見えないから大丈夫、なんて思っていたら大間違い! 老若男女が今、悩まされているのが脚の「水虫」。でも、なる人とならない人がいる、その差って一体何なのでしょうか? 毎日のちょっとした心掛けで水虫を退治できる「水虫バスター法」をお教えします。


必見! 水虫になる方ってこういう人

「水虫は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビ)が皮膚の角質層に感染する皮膚病です。真菌、すなわちカビは、放置しておいた食パンなどに生えるカビと基本的に同じものです」と話すのは、井上肇・聖マリアンナ医科大学 特任教授。カビは高温多湿を好むので、

湿度と温度が高く維持されるところ
通気性が悪い
蒸れた場所


が感染しやすくなります。つまり、靴を履いた足の指先などは水虫菌にとっては格好のすみかになります。また、最近女性でも水虫で悩んでいるという人が増えている傾向です。吸湿性の悪いストッキングに足指を圧迫するような細めのヒールで窮屈な状態にしておくと長靴と同じような環境下になるため、水虫が発生しやすくなります。


水虫の種類

「趾間型」      :指と指の間にできる割合とポピュラーな水虫です。割合掻痒感を伴います。
「小水疱型」(汗疱状):足底・側面に発症して、いろいろな症状を伴います。
「角質増殖型」    :かかとのひび割れを主体として、この角質が割れると痛みを伴います。
「爪白癬(つめはくせん)」:爪の間に白癬菌が感染し爪の色を変色させます。


この中で、厄介なのは爪白癬で、通常の外用薬では爪甲を通過して薬が届かないので、難治性です。こういった爪白癬は抗真菌薬の全身投与などが試みられたりしていますが、肝機能に異常がある患者さんなどは副作用のために、使用が制限されます。一方で最近開発されたクレナフィンという外用薬は、爪甲を透過して白癬菌にまで薬を到達できる工夫がされており、一応1年間の使用が前提になりますが、簡便で有効性の高い治療法です。


水虫ではありませんがデリケートゾーンも通気性が悪く、多湿な環境なので、不潔にしていると同様な真菌感染症になることがあるので注意が必要ですね。

ちなみにですが、西洋から靴が持ち込まれる前(下駄と草履で社会生活を営んでいた江戸時代)までは、水虫などはなかったようです。


水虫になりやすい人って? こういう人は要注意!

先ほども述べたように、水虫は通気性が悪く、蒸れた場所を好みます。次の項目に当てはまる人は要注意です。


一日中靴を履き続け、歩くような職業(営業マン)
水周りの仕事で、通気性の悪い長靴を履き続けるような職業


わかりやすくいうと、足指の根元の指と指との間に空間が無い人は、通気性が悪くて、水虫になりやすい傾向にあります。女性の場合は靴下ではなく、ストッキングでヒールを直に履く状態が長いと水虫になりやすいです。


毎日の生活で水虫は治せる! 3つの水虫バスター法

水虫の基本は「予防」です。乾燥した場所にはカビは生えません。したがって、足指をとにかく清潔にして、入浴時には念入りにシャンプーをしてください。



足指までしっかり洗う

まずは、足指を清潔に保つということが肝心。お風呂に入ってもからだや髪はしっかり洗うのに、足指まで石けんを使って洗っている人は結構少ないんです。ただの水洗いでは水虫菌を除去することは不可能。殺菌力の高い石けんで指の腹を使って丁寧に洗ってください。


バスマットは要注意! 菌を寄せ付けないケア

その後、速やかに乾いたタオルで水分を除去して、乾燥に努めることです。バスルームに置いてあるバスマットなどは毎日交換することが基本です。

ちなみに、大衆浴場などに敷かれているバスマットを入浴後に踏むと100%水虫菌に感染します。それでは国民全員が水虫になってしまいますが(笑)、実際に感染する人としない人がいる差は何かといいますと、タオルなどを使って無意識に足元を乾燥させているからです。
この工程だけで、70%以上の感染を予防できるといわれています。


フローリングやカーペットに素足は厳禁!

自宅で過ごすとき、靴下履いているでしょうか? 「乾燥させるために裸足になる」という人も多いですが、あまりおすすめできません。裸足は発汗した時に水分の行き場がなくなります。逆に、綿の靴下をしっかり履いて汗を吸ってもらい、乾燥させるほうが清潔に維持できます。フローリングやカーペットに直足はかえって不潔と考えた方が良いでしょう。


水虫菌のパラダイス、「靴のケア」はどうしたらいい?

さて、裸足で歩くわけにはいきませんから、靴は必需品です。1日中履き続けた靴の中は極めて湿度が高く、水虫菌にとってはパラダイスです。

しかし、スニーカーでも無い限り、靴を洗うというのもなかなかできません。まずは乾燥です。その後に除菌スプレーを吹き付けて再度乾燥させましょう。蒸れた靴にいきなり除菌スプレーを撒いても効率が悪いので、乾燥して水虫の居心地が悪くなったところで、除菌するのが効果的です。

同じ靴を毎日履かないというのも大変重要です。そして、許されることならば、職場で靴を履き替え、通気性の良いサンダルなどで仕事をすることをおすすめします。靴下は水分の吸収性の高いもの(吸湿性の高いもの)、厚手のものが良いでしょう。五本指ソックスなどは効果的です。
女性の場合、通勤の際には通気性の良いスニーカーを履き、職場では靴に履き替えるなどの手間をかけると、予防できます。


もし、水虫になってしまったら?

不幸にして、水虫に感染した場合は、市販の水虫用の抗真菌剤の入った軟膏やローションなどがあるので、指示通りに使ってください。使用するときには、必ず足を清潔にしてから塗布するようにしてください。入浴後がベストです。

そして、1日2回以上使用するタイプのものであれば、出勤前にもう一度使用してから、出勤しましょう。これでも治らなかった場合とか、爪に水虫が感染している場合は、市販の薬では効果が見込めないので、皮膚科を受診することをおすすめします。



(文・長谷川真弓)



この記事の監修
井上肇/聖マリアンナ医科大学 特任教授

星薬科大学薬学部卒、同大学院薬学研究科修了。聖マリアンナ医科大学・形成外科学教室内幹細胞再生医学(アンファー寄附)講座 特任教授及び講座代表。幹細胞を用いた再生医療研究、毛髪再生研究、食育からの生活習慣病の予防医学的研究、アンチエイジング研究を展開している。