ハイブリッド車(HV、PHV)をはじめとする電動車では、駆動用モーターに使用する磁石の脱レアアース(希土類)が大きな課題とされています。

駆動用モーターの「ネオジム磁石」は、エンジンルームなど高温下での性能維持のため、ジスプロシウムやテルビウムといったレアアースの添加が不可欠の状況。

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ただ、レアアースは中国への依存度が高く、調達や価格高騰などのリスク面から、使用量を減らすことが喫緊の課題となっています。

そうしたなか、ホンダと大同特殊鋼が7月12日、HV用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、レアアースを使わないネオジム磁石を共同開発、世界で初めて実用化したと発表しました。

大同特殊鋼の子会社であるダイドー電子が、ネオジム磁石の製造工法として採用している「熱間加工法」(ナノレベルの結晶粒を配向させる技術)をさらに進化させた上で、ホンダが磁石形状やローター形状を工夫することにより、磁束の流れを最適化。

一般的なネオジム磁石は、比較的大きな磁石粉末を金型に充てん後、高温下で焼結するのに対し、開発品では磁石結晶の粒径を1/10まで微細化、加熱した金型から押出す工法を採用。

トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成、生産コストの低減も併せて実現したとしています。

ホンダは今秋発表予定の新型HVミニバン「フリード」にこの技術を適用しており、順次、新型車への拡大を目指す模様。

また、磁石の原料となる磁粉についても、カナダのマグネクエンチ社とさらなる高特性化に向けた開発を行うそうです。

トヨタも電動車用モーターの「脱レアアース」を進めており、要(かなめ)となる駆動用モーターの生産リスク解消に、ホンダが一足先に目処を付けたことになります。

(Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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