電子マネーやクレカが進化。目まぐるしく変化するポイント業界

合併や業務提携などでコンビニの勢力図が移り変わる中、海外で普及する新しい電子マネーが日本にも参入。今、刻一刻と変化する共通ポイントやクレカの周辺環境について紹介する。

■ファミマグループの拡大でコンビニ業界の勢力図が激変

 共通ポイントのリアルの拠点ともいえるコンビニ。店舗数と売上高で業界3位のファミリーマートが4位のサークルKサンクス、中堅のココストアと手を組んだことで業界2位に。店舗数もセブン-イレブンと並ぶ規模に。一方、業界2位のローソンもポプラと資本業務提携。また新たに電子マネー『WAON』での決済も始めるなど、活発に動く。

■ファミマグループの拡大でコンビニは3強体制に

ファミマグループの拡大でコンビニは3強体制に

2016年9月にファミリーマートとサークルKサンクスが統合すると1万8000店規模になり、業界1位のセブン-イレブンと並ぶ。ローソンも含めて3強となり競争が激化しそうだ。

■ローソンで電子マネー『WAON』を導入

ローソンで電子マネー『WAON』を導入

昨年12月15日から、ローソンでイオンの電子マネー『WAON』での決済や現金チャージがスタート。ローソンはセブン-イレブンに対抗する強力なパートナーと手を組んだ形だ。

■東京オリンピックに向けて電子マネーの国際化が進む

 2020年の東京オリンピックの開催に向けて、日本ではキャッシュレス決済を推進。国際標準の通信規格であるNFCを利用した電子マネー『Visa payWave』の導入をはじめ、海外標準の電子マネーがこれから次々と日本に参入することが予想される。手持ちのTカードで手軽に利用できる『Tマネー』も始まり、ますますキャッシュレス化が加速する。

[Visa payWave]
●海外で標準化している通信規格の電子マネー

2007年9月にサービスが開始された電子マネー。NFC(Near Field Communication)を利用し、専用リーダーにかざして決済する。国内のほか、海外53か国の加盟店で利用できる。

OricoCard Visa payWave
海外の加盟店での利用はポイント2倍に。『OricoCard Visa payWave』。

住信SBIネット銀行Visaデビット付キャッシュカード
円と米ドル対応の『住信SBIネット銀行Visaデビット付キャッシュカード』。

[Tマネー]
●持っているTカードがそのまま『Tマネー』に

Tカードにチャージして使える電子マネー。2014年11月から始まり、TSUTAYAやファミリーマートなどの加盟店で利用できる。通常のポイントのほか500円で1ポイント貯まる。

Tマネー
Tマネー加盟店で現金チャージでき、Tカード1枚で支払いし、ポイントを獲得できる。

■1枚で何役も果たす便利なカードが続々

 クレカと電子マネーの一体型カードがさらに進化して、ポイントカードの機能も備えた1枚3役のクレカが登場。昨年12月1日にドコモの『dカード』が登場し、12月17日には『楽天ポイントカード機能付き楽天カード』の発行が開始された。これらのカードは支払いからポイント獲得まで1枚でこなせるので、持ち歩きに便利。買い物時に複数枚のカードを出す手間も省ける。ポイントカードとプリペイドカードの機能を併せ持つ『おさいふPonta』のようなカードも登場。共通ポイントが貯められる便利なカードが増えている。

[クレカ]+[電子マネー]+[ポイントカード]

『dカード』

dカード

電子マネーの『iD』と『dポイントカード』の機能を併せ持つクレカ。上位カードの『dカード GOLD』も同様に1枚で3役を備える。

『楽天カード』

楽天カード

『楽天Edy』と『楽天ポイントカード』の機能を備える。『楽天プレミアムカード』や『楽天PINKカード』なども1枚3役に。

[プリペイド]+[ポイントカード]

『おさいふPonta』

おさいふPonta

『Pontaカード』にJCBプリペイド機能が付いた。ローソンで現金チャージでき、国内約900万店舗のJCB加盟店で利用できる。

[ほかにも]

秋頃にはnanacoとJCBデビットカード機能を搭載した『セブン銀行 デビット付きキャッシュカード』が登場予定。

◎4強共通ポイント+電子マネーポイントの現状

■dポイント
〈運営会社〉NTTドコモ
〈会員数〉約5400万人(dポイントクラブ会員数)
〈提携企業数・店舗数〉約380社※
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]ローソン [ファーストフード・カフェ]マクドナルド [スーパー・百貨店]眦膕亜2016年4月以降)[ショッピングサイト]dマーケット [ケータイ会社]NTTドコモ [電力会社]中部電力、関西電力、東京ガス、中国電力 [航空会社]JAL [石油会社]ENEOS [上記以外](2016年春以降)BLUE SKY,イオンシネマ、タワーレコード、オリックスレンタカー、スポーツクラブ ルネサンス、伊達の牛たん本舗 ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉iD
〈概要〉ドコモポイントから名称を変更し、2015年12月1日よりスタート。Pontaポイントとのポイントの相互交換ができるようになった。

■Tポイント
〈運営会社〉Tポイント・ジャパン
〈会員数〉5667万人(アクティブ・ユニーク数)
〈提携企業数・店舗数〉131社、45万店
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]ファミリーマート、スリーエフ [ファーストフード・カフェ]ロッテリア [スーパー・百貨店]マルエツ、マミーマート、東武ストア [ショッピングサイト]Yahoo!ショッピング、Tモール [ケータイ会社]ソフトバンク [電力会社]中東京電力、東京ガス、西部ガス、東邦ガス [航空会社]ANA [石油会社]ENEOS [上記以外]TSUTAYA、コンフォートホテル、東急ホテルズ、ガスト、エディオン、ドトール、洋服の青山、コンタクトのアイシティ、牛角 ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉Tマネー
〈概要〉2013年7月1日にYahoo!ポイントが統合。2014年7月からはケータイの利用料金で貯まるソフトバンクポイントがTポイントに。

■Pontaポイント
〈運営会社〉ロイヤリティマーケティング
〈会員数〉7343万人
〈提携企業数・店舗数〉81社、約14万店(リクルートのサービス含む)
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]ローソン、ローソンストア100、チュラルローソン [ファーストフード・カフェ]ケンタッキーフライドチキン [スーパー・百貨店]ライフ(10店舗限定)[ショッピングサイト]ポンパレモール [ケータイ会社]NTTドコモ [電力会社]東京電力、関西電力、東北電力、東京ガス [航空会社]JAL [石油会社]昭和シェル石油 [上記以外]AOKI、ヒマラヤ、B&D、大戸屋、ピザハット(オンライン)、オリックスレンタカー、H.I.S.(オンライン)、ルートインホテルズ、HMV、セガ ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉(おさいふPonta)
〈概要〉2015年11月24日に「じゃらんnet」などで貯まるリクルートポイントをPontaポイントに変更。今後はPontaポイントが貯まる。

■楽天スーパーポイント
〈運営会社〉楽天
〈会員数〉1億327万人(累計会員数)
〈提携企業数・店舗数〉約57万店(楽天Edy加盟店含む)※
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]サークルKサンクス、ポプラ [ファーストフード・カフェ]ミスタードーナツ、カフェ&バーPRONTO [スーパー・百貨店]大丸、松坂屋 [ショッピングサイト]楽天市場 [ケータイ会社]楽天コミュニケーションズ [電力会社]関西電力、東京ガス、伊藤忠 [航空会社]ANA [石油会社]出光 [上記以外]しゃぶしゃぶ温野菜、生活彩家、Joshin、J&P、サカイ引越センター、つるやゴルフ、パレットプラザ、55ステーション、得タク、マザーピア ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉楽天Edy
〈概要〉街ナカで使える『Rポイントカード』の名称を『楽天ポイントカード』に変更。ポイントカード機能付きクレカも昨年12月に発行。

■WALLETポイント
〈運営会社〉KDDI
〈会員数〉1680万人(au WALLETプリペイドカードユーザー)
〈提携企業数・店舗数〉世界約3960万のMasterCard加盟店
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]セブン-イレブン [ファーストフード・カフェ]スターバックス(カードチャージのみ)[スーパー・百貨店]イトーヨーカドー [ショッピングサイト]au WALLET Market [ケータイ会社]au [電力会社]auでんき、関西電力、中国電力 [石油会社]出光 [上記以外]マツモトキヨシ、ココス、牛角、ノジマ、GAP、紀伊国屋書店、ビッグエコー、ヴィクトリア、TOHOシネマズ、スペースクリエイト自遊空間 ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉(au WALLETプリペイドカード)
〈概要〉『au WALLET プリペイドカード』のほか、『au WALLET クレジットカード』の利用でもポイントが貯まる。

■nanacoポイント
〈運営会社〉セブン・カードサービス
〈会員数〉4434万人
〈提携企業数・店舗数〉21万5300店
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]セブン-イレブン [ファーストフード・カフェ]ミスタードーナツ [スーパー・百貨店]イトーヨーカドー、ヨークマート [ショッピングサイト]オムニク [電力会社]関西電力、中部電力 [航空会社]ANA [石油会社]エッソ、モービル [上記以外]西武・そごう、ロフト、デニーズ、アカチャンホンポ、ビックカメラ、コジマ、アインズ&トルペ、ココカラファイン ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉nanaco
〈概要〉2015年3月1日より、セブン&アイグループのクレカ『セブンカード・プラス』でna
nacoチャージをするとポイントが貯まるように。

■WAONポイント
〈運営会社〉イオンリテール
〈提携企業数・店舗数〉24万1000か所
〈主な提携先・加盟店・ポイントアップ店〉
[コンビニ]ファミリーマート、ポプラ、ローソン [ファーストフード・カフェ]マクドナルド [スーパー・百貨店]イオン、ダイエー、マックスバリュ [ショッピングサイト]おうちでイオン [ケータイ会社]イオンモバイル [電力会社]関西電力、中部電力、東京ガス [航空会社]JAL [石油会社]コスモ石油 [上記以外]ツルハドラッグ、ビックカメラ、エディオン、BLUE SKY、吉野屋、オリジン弁当、イオンシネマ、ルートインホテルズ、ヤマト運輸 ほか
〈電子マネー(プリペイドカード)〉WAON
〈概要〉2015年12月15日から、全国のローソン店舗で『WAON』が利用できるようになった。店頭での現金チャージのサービスもスタート。

※『dポイント』はクレカの『dカード』や『dカード GOLD』での決済でも貯まる。『楽天スーパーポイント』も同様にクレカの『楽天カード』などでの決済でも貯まる。その際の加盟店数はVisaまたはMasterCardは国内外約3960万店。JCB取扱店契約数は国内外約2900万件。

◎電子マネーを考慮して共通ポイントを選択

『dポイント』が加わり、4強となった共通ポイント。いずれも加盟店で1ポイントを1円分として決済できるため、まるで電子マネーのように利用できる。そんなことから、「共通ポイントは電子マネーのポイントともライバル関係にあるといえます」とファイナンシャルプランナーの松岡賢治さん。

「auのケータイ料金などで貯まるWALLETポイントやセブン-イレブンのnanaco、イオンのWAONで貯まるポイントは、交換の手間が発生するものの、各カードにチャージして1ポイントを1円分として利用できます。電子マネーのポイントはこの交換のせいでわかりづらくなっていますが、実質的には共通ポイントと同じ。これからは電子マネーも考慮したうえで、自分にとってお得な共通ポイントを考えるべきでしょう」

松岡賢治さん
ファイナンシャルプランナー
松岡賢治さん

シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て独立。生活総合情報サイト「All About」のクレジットカードのガイドを務める。

文/編集部