節税効果絶大! 知らなきゃ損する確定拠出年金の始め方
マイナス金利でも手堅く資産運用を図りたい。そんな人こそ始めるべき、有利な制度がある。節税効果で実質年利15%以上を叩き出す、最強の老後資産構築術を伝授する!

◆節税に効果あり!知らなきゃ損する確定拠出年金の有利な始め方

 老後に受け取る公的年金の額は減額されるばかりで、定年後の生活に不安を感じる人も多いだろう。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏はこう警告する。

「年金制度は破綻することはないでしょうが、生活に必要最低限の額を受け取るのが関の山でしょう。教育費や住宅ローンの返済に追われている人ほど、なるべく早く『自分年金』づくりをスタートしないと間に合いません」

 そこで山崎氏が勧める“最強”の資産形成術が個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)だ。

「老後のために自分で投資信託などにお金を積み立てていく制度なのですが、他の金融商品にはない『特典』があります。積み立てた金額の最低15%が実質的に『キャッシュバック』されるのです」

 そのカラクリは節税効果。個人型DCで積み立てたお金は所得控除の対象で、税金の計算のもととなる課税所得から差し引かれ、払った税金が返ってくるのだという。

「例えば、課税所得が500万円の人が毎月2万3000円(年27万6000円)を積み立てると、所得税と住民税合わせて年8万2800円も軽減されます。所得税は年末調整か確定申告で還付され、翌年の給与から天引きされる住民税も減る仕組みです」(山崎氏)

 住民税率は一律10%なので、積み立てたお金のうち、所得税率が最低の5%の人でも合わせて15%、10%の人なら20%が返ってくる計算だ。自分の将来のために積み立てるだけで節税ができるのである。

 しかも、個人型DCは現役世代が高齢者を支える公的年金とは異なり、自分が積み立てたお金はすべて自分の財産。加入者が死亡すれば遺族に支払われるので、「払い損」の心配もないのだ。

 この制度、現在は自営業者など公的年金が手薄な層だけが利用できる「お宝」だったのだが、対象を拡大する改正法が成立し、’17年からはほぼすべての現役世代が使えるようになる。

◆圧倒的な低コストで長期運用が可能

 個人型DCのメリットはまだある。通常の投資では約20%課税される運用益・売却益が非課税になるのだ。個人型DCに詳しい経済コラムニストの大江英樹氏は、その効果をこう試算する。

「仮に前述の例で30年間、年3%で複利運用を続けた場合、通常の積み立て投資なら1209万円貯められるのに対し、非課税で運用できれば1339万円。その差は130万円にもなります」

 さらに、個人型DCは一般の口座より安いコストで運用できるという。投信には保有しているだけで信託報酬という手数料が自動的に差し引かれるが、個人型DCの口座で購入できる投信はそれが安い傾向があるのだ。

「TOPIX(東証株価指数)に連動するインデックス投信の場合、銀行や証券会社で買える商品の信託報酬は0.65%程度が一般的ですが、個人型DCでは0.2%程度からあります」(大江氏)

 これが30年間積み重なると、支払うコストの差は30年間で57万8000円に達する。

◆同じ非課税投資でもNISAよりお得

 ちなみに、非課税で投資できる制度としては、NISA(少額投資非課税制度)が知られているが、山崎氏は「圧倒的に個人型DCが有利」という。

「NISAは投資期間が5年と限られているうえ、利益確定すればその枠は二度と使えない。個人型DCなら60歳まで何度でも売買したり、商品を乗り換えることができます。非課税で運用益を積み立てて、複利効果を大きくすることも可能です」

 個人型DCを始めるには、自分で金融機関を選んで手続きする必要がある。証券各社や都銀、地銀などが対応している。