局一番大きなカギとなってくるのは「距離」でございます。お互いのことを知らせ過ぎるのも、知り過ぎるのも地獄。「謎の多い上司」くらいが、ゆとりにとっては程好くカッコいいのであります。

さて、ざっと綴って参りましたが煮えた腹の具合はいかがでしょうか。もしかしたら、アナタの上司も同じ様に頭を抱えていたのかもしれません。そして私達ゆとりも、10・20年後は「さとり世代」に溜め息を付き、攻略サイトや生態本を読み漁るのであります。巡る時代は、だからなんとも酷なものでございます。

文/松永舞香
ゆとりコラムニスト https://www.facebook.com/maikamaznaga