<全英オープン 最終日◇17日◇ロイヤルトゥルーン(7,190ヤード・パー71)>
 歴史に残る名勝負を演じ、敗れたフィル・ミケルソン(米国)は“史上最強の敗者”だった。1打のビハインドで迎えた最終日。前半4番のイーグルなどで何度もヘンリック・ステンソン(スウェーデン)に並びながら、圧倒的なパフォーマンスの前に46歳は力及ばなかった。
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 ミケルソンは満足感と悔しさが同居した表情で、18番グリーンをあとにした。「本当につらい。残念な結果だよ。ヘンリックの優勝はうれしい。いつかどこかでメジャーチャンピオンになるのはわかっていた。彼の優勝は心から嬉しいけど、それにより僕が優勝を逃さなくてはならなかったのが残念だよ」。
 1イーグル・4バーディ・ノーボギー“65”の最終ラウンドは、完璧と言ってもよかった。「たぶん、負けた大会では最高のパフォーマンス。だからたぶん、すごいガッカリしているんだと思う。あれをすればよかった、これをすればよかったという反省点がないから。メジャーの最終日にボギーなしの65。普通ならそれで優勝できるはずだけど、きょうは負けた。10個のバーディを奪取した相手に負けたんだ」。百戦錬磨のミケルソンにとっても考えられない事態が目の前で起こった。
 ミケルソンのマークした“267”ストロークは全英オープンを2位で終えた選手の中で最少スコア。ターンベリーで行われた1977年大会ではジャック・ニクラス(米国)がトム・ワトソン(米国)に最終日のデッドヒートの末に269ストロークで敗れたが、それ以来の記録更新となる。「77年のあの試合のことが頭の中をよぎったのは確かだ。あの試合のトムになりたかったけど、残念ながら叶わなかった。ジャックがどのような気持ちか分かる。ほろ苦い気持ちだ」。
 ちなみに、ミケルソンが出した17アンダーは、過去144回の歴史に照らしても上回るスコアをマークしたのは3人しかおらず、4人目がこの日のステンソン。「優勝争いのチャレンジはとても楽しかった。残念なのは2位で終わったこと。ただ最高のチャンピオンが誕生した」と潔く勝者を祝福した46歳のビッグレフティは、確かに“史上最強の敗者”だった。
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